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      GⅡ『第5回レディースオールスター』おめでとう『小野生奈』

      最終日のハイライト

      12R優勝戦
      ①小野生奈(福岡) 07
      ②遠藤エミ(滋賀) 13
      ③竹井奈美(福岡) 11
      ④平高奈菜(香川) 08
      ⑤岩崎芳美(徳島) 11
      ⑥大瀧明日香(愛知)08

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      純地元のプリンセス小野生奈が、トップスタートから1マークの接戦を制して逃げきった。スリット隊形はほぼ横一線で、わずかにイン小野と4カド平高が覗く展開に。平高はカド受け竹井に受け止められる形で攻めが遅れ、代わって地元の大本命に肉薄したのは2コースの遠藤だった。

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      今日の風は、2コース差しにはかなり不利な強めのホーム向かい風。しかも遠藤はスリットで少し凹んでいたが、その凹みを逆利用する形で舳先を早めに左へと転回させてくるり俊敏な小回りターン一閃! 「緊張でうまくハンドルが入らなかった」生奈がターンマークを漏らしている間に、最短距離の放物線を描いて舳先をグイッと突き入れた。これぞ遠藤エミ。

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      生奈vsエミの一騎打ちは、4日目12Rに続く今節2度目のマッチアップ。「勝った方が予選トップ」のファーストレグは、強ツケマイを放った遠藤が抜けきったかに見えたが、そこから生奈が半端ない行き足~伸びで予選の頂点に立った。
      今日も行き足の違いで、生奈がすぐに舳先を振り払うか。
      と見ていたが、そうはならない。逆にスリット裏ではエミの舳先がさらに刺さっていくように見えた。今日のエミ12号機の出足~行き足は、生奈56号機以上の仕上がりだったか。この調整力にも拍手。

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      ただ、そこからだ。スリット裏から2マークまで、今度は生奈の仕上げきった56号機が吼える。1/3ほどめり込んだように見えたエミの舳先は1/4~1/5とずり下がり、2マークの20mほど手前で、ついにはらりと削げ落ちた。この瞬間が、まさに優勝と準Vの分水嶺だったと言いきっていいだろう。

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      「エンジンが勝たせてくれました」
      勝利者インタビューで、生奈は素直にこう言った。実際に4日目12Rも優勝戦も、直線のパワー差がギリギリものを言っての勝利だった。この差がなければ、おそらくエミが予選トップで優勝しただろう。
      ただ、勝たせてくれるエンジンに仕上げたのは、小野生奈自身。選手代表の重責を担いながらも日々何度も舟を下ろして試運転を繰り返し、ピットでは実務雑務に奔走し、そんな中で2連率34%のモーターを優勝するに足るパワーまで引き上げたのだから、思いきり胸を張っていい優勝だ。

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      芦屋のプリンセスからクイーンへ。
      この水面でプロ選手としての産声をあげ、179走目に初勝利を飾り、GI初出走も初勝利も初優勝もこの水面で遂げ、さらに今日は「GⅡ初優勝」のタイトルをも戴いた。ちょっとした「ご当地グランドスラム」状態なわけだが、もちろん現在のプリンセスにはまだ足りない大きなものがある。

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      今後の生奈は、若松オールスター出場はほぼ当確(中間発表で13位)として、完全に権利が確定しているSGは7月20日からの芦屋SGオーシャンカップ!! この5カ月後に起こり得るストーリーは、読者それぞれの想像に委ねるとしよう。女子レーサーにとってSGという舞台がどれほどの高峰であるか、百も承知でありつつも、なかなかに夢多き物語になりそうだ。

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      何度も書いてきたが、やまとでの生奈のリーグ成績は3・41。103期の24人の卒業生の中で、下から2番目のいわゆる劣等生だった。初勝利の179走目も下から4番目。同期の首席、深谷知博の「リーグ成績8・23&デビュー戦で初勝利」というエリート人生とは比べるべくもない選手生活を歩んできたが、今は同じ最高峰のステージで戦うレーサーとなった。そんなこんなの下積み時代も含めて、5カ月後の芦屋SGでの活躍を見守るとしよう。ちなみに今日現在、深谷はまだオーシャンカップの権利を持っていないけれど。

      最終日のピットの模様

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      優勝戦組の朝の動き。まず目についたのは、すでに水面にいた小野生奈。本当にこの人は、ゆっくりするということがない。プロペラ調整にも余念がなく、優勝戦1号艇の動きとしては異質と言える。3R発売中にボートをいったん上げたが、すぐにプロペラ調整に走っている。
      遠藤エミはプロペラ調整に没頭。これもまた、この人のルーティンというか、その日が何日目で何が控えているかに関係なく、朝からペラ調整所の主となるのが常である。

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      大瀧明日香もプロペラ調整。合間に何度か控室に戻ってもいたが、基本的にはプロペラ調整室にこもる朝であった。

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      平高奈菜は3R発売中に着水。試運転で何周か駆けて、ペラを外して調整スタート。それまでは大きな動きを見せていなかった。

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      竹井奈美と岩崎芳美は序盤のうちは動きなし。プロペラも装着されたままだった。竹井は3Rの発走直前にボートへと向かい、守屋美穂と話しながらモーター回りをチェックしていた。
      ざっと書いてしまえば、ベスト6の朝の様子は以上。ここからは調整や試運転以外で目についたことを。

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      岩崎芳美はエンジン吊りで姿を見たのみだが、その動きは実にキビキビとしていた。2Rは、中四国の安井瑞紀のエンジン吊りに参加するべきなのだが、ここは岡山、広島、山口勢が揃っており、一方で宇野弥生の陣営が手薄だった。岩崎はすぐさまこちらに移動し、率先してボートを引いて空いている場所を探すのであった。臨機応変の動きがさすがですね。

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      小野生奈と清水沙樹が楽しそうに談笑しながらエンジン吊りへと向かう様子。103期の同期生だが、今節この絡みは初めて見たな―。

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      同期の絡みでは、平高奈菜と津田裕絵も。

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      小野生奈の乗艇着のズボンをよくよく見ると、「4770」という数字が記されている。これは妹の小野真歩さんの登番。ちゃんとMAHOとも書かれているのだった。いつか姉妹で大舞台に、と願っていただろうが、残念ながら真歩さんは水面を去った。さまざまな思いが去来するであろうなか、生奈は妹のウェアを身に着けて、妹とともに戦うのである。地元水面で、妹の思いも背負う優勝戦なのである。

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      すべてのレースを終えた選手はモーター返納作業に。他のレース場なら、まずカポック着脱場に走って、大急ぎで装備をほどいて整備室へと駆けていくのだが、芦屋ピットは整備室からカポック着脱場が遠いので、リフト近くのカーゴにヘルメットとカポックを脱いで、そのカーゴを若手が運ぶというスタイル。2R終了後、そのカーゴを運び始めたのは小野生奈。手が空いていたから運びましょ、ということなのだが、これを見つけた大山千広は当然「私が持っていきます!」。でも小野は「いいよいいよ」と譲らず、さらに大山が「私が!」。後輩としては、先輩に運ばせるわけにはいかないですよね。

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      3Rで今節終了は柴田百恵のみ。というわけで、大山千広はカーゴを使わずに勝負服とカポック、オレンジベスト、ヘルメットを運ぼうとした。これを見つけたのは竹井奈美。ちぃちゃん、手伝うよ、と歩み寄ったのだが、大山は恐縮して大丈夫です大丈夫です! それでも竹井は譲らず、ついにヘルメットをむしり取ったのだった(笑)。それを見て笑う小野生奈。微笑ましい光景です。というか、なんか生奈の話ばっかりになったな。それだけ目立っていたということではあります。

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      最後に優勝戦メンバーじゃないけど寺田千恵。2Rで愛弟子の安井瑞紀が2着。安井は今節、転覆するわゴンロク並べるわと、実に苦労した。それでも最後に2着となり、テラッチ嬉しそうに安井とハイタッチ! 安井も師匠の笑顔に一節の疲れが吹っ飛んだことでしょうね。

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      昨日、準優を勝ち上がった竹井奈美に、関係者の皆さんが嬉しそうに祝福の声をかけていたことを記したが、今日は役者を変えて同じことがまた起こっていた。主役はもちろん小野生奈。ウィニングランに向かう際、多くの関係者の方々が水面際に出てきて、小野に手を振り、拍手をする。「いちばん練習をした水面」であるという芦屋は、初出走の地であり、初勝利の地であり、GⅠ初出場の地。そのころから小野生奈を見続け、かわいがり、彼女に思い入れを深めた人たちが、このピットにはたくさんいる。わが娘のような存在が頂点に立ったことは、まさに身内の快挙なのである。

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      湿っぽい空気はなかった。2017年、さらにグレードが上のレディースチャンピオンを、小野はこの地で制しているのだ。当時もそうした雰囲気は希薄だったと記憶しているが、GⅠ覇者によるGⅡ制覇は、悲願と呼ぶべきようなものではないだろう。

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      ただ、ウィニングランや表彰式など、セレモニーが一通り終わったとき小野は、やや疲れたような、そしてホッとしたような表情を見せている。今節は選手班長を務め、出場選手をまとめる大役を果たした。水面では予選トップ通過を果たし、さまざまな重圧を背負って準優、優勝を戦い抜いた。また、レースでは遠藤エミに鋭く迫られた。それらを乗り越えての優勝だ。まさに肩の荷が下りたのだろうし、感慨深い思いがこみ上げて当然だろう。

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      それにしても、小野vs遠藤の激突には痺れさせられた。遠藤の差しはあまりに強烈で、一瞬は刺さったかと思われたが、小野がバックで振り切った格好。女子トップクラスの、渾身の真っ向勝負。この二人だからこそ立ち上った、名勝負である。
      遠藤は、JLCインタビューやボート上でのプレス撮影が終わるのを、係留所際で待ち構えていた。ウィニングランに向かう小野が、ここで遠藤と顔を合わせる。たぶん、小野は差されたと思い、遠藤は刺さったと思い、しかし競り勝ったのは小野。二人は充実し切った、しかし勝者は敗者を思いやり、敗者はちょっとばかりの悔しさを浮かべた、素敵な表情で笑いあった。そしてがっちり握手。歓喜と悔恨、抱えた本音の部分は違っても、いい勝負ができたという手応えはお互いにあったのだろう。健闘を称え合う握手は、実に美しく映った。

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      他の選手は総じてサバサバしていたと思う。あえて言うなら、竹井奈美は少しばかり無念があったか。小野と竹井は1期違いの先輩後輩ではあるが、盟友と呼ぶべき間柄。何年か前に一緒にトークショーをしたときには、その仲の良さを目の当たりにしたし、小野にインタビューした際には竹井の存在の大きさを語っていたものだ(竹井にはタメ口でいいと言っているのに、竹井は敬語で話すと言って笑っていた。ただし、ケンカになるとタメ口になるとも・笑)。その二人が、地元GⅡ優勝戦でワンツーフィニッシュとなれば、これはまた別の喜びになったはずだ。2着では満足できないにしても、ある種の達成感はあったのではないかと思う。いったんはその隊形ができつつあっただけに、複雑な心境はあるのではないか。

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      関係者が小野の優勝を祝福していたと先述したが、もちろん他の選手からの祝福も数多かった。大山千広は先輩の優勝を喜び、深川麻奈美は後輩の優勝に笑顔を見せる。津田裕絵、鎌倉涼の100期勢も、プレス撮影に応える小野に両手を掲げて祝福を示した。表彰式が終わったときには、着替えを終えて帰郷準備が整った岩崎芳美が。前年度覇者は、それは思うところもあるとは思うが、穏やかに小野におめでとうと声をかけるのだった。

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      全体的に穏やかな幸せが漂う、優勝戦のピットだったと思う。小野生奈、おめでとう! 次に登場する芦屋の大舞台は7月のオーシャンカップだ。地元SGでおおいに跳ねてください!

      五日目のハイライト

      10R
      ①廣中智紗衣(東京)14
      ②松本晶恵(群馬)   13
      ③平高奈菜(香川)   09
      ④竹井奈美(福岡)   10
      ⑤宇野弥生(愛知)   07
      ⑥清水沙樹(東京)   14

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      竹井奈美が1マークの混戦から鋭い差しハンドルで突き抜けた。スリットから伸びなり仕掛けたのは3コースの平高。力強い行き足でじんわり2コース松本を絞めつけ、まくり差しに十分な態勢を整えたかに見えた。
      が、絞められた松本の防御が素晴らしい。1マークの寸前、窮屈な差しを選択する前にキュッと握り返してイン廣中に寄り添い、平高が入るべき隙間を完璧に遮断した。松本自身も浅い傷を負う戦法ではあったが、これで「まくり差しを浴びて大敗」という致命傷を回避した。地味ながらもファインプレイだ。

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      逆に差し場を失った平高は、迷い箸のように揺れ動いて後手を踏んだ。そんなスロー勢のねじり合いを横目に、4カドから最内をスパッと差し抜けたのが竹井だった。竹井の4カドといえば一撃まくりが浮かぶが、今日は攻めっ気を抑えた冷静沈着な立ち回りが功を奏した。3日目あたりから機力の上積みに成功した自信と余裕が、1マークに反映されたのだろう。

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      それでも、今日のトップ足は平高だったか。1マークで置き去りにされた平高は、すぐに追撃態勢を築いて再始動。2マーク手前で外に持ち出し、松本vs廣中がやや握り合いになったところを鋭角の差しハンドルで大逆転の2番手をもぎ取った。1マークの竹井同様に展開の利はあったものの、多数の引き波を超えて出口から加速していく押し足は絶品。

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      その後は先頭の竹井とともにズンズン後続を引き離し、竹井の走破タイムはあっと驚く1分45秒5!! レース前の私は「上積みがあってやっと中堅上位か上位の下まで」と見ていたが、さらなるプラス査定が必要な驚愕タイムではある。
      その竹井にしぶとくつきまとい「実戦足はコッチが上だろう」と思わせた平高も、私の想定よりワンランク上のパワーかも。明日は外枠での勝負となる平高61号機、V戦線でも舟券的にも面白い存在になりそうだ。

      姐御は強かった

      11R
      ①遠藤エミ(滋賀) 17
      ②山下友貴(静岡)    22
      ③守屋美穂(岡山)    17
      ④岩崎芳美(徳島)    16
      ⑤西村美智子(香川)15
      ⑥鎌倉 涼(大阪)    16

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      遠藤エミが1期先輩・山下&守屋コンビの攻撃を寄せつけずに逃げきった。3コース守屋の仕掛けはそれなりに早かったが、まくり差しの切れ味が鈍かったのは今日の調整がズレていたか。あるいは、昨日の無理な早仕掛け(不良航法)が脳裏をよぎったか。最大のライバルの攻撃が燻っている間に、遠藤がすたこら逃げて1着が決まった。

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      遠藤12号機は初日から「出足主体の中堅上位あたり」で一貫していて、不足分をスピードとテクでカバーしながらファイナルまで到達した、と思っている。そのあたりの鑑定は、昨日の生奈との一騎打ち(直線で競り負け)で証明された気がするのだが、もちろん「だから優勝は厳しい」と断定できないのがこの天才レーサー。明日はどんな作戦で大本命に襲い掛かるか……昨日のバトル(=全速ツケマイの真っ向勝負)を布石にしつつ、ライバルの裏をかく戦法を繰り出す可能性も想定しておきたい。

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      一方の2着争いは、手に汗握るデッドヒート。あ、私は鎌倉28号機を応援していたからびっしょり手汗をかいたのだが(笑)、その猛追をことごとく封じたのが48歳の岩崎芳美さまだ。本当に、鎌倉のボートチェイスは文句なしに速く激しく厳しく的確だったが、ボクシングで言うところのダッキングやスウェイバックやクリンチみたいな柔らかな交わし技ですべての攻撃を緩和し、2艇身ほどの差をキープして優勝戦へのゴールを駆け抜けた。

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      嗚呼、これぞ百戦錬磨の立ち回り。前年度覇者でありながら推薦枠での参戦となった芳美お姐さまは、今年もやっぱり強かった。そして……
      「このハイレベルなお姐さま軍団をファン投票さながら無下に扱うファンは、必ずや舟券でしっぺ返しを喰らうことになるだろう」
      3日目に私はこんな言葉を記したのだが、そのお間抜けなファンとは他ならぬ私自身だった。芳美さま、ごめんなさいっ!!

      Wハイパワー

      12R
      ①小野生奈(福岡) 17
      ②島田なぎさ(埼玉)13
      ③田口節子(岡山)    12
      ④山川美由紀(香川)08
      ⑤大瀧明日香(愛知)11
      ⑥津田裕絵(山口)   19

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      昨日の連勝で予選トップに返り咲いた小野生奈が、やや不利なスリット隊形から慌てず騒がず1マークを先取りして難なく逃げきった。
      スリットからシュッと飛び出したのは、4カドの古豪・山川だ。その後はさほど伸びないと見るや、じんわりカド受けの田口に寄り添って攻めを催促。

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      「ほらほら、はよ攻めなさいよ~!」
      そんな声が聞こえた気もするのだが(笑)、それに応えるように田口が握った瞬間、54歳の美由紀姐さまはマイシロたっぷりの差しハンドルを突き入れた。
      おお、これって私の脳内レースとまったく一緒、さすが美由紀姐さま、4-1は贅沢でも1-4は間違いないな♪

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      私は温泉気分でほくそ笑んだものだが、実戦は甘くない。作戦成功に思えた山川の外から、5コースの大瀧がえぐり込むようなまくり差しで一気に追い抜いた。このレースの立役者は41歳のお姐さまだった。
      もちろん、初代覇者の山川が黙って引き下がるわけもなく、2マークでは最内へと切り込んで先制パンチ。だがしかし、外に開いてからくるりと最内を差した大瀧の出足は恐ろしいほど仕上がっていた。2本の引き波を越えてギューンとターボが掛かって、山川を3艇身ほどブッチギリ!! その勢いは実に半端なく、もはや山川などの後続にやられる雰囲気は微塵もなかった。

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      今節、1・1・3着と好発進した大瀧だが、尻つぼみの成績で昨日は4・6着。ちょっと調整の迷路に入ったのではないか、と評価を下げていたのだが、さにあらず。戦前からダンディ三島が芦屋10傑に入れていた58号機は、おそらく今日が最高の仕上がりだったと思う。明日の大瀧は6号艇ではあるが、いや、6号艇だからこそ、無下に軽視することなく正味の足色をチェックしたい。

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      インから圧勝した小野生奈56号機に関しては、現時点であまり書くべきことがない。2日目から抜群の行き足を主体に「節二候補」と断じ、高田ひかる23号機が水面を去ったいまは節イチにランクアップ。今日の1マークまでの伸び返しも期待どおりで、ラストバトルも逃げきるに十分なパワーと断定していいだろう。そして、明日の課題も今日と同じくただひとつ。
      選手代表の重責&ファイナル1号艇のプレッシャーを跳ねのけて、しっかりスタートを行ききれるか。
      去年の鳴門大会は、やはり1号艇のインコースからしっかり踏み込んだが5着大敗。そんな苦渋の思いが、妙な形で地元水面のスリットに反映されなければいいのだが。

      五日目のピットの模様

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      女子戦準優の朝、準優組がゆったりというのはあまり見ないもので、早々に着水している選手が複数いる、というのが当たり前の光景である。今日も同様。係留所を眺めれば、準優選手のネームプレートが散見されるわけである。内枠でいえば、松本晶恵。昨日連勝で気配上向きと見えても、緩めることなく朝から乗り込む。

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      平高奈菜も試運転をしていた一人。2R発売中にはボートを陸に上げて、プロペラ調整に入っている。着用しているのはSGジャンパー。昨日あたりから、この平高や大山千広、遠藤エミといったあたりが着用し始めているのだが、GⅡのピットで見るとやはり貫禄を感じさせる。別に他選手を威圧するつもりで着ているわけではないだろうが、この場においては着用できる限られた選手であるのは確かで、それが格上感を発散するわけである。

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      減点がなければ予選トップだった守屋美穂も、動き出しは早い。プロペラ調整に励みつつ、2R発売中に平高と入れ替わるように着水。試運転を始めていた。3R発売中には係留所からペラを手にあがってきて、ふたたびペラ調整。着々と準備を進めている。

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      一方、1号艇は3艇がすべて、まだ装着場にあった。もちろん何もしていないわけではなく、遠藤エミと廣中智紗衣が何度も自艇のもとにやってきては、点検や細かい作業をしていた。水面にあらわれるタイミングは遠くなさそうだった。

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      ちょっと気になったのは山川美由紀。ボートの周りにおそらく艇修理の係の方が何人か集まっていて、山川と話しながらカウルのあたりをチェックしていたのだ。しばらく目を離していると、山川のボートは消えていた。ということは、艇修理室に運び込まれたものと思われる。ボートの違和感を発見したということだろうか。朝のうちにそれを見つけて、早々に対処。これもまた準優に向けて万全を期す動きのうちに入るだろう。

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      そこにいた者が笑顔になったのは、清水沙樹の着水時。ボートをリフトに運び、リフトが動き出すのを待つ間、清水はスターターロープを引いて、スムーズに始動できるかを確認。すると、がっつりモーターが始動してしまい、ギュルルルルルル!と甲高い音がピットに響いたのだ。そのとき、リフト周辺には平高をはじめ数名が会話中。僕もわりと近くにいて、ビックリしてうぉぉぉっ!と声をあげてしまったのだが、平高らも同様なのだった。平高は「ビックリしたーーっ!」。だよねー。清水が「すみませーーーん!」と笑うと、全員がニッコリ。和やかなハプニングなのでありました。

      10R

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      印象的だったのは、関係者の方々が非常に喜んでいたことだった。竹井奈美は、新人のころから芦屋で何度も何十度も、あるいはそれ以上も、練習をしていたのだろう。もちろんレースに斡旋されることも多かったはずだ。艇運の係員さんだったり、整備士さんだったり、洗濯の方や清掃の方などピットで働く女性の方々だったり、竹井にとって馴染みのある方々がピットには揃っている。そして、竹井は新人時代から愛されてきたのだろう。その竹井が、芦屋のビッグレースで優出。もちろん竹井自身からも歓喜は見えたし、盟友と言うべき小野生奈も嬌声をあげていたが、とにかく多くの関係者が竹井に声をかけ、竹井がそれに応える場面が目立っていたのだった。誰もが喜ぶ竹井奈美の優出!

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      平高奈菜のレース後は、渋面が目立った。1マークは攻める格好となったが、そこにVロードはなかった。2マークで逆転して優出は果たしたが、1マークが反省材料だったり、あるいは仕上がりへの不満だったりにつながったことだろう。平山智加が声をかけても、渋い表情は剥がれない。ただそれは、勝負師の表情であり、好ましいものにも思えた。この思いが、優勝戦へと繋がっていくはずだ。

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      それにしても、廣中智紗衣はやはり悔しい一戦となってしまっただろう。ピットに戻ってきて、ヘルメットの奥に見える表情はカタく、痛恨の敗戦であることがまざまざと伝わってきた。エンジン吊りが終わるころにはやや表情が緩み、同じレースを戦った同支部の清水沙樹とは笑顔を交わしてもいるが、お互いに腰を抱き合ったときには泣き笑いのような表情にもなっている。後者のほうが当然、本音であろう。

      11R

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      前年度覇者・岩崎芳美が今年も優出! 優出を果たした6名のうち、レース後のテンションが最も高かったのは間違いなくこの人だ。ワタシともハイタッチしちゃったほどなのだ。うーん、明日は⑤-全-全、買わなくちゃ。それはともかく、岩崎自身のテンションも高かったし、周囲もまた嬉しそうにしていたのは、やはりこの人のお人柄を皆が愛しているということだろう。岩崎の周囲には明らかに熱気があった。なんとも幸福感あふれる優出だったのだ。
      それは報道陣というか、カメラマンの皆さんにも伝わったようで、控室の出入口前で待ち構えるカメラマンたちが岩崎にポーズを要請し、急遽の撮影会の様相を呈した。そのフラッシュの炊かれ具合が凄まじく、傍目から見ればそれは優勝者の撮影会なのだ。もしかしたら、誰よりも多くのフラッシュが炊かれたのではなかったか。岩崎も嬉しそうにフラッシュを浴びながらポーズをとって、これはもしかして明日の予行演習か、とも思われるほどなのだった。いやー、岩崎芳美、最高です!

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      勝ったのは遠藤エミ。こちらは粛々としたレース後で、それがかえって風格を漂わせる。松本晶恵が寄り添ったときには、穏やかな笑顔も浮かんだが、岩崎とは対照的に静かな歓喜のあらわし方なのであった。まあ、それが遠藤エミらしさではある。

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      その後方には、微妙な表情でうつむく守屋美穂の姿が。結果を見れば、減点10がすべてだったということか。バックでは4艇が並走した2番手争い、そこには守屋も加わっており、優出の可能性は十分にあったが、2マークを捌けずに後退。1号艇だったらおそらくはなかった展開に、守屋の思いは複雑なものがあっただろう。レースの綾というものもあるが、シリーズの綾というものもある。それに翻弄されてしまう結果だったということだろうか。

      12R

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      小野生奈が快勝! 竹井同様、この芦屋水面を走りまくっていた小野だから、やはり関係者の皆さんも嬉しかろうと思うのだが、しかしなにしろ12Rの勝者だから、歓喜を分かち合っている時間はなかった。エンジン吊りを終え、モーターやボートの運搬を仲間に任せると、ヘルメットをかぶったままダッシュ! 向かったのは勝利者インタビューのブースで、小野は白いカポックを身に着けたままカメラの前に立っている。JLCをご覧の方は2日連続でこの姿を見たはず。昨日の12Rも1号艇で逃げ切り、まったく同じ行動をとっていたのだ。明日の12Rも1号艇、ウィニングランなどもあるため、さすがに同じ行動にはならないが、勝ったら3日連続、白いカポックのままドタバタと走り回ることにはなるだろう。

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      2着は大瀧明日香。大瀧自身はわりと淡々とした様子に見えたのだが、同支部の宇野弥生が満面の笑顔で右腕を突き上げ、大瀧とハイタッチ! 宇野自身は10Rで悔しい思いを味わっているのだが、先輩の優出に少しは気が晴れたかもしれない。
      控室入口前で、大瀧もフラッシュを浴びている。やはり淡々としているというか、特にポーズをとらない大瀧を見て、動いたのは松本晶恵。大瀧の左腕をさっと持ち上げて、優出を称える絵を作ったのだ。松本もまた10Rで無念を味わったのだが、その後の行動はなんとも優しく、またウィットに富んでいたのであった。松本晶恵、最高!

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      ピットに戻ってきて、悔しそうに強く目をつぶって眉間にしわを寄せたのは田口節子。1マーク、攻めんとしたときに2コースの島田なぎさが奇襲の先まくりに出て、田口は勝ち筋を失うかたちになっている。悔やんだのはやはりあの場面か。島田の動きに気付いて差していれば、という思いと推測されるが、3コースが攻め役になることが多い現代ボートレースではままあるケースではある。田口は3周2マークで山川美由紀を逆転して3着に浮上しているのだが、優出を逃したことはそれでは帳消しにはならないと改めて実感する場面だった。

      四日目のハイライト

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      V戦線に大きな影響であろう予選トップ争いは、ある意味「大波乱」と呼ぶべき展開になった。まずは11R。最初の速報でお伝えしたとおり、「11Rの③守屋美穂か④廣中智紗衣の勝ったほうがトップ当選」という分かりやすい条件で、結果から先に書けばまんまの③-④決着。1周バック直線では廣中先頭の④-③態勢だったのだが、2マークで守屋が渾身の差しハンドルを貫いて両者の体が入れ替わった。廣中にとっては実に悔しい2着だったはずだ。

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      「これで守屋のトップ確定か!」
      と思いきや、そうではなかった。最大の焦点は、その半周ほど前のスタート~1マークの攻防だ。例によってF2持ちの②高田ひかるが早いスタートを控えてコンマ21発進。是が非でも1着=トップが欲しい守屋は、コンマ11の好スタートから一気に高田を絞め込んだ。気持ちは分かる。高田が伸び返す前に叩き潰したい。自力で1着を獲るには、それが最短にして最善の策なのだ。

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      だがしかし、今日も今日とて高田の行き足は半端ない。死に体に近かったスリットからぐんぐん加速し、守屋が絞めきる頃には舳先が深々とめり込んでいた。1着が欲しい守屋は、振りかざした拳を下ろす間もなく高田と接触。玉突き状態でサンドイッチになった高田は、バランスを逸して水面へと落下した。仕掛けた守屋は不良航法でマイナス10点。

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      客観的に見て「守屋が仕掛けたときには高田はほぼ1艇身差に近い死に体、接触したときには十分にレースができるほどの態勢」という感じで、実に微妙な採決ではあった。ただ、高田の伸び返しを恐れて守屋が早仕掛け→結果的にスッキリ絞めきれなかった、という流れで言えば、致し方のない減点だったか。

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      さてさて、そんなすったもんだでトップ争いは最終12Rに持ち越され、絶望的な状況から息を吹き返したのは1号艇・小野生奈、2号艇・田口節子、3号艇・遠藤エミの3人だ。特に、小野と遠藤は「1着なら文句なしのトップ」というシンプルな勝負駆け。

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      いざ実戦は、その条件を百も承知であろう両者が火花が散るようなデッドヒートを演じた。ひたすら先マイを目指すイン生奈に、3コース遠藤がお家芸の超高速ツケマイを浴びせる。その破壊力はいつにも増して凄まじく、生奈をぴったり1艇身ほど抜き去ったかに見えた。
      だが、そこからの生奈の伸び返しがまた凄い。舳先ひとつで耐え忍んでからジリジリジリジリとその舳先を捩じ込み、2マークの手前ではほぼ舳先が揃うほどに盛り返していた。こと行き足~伸びにかけては生奈56号機にかなり分があり、その差が予選トップと2位に振り分けたと言っていいだろう。その後も遠藤の鬼気迫る猛追が続いたが、やはりストレートでしっかり優位を築いた生奈が予選トップのゴールを駆け抜けた。

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      小野生奈、返り咲きのトップ当選。
      2日目まで独走状態にも見えた暫定トップから、昨日はよもやのスタート立ち遅れで6着惨敗。逆に絶望的な立場になったものだが、今日は8Rで5コースかららしいスタート攻勢で一撃まくり。そして遠藤との死闘を制してのピンピン連勝で鮮やかに予選の頂点へと返り咲いた。
      この生奈はもちろん、減点があったとは言え1着への飽くなき執念を見せた守屋、ひたすら勝利だけを求めて超絶なツケマイを放った遠藤……SGでも通用する女子のトップレーサーは、やはりここ一番の勝負どころでのメンタリティの強さが半端ない、と改めて感心した次第だ。もちろん、この高くて強い精神力は、明日からの新たなステージでも火花を散らすことになる。

      THE勝負駆け②準優ボーダー争い
      6・00の悲喜劇

      一方、予選18位を巡る争いは稀に見る大激戦! 10R終了時点でボーダーラインの6・00に、なんとなんと9人の選手がずらり居並んだ。こんなメンバーだ。
      ★10R終了時の6・00選手
      14位 西村美智子
      15位 宇野弥生
      16位 清水沙樹 11R6号艇
      17位 鎌倉 涼
      18位 津田裕絵
      ――――――
      19位 高田ひかる 11R2号艇
      20位 小芦るり華
      21位 海野ゆかり
      22位 川野芽唯

      この時点では、5人が天国、4人が地獄という振り分け。記念戦線の準優ボーダーの水準値は6・00としたものだが、これほどの人数が密集することは実に珍しい。
      で、まだ11Rの実戦が残っていたふたりの成績は、高田ひかるが先に書いたとおり落水失格。節イチの伸び足を誇るひかるにはF2であっても準優に乗ってほしかったが、わずかに及ばなかった。

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      6コースからそのアクシデントをかいくぐって3着入線した清水沙樹は、16位で準優に滑り込んだ。明日も6号艇だが、随所に見られるストレート足の軽快さは穴の匂いも漂うのだが、どうだろう。

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      最終的に6・00で生き残ったのは西村美智子、宇野弥生、清水沙樹、鎌倉涼、津田裕絵の5人。逆に同じ得点ながら落選したのは、小芦るり華、海野ゆかり、川野芽唯の3人だった。どの選手もそれぞれパワーやテクニック的に準優で見たかった面々だが、特に次点に泣いた小芦はレーサーとしての大きな肥やしになるであろう舞台を踏ませたかったなぁ。

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      ボーダー近辺からかけ離れるが、今日は小野生奈と同じく破竹の2連勝で一躍4位までランクアップした松本晶恵にも「あっぱれ!」を贈りたい。いや、彼女の力量からすれば「さすが!」が最適か。
      先に書いた予選トップ争いのみならず、今日は「強いレーサーがなるほど強い」と唸るばかりで、万舟ばかりを狙う助兵衛な穴党には手も足も出ない穏当な1日だっなぁ(涙)。

      四日目のピットの模様

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      冷たい雨が降りしきる4日目朝。風が流れ込んでくると、体感的には真冬のようである。そんななかでも、朝から試運転は盛況! 雨にも負けず、風にも負けず、選手たちは調整等に余念がない。登場は9Rだというのに、最ベテランの山川美由紀も雨を切り裂き水面を駆ける! ピットで震えながら眺めているのが申し訳ない気分になってくる。

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      昨年の覇者の岩崎芳美もまた、勝負駆けをクリアすべく熱心な乗り込み。1R発売中にいったん切り上げて(といってもボートは係留所につけたまま)、プロペラ室に駆け込んで調整を進めている。その岩崎に続いて、多くの選手が立て続けにプロペラ室へ。気候が変わったこともあるのだろう、多くの選手がハンマーを振るって金属音を響かせていた。

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      昨日6着でやや後退してしまった小野生奈も、1走目は8Rではあるが、朝から懸命な試運転だ。まあ、小野の場合はレース場でゆっくり過ごしているのを見たことがないので、ルーティンといえばルーティン。2R発売中にはボートを陸に上げており、しばらくはペラ室などで過ごす時間が多くなりそうだ。もっとも選手班長でもあるから、そっちの仕事にも駆けずり回ることにはなりそうだ。

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      さて、今日は勝負駆けということで、1Rからノルマを抱えた選手が登場している。4カドから豪快にまくった竹井奈美! 初日5着2本と一息の発進だったが、2日目からはこれで3連勝! ボーダー6・00なら後半は5着条件と、おおいに持ち直してきた。レース後はすぐに後半の準備を始めている。

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      1回乗りで2着条件だった川野芽唯は、条件そのままの2着。竹井にまくられながらも、しっかりと残してひとまずは6・00まで引き上げて予選を終えた。1着がない分、まだ安泰ではないが……。それでも、ノルマはクリアできたということで、レース後の表情は明るかった。竹井と笑顔で肩を並べて、控室へと引き上げている。

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      2Rでは、1回乗りの津田裕絵が逃げ切り。1着勝負を成功させた! 得点率6・00には複数の選手が並んでいるが、この時点ではそのなかの最上位となっている。レース後はもう、笑顔笑顔笑顔! 出迎えた仲間たちや、同期の深川麻奈美らと声を弾ませて歓喜を分かち合った。ボーダーがどこで収まるかはまだまだわからないが、予選突破にかなり近づく1着。そりゃあ気分も高揚するというものである。

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      2着の高田ひかるは、後半は3着勝負だ。安堵の表情を見せてはいたが、1着がないだけに、もう1つ2つ上を獲りたい後半ではある。まあ、足的には十分期待がもてるものではあるが。

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      一方、6号艇で2着勝負を戦った平山智加が、5着に敗れた。これで予選突破はほぼ絶望的になってしまったわけで、さすがにレース後は悔しそうに顔を歪ませて、さらに苦笑いを浮かべている。優勝候補の一人だったはずが、まさかの予選落ちなのだから、不本意極まりないだろう。うーん、残念。あと2日、一般戦で貫禄を見せつけてほしい

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      本来であれば予選トップを決める1着だった。11Rの守屋美穂だ。しかし、ピットに戻ってきた守屋の表情は暗い。理由は1マーク手前で起こった高田ひかるの落水。高田のS後手でのぞいた守屋は内を締めにいったが、高田の舳先が抜け切らなかった。高田は内の塩崎桐加に激突するかたちで落水し、その原因が守屋にあるとして、守屋は不良航法をとられることとなった。減点10よりも、高田の落水が頭から離れなかったのだろう。守屋はエンジン吊りを終えると、カポックを着たまま医務室へと走って向かっている。

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      高田はレスキューから担架で運ばれており、途中帰郷となってしまった。足はかなり仕上がっていたと見えただけに、準優でその走りを見たかったが致し方ない。昨日の長嶋万記と同様、一日も早い快癒を願うばかりだ。

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      それにしても、ボーダー争いはなかなか熾烈であった。得点率6.00に数多くの選手が並んだのだ。その数、実に8人。11Rで3着の清水沙樹も6.00で予選を終えたが、その時点では準優行きがかなったかどうか、清水自身も確信を持てていないようだった。清水は結果、16位。予選突破を果たしている。

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      10R終了時点で19位にいたのは小芦るり華だ。3R1号艇2着で6.00となり、今日は長く結果を待ったことになる。11Rが終わっても、まだ19位。ただし、12Rに出走していた18位以内のメンバーで、結果次第で19位以下になる選手は不在となっていた。つまり、11R終了時点で、12Rで事故がない限り、予選落ちが決まってしまっていたのだ。それを小芦が把握していたかどうか。12R発売中に出発する2便で宿舎に戻っているが、もしかしたら覚悟はしていたかもしれない。結果的に小芦、海野ゆかり、川野芽唯が6.00ながら、予選突破を逃している。

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      10Rでは寺田千恵と香川素子の両ベテランが勝負駆けに失敗してしまっている。寺田は今日まさかのゴンロク。一気に順位を下げることとなってしまった。10Rは3号艇で1着勝負も及ばずで、レース後はさすがに疲れた表情を見せていた。

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      香川は3着なら6.00。ただし、これでは上位着順差で18位以内に入る可能性はなかった。実質2着勝負だったのだ。それでもレースでは、3番手の山下友貴をよく追いかけた。どんな認識だったのかはともかく、そこには執念が感じられたものだ。結果は4着で、6.00にも届かなかった。レース後はややカタい表情となっており、無念が伝わってきた。

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      12Rは、佐々木裕美が2着条件、出口舞有子が1着条件の勝負駆け。気合の入る一戦だったが、1マークでほぼ決着がついてしまった。佐々木は5着、出口は3着。出口が対岸ビジョンに映し出されたリプレイを、ボートリフトの柱をもたれるように抱え込みながら凝視していた。勝ち筋がなかったかどうか、探していたのだろうか。佐々木はちょっとせつない表情になっており、是が非でも予選突破を果たしたかったであろう、その思いが垣間見えたような気がした。

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      このレースは、内3艇の予選トップ争いの勝負駆けにもなっていた。勝った選手が予選トップの可能性大、という一戦だったのだ(田口節子だけが、2着の選手次第あるいは1着走破タイム次第だった)。そう考えると、遠藤エミの必殺3コースツケマイとインからこらえる小野生奈の鍔迫り合いは、大きな意味を持つものだったと同時に、名勝負であった。勝ったのは小野生奈。遠藤を前に出さずに耐え切って、先頭でゴールし予選トップ通過を確定させた。
      ただ、池上カメラマンによると、それを知らされた小野は「マジ!?」と驚いていたという。こちらが「マジ!?」って感じなのだが(笑)、前のレースで事故があり、選手班長としては自分の得点率うんぬんを考える余裕がなかったのだろう。まさに無欲のトップ奪取。

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      遠藤は、あれで負けたら仕方ないということか、小野に頭を下げられてもサバサバとした様子であった。結果2位通過となったけれども、そもそもコース不問のオールラウンダー。今日のような攻撃力を発揮すれば、枠は関係なかろう。

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      もう一人の1号艇は、廣中智紗衣。11Rで1着ならトップ確定だったのだが……、バックでは先頭を走りながら、2マークで守屋に逆転されたかたち。それでも12Rの結果次第でトップの可能性は残されていたのだが、3位通過となった。11R終了後は、もちろん悔しさはあっただろうが、明るい表情も見えている。まずは準優をしっかり逃げ切りたいところだ。

      三日目のハイライト

      今日は1R~7Rまで1号艇(3勝)と2号艇(4勝)がアタマを独占。「昨今の記念レースらしい内寄り決着だなぁ」などと思っていたらば、その直後から凄まじいセンター祭りが始まった。

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      先陣を切ったのは8Rの③廣中智紗衣。1マークは3コースから握ったが、まったく届かずバック4番手まで。が、そこから横一線で先行する3艇の艇尾を舐めるように外から内へと切り返し、2マークの小回り一発で大逆転の1着をもぎ取った。
      今節の智紗衣は初日からコンマ05・02とキワまで突撃。昨日も書いたように、いの一番に4カドまくりの大技を決めたのだが、今日の鬼気迫る切り返しはそれ以上のインパクトを感じさせた。元より、気持ちで走るソウルフルレーサーが、今節はさらに集中力を倍増してレースに臨んでいる。一瞬たりとも目が離せない存在とお伝えしておく。

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      このミラクル逆転劇で芦屋プールの空間が捩じれたのかも知れない。9Rも3号艇の上田紗奈が、スリット横一線からスピード感溢れるまくり差しでバック独走態勢に。極撰予想でも触れたとおり、過去3戦の紗奈はほんどまったくレースに参加していない。スタートと1マークで大失敗~はるか後方からプール掃除という不甲斐ない姿を見せ続けてきたが、やはりこの浪速娘の根性とターンセンスは只者ではなかった。私の予想は「それでも2着まで」だったが、そんなセコイ予想を蹴散らすような圧勝劇で3連単は634倍。脱帽するしかない。

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      芦屋の大穴レッドカーペットは続く。10Rは予選トップをひた走る②小野生奈がよもやのスタート立ち遅れ。3コースの来田衣織がその凹みを利して一気に畳みかけ、インの深川麻奈美ともども人気の福岡コンビを1マークの手前で引き波に沈めてしまった。
      前半4Rの②衣織はコンマ39のドカ遅れからまったく何もできず、大差の6着。よほど悔しかったのだろう、ゴール直後にまずは天を仰ぎ、それからガックリうなだれ、1マークを回ってもう一度深々と頭を垂れたのだが、その忸怩たる思いが豪快なリベンジまくりにつながったか。流れ的には、9Rの上田紗奈とよく似た境地だった気がしてならない。3連単は人気の内2艇が消えたために622倍の特大連続ホームラン!! 前半の6着で予選突破は険しい身の上だが、明日からも衣織38号機は軽視禁物と肝に銘じておきたい。

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      夕立のように沸き起こった「芦屋センター祭り」の〆は、11R4号艇の島田なぎさ。枠なりの4カドからスロー3艇を圧倒するコンマ05で一気に絞め込み、今節ふたり目の鮮やかな4カドまくりで圧勝した。
      もちろんスタート勝ちの要素が大きいカドまくりではあったが、第1号の智紗衣ともども「熱くて強い気持ちが乗り移ってこそのスタート勝ち」という見方もできる。この1着で予選突破どころか準優1号艇まで狙えるポジションに立ったなぎさは、明日の2R3号艇・8R6号艇でも十二分な警戒が必要だろう。

      地力、侮るなかれ!

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      9~11Rで110期以降のプリンセスたちがド派手に暴れた一方、今日は全体的に100期未満(17選手)のお姐さま軍団の活躍が目立った1日でもあった。
      まず、1Rの⑤岩崎芳美48歳は5コースから切れのいいスタート&スピーディなまくり差しで3着入線。去年の鳴門大会の覇者でありながら、今回はファン投票では足りずに推薦枠での参戦となった芳美さま。
      「前回は地元の鳴門で優勝、今回は前の地元で頑張ります」
      と前宣言した気合が、まんましっかり投影された素敵な差しハンドルだったなぁ。

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      これで勢いづいたか、続く2Rは①宇野弥生34歳~②山川美由紀54歳~⑤藤崎小百合37歳~⑥寺田千恵51歳と4着まで独占。
      4Rは④田口節子40歳が2着、5Rは①海野ゆかり46歳が2着~③細川裕子39歳が3着ときて、6Rも②土屋千明38歳がジカまくり圧勝でベテランの底力を見せつけた。

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      後半戦に入っても、お姐さま軍団が舟券に絡むわ絡むわ。7Rは②大瀧明日香41歳が3着でシリーズ8・00の高率を維持し、③藤崎は2着で2Rに続く連絡み。
      8Rは前出・廣中智紗衣40歳のミラクル逆転1着~2着は松本晶恵33歳~3着も佐々木裕美41歳が粘り込み、99期以下の上位独占となった。

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      その後もベテラン女傑軍団が随所に舟券に絡み、10Rは人気の盲点だった⑥細川と④岩崎が2・3着に突っ込んで622倍の大穴に貢献。11Rで3番手の出口舞有子を追いかけ追いつき追い越した海野の鬼気迫るチェイスも凄みがあったなあ。
      そんなこんなで、今日の100期未満=17選手の成績は、のべ26戦して【1着4回・2着7回・3着7回】。全体の1/3の人数で3連対率70%はかなりの好成績と言っていいし、あるいは「実力者揃いなんだから、この程度の活躍は当たり前」と考える方もおられるだろう。で、最後にちょいと言いたいのは、「このレベルの高い17人の選手たちの多くは、ファン投票で実力より不当に低い評価を受けた」という事実だ。日々、鬼気迫るレースを魅せている廣中がどこまで「ナニクソ!」と思っているかは不明だが(笑)、このハイレベルなお姐さま軍団をファン投票さながら無下に扱うファンは、必ずや舟券でしっぺ返しを喰らうことになるだろう。

      三日目のピットの模様

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      「波乙-全-全」ならず! 3R1号艇に山川波乙。今節はさすがに苦戦しているわけだが、1号艇なら波乙-全-全チャンス! というわけで、取材班界隈ではずいぶん盛り上がっていたわけなのである。そして! 待機行動違反はいただけないとして、コンマ14のスタートから竹井奈美、平高奈菜を向こうに回して先マイ! これは竹井と平高に差し込まれたのだが、その二人が2マーク競りになった間隙を突いて差し返し! 先頭に立ったのだ! 波乙-全-全完成かと、ワタシ、ピットで一人興奮しておりました。

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      しかし修羅場を踏んできた先輩は甘くなかった。竹井が3周ホームで捕まえると、それでも山川は最終コーナーで差し返して粘ったのだが、最後は竹井がハナ差先着。さすがに力量上位の竹井奈美なのであった。山川は2着。

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      で、ピットはというと、実のところ、それほど盛り上がってい