【仲間たちの絆〜レーサーズ〜】師弟、グループ、同期、同支部、兄弟姉妹…。ボート界のさまざまな人間関係をクローズアップする「レーサーズ~仲間たちの絆~」。その第17回は大山千広(23=福岡・116期)と藤原菜希(33=東京・107期)。今月蒲郡で実施されたプレミアムGⅠ「第33回レディースチャンピオン」でともに初出場。いきなり初優勝を飾った大山と準優勝戦で惜しくも敗退した藤原はお互いを「ライバル」と公言する。年齢は10歳も違い、支部も東京と福岡と接点がなさそうな2人の関係に迫った。
ともに初出場だった今月の蒲郡PGⅠ「レディースC」でも、ピット内や整備室などで話し込んだり、談笑する姿がよく見受けられた2人。藤原によると「ちーちゃん(大山)はライバルですね。年は10個も下ですけど、自分にはないものを持っているし、刺激をもらっている存在です。同じ大会に出るときはお互いのレースを見てアドバイスをしたり、反省したりもしています」という関係だという。
大山も「藤原さんはボートレース、仕事に対する姿勢、意識がすごく高い人で、話していても楽しいですし、いろいろな刺激をもらっていますね。周りの他の先輩とかにも『2人はいい関係だね』ってよく言われますし、自分でもそう思います。ターンとかスタートの意見交換とか、アドバイスをし合っているので、お互いを“師匠”って呼んでいるんですよ」と話す。
もともとは「レース場であいさつするだけの関係」だったが、「2年ぐらい前から同じレースに乗ることが多くて、話をするようになってから親しくなりました。性格的にもウマが合ったんですよね」(藤原)という。今ではプライベートでも交流があり、遠征の時にはお互いの家に泊まることもあるという。
「ちーちゃんはすでにSGでも活躍しているし、先を走っていますけど、自分も“やってやる”と思っていますし、追いつき、追い越したいと思っています。同じレースに乗ったときは手心とかは全く考えませんし、バッチバチに行きますよ」とライバル心をむき出しにして話す藤原だが、今年6月には大山に“屈辱”を味わわされてもいる。
藤原の地元・江戸川で開催されたヴィーナスシリーズ。ともに準優を1号艇で勝ち上がり、予選トップだった藤原が1号艇、2位だった大山が2号艇で優勝戦で直接対決となった。
レースでは大山がコンマ08のトップタイムを決めると、1Mで藤原の懐をズバッと差し切って快勝した。
レース後、大山は「今日、藤原さんの家に泊まりに行くんですよ。勝っちゃって、気まずいですよね」と複雑な表情を浮かべていたが、藤原は「全然、そんな感じなかったですよ。『すみませ~ん』って笑ってましたよ」と苦笑いで振り返った。それでも「悔しかったですね。いつか、やり返してやりますよ」と藤原はリベンジの機会を狙っている。
艇界のニューヒロイン・大山と、東京支部の若きエースとなった藤原。2人のライバル関係は今後も注目だ。
☆ふじわら・なつき=1986年4月20日生まれ。東京支部の107期生。2010年11月平和島でデビュー。11年8月多摩川で初勝利。19年3月大村GⅢオールレディースで初優勝。今年8月蒲郡レディースチャンピオンでGⅠ初出場。通算2V。レーサー転身前の08年に世界空手道選手権で優勝。同期は石倉洋行、近江翔吾ら。身長157センチ。血液型=A。
☆おおやま・ちひろ=1996年2月5日生まれ。福岡支部の116期生。2015年5月福岡でデビュー。16年4月若松で初勝利。17年9月福岡GⅢオールレディースで初優勝。GⅠ初出場の18年9月浜名湖「ヤングダービー」でGⅠ初優出。今年8月蒲郡プレミアムGⅠ「レディースチャンピオン」でGⅠ初優勝。通算7V。母は元レーサーの大山博美。同期は入海馨、勝浦真帆ら。身長161センチ。血液型=
東スポ
早く出場停止が空けて、二人で女子ボートレース界を盛り上げていって欲しい。出場停止は非常に残念ですが藤原菜希選手が強くなって戻ってくる事を願っています。