【仲間たちの絆〜レーサーズ〜】ボートレーサーの“絆”を紹介する連載「レーサーズ」――。今回は夫婦レーサー・福田雅一(50)&平山智加(33)が登場。選手、夫、妻、父、母…。様々な“顔”を持ちながら戦う2人の思いに迫った。
4月の宮島プレミアムGⅠマスターズチャンピオン――。予選敗退となってしまったものの連日、最終レースの締め切り直前まで入念にペラ調整をする福田の姿があった。
「あと20年、選手を続けたいと思っているんだ。70歳までね。そのためにも常に何かをつかみたいという気持ちがある。今回は準優に乗れなかったとしてもいろいろと試行錯誤をして何か次につながるものを見つけたい。長く選手を続けるためにも、できることはやっておかないといけないと思っている」
静かに胸の内を明かした福田。「現役」にこだわる理由の一つは家族の存在だ。「結婚して恥ずかしいレースはできないという思いが強くなった。そして、子供ができて、一日でも長く頑張らなきゃ、という気持ちが強くなったよね」という。
そんな夫に対して平山も「研究熱心で常に向上心を持ち続けています。自分のことだけではなく、後輩のことも考えアドバイスしています。見習う部分が多く、尊敬する先輩です」と絶大な信頼を寄せている。
激戦を終えて家に帰れば福田は夫であり、2児のパパとなる。そして平山も妻、母という役割を担う。2人の間には「お互いにできること、気づいたことをきちんとやる」という“ルール”がある。2008年の結婚以来、ともにこれを守ってきた。平山も「夫として、どんな時もやさしく見守ってくれています。さりげなく家事を手伝ってくれて気遣ってくれて本当にありがたく思っています。父親として、子供たちに愛情たっぷりで接してくれています。子供はパパが大好きで1日何回も“パパ!”と言っています」と感謝しきりだ。
昨年12月に第2子となる長女を出産した平山は24日開幕の地元・まるがめの一般戦で復帰する。福田が“家族のために一日でも長く”という思いを強くしたように結婚、出産という大きな転機を経験したことで平山のレースに臨む心境も変化してきた。「結婚前は焦ってレースをしてた気がします。結婚後は気持ちが落ち着きレースに集中できるようになりました。そして出産前はファンの皆様のため自分のためにレースをしていましたが、出産後は“子供たちのため!”と守るべき大切な人が増えてより一層頑張ろうという気持ちが強くなりました」
今後も夫婦揃って“心を込めて”走り続ける。
☆ふくだ・まさかず=1968年10月10日生まれ。香川支部69期生。初出走は91年11月のまるがめ。92年1月の鳴門で初勝利。95年8月の住之江で初優勝。99年6月の江戸川44周年記念でGⅠ初V。同期は三嶌誠司、仲口博崇、田中信一郎、太田和美ら。身長165センチ。血液型=A。
☆ひらやま・ちか=1985年7月13日生まれ。香川支部98期生。初出走は2006年5月のまるがめ。デビュー4走目で初勝利。08年5月のまるがめで初優勝。13年1月の尼崎60周年記念でGⅠ初優勝。同期は鶴本崇文、松田祐季、船岡洋一郎、松本晶恵ら。身長156センチ。血液型=O。
東スポ
ボートレーサー同士の夫婦は本当多い。職場やクラスが良いっしょ見たいなもんだから当然と言えば当然。