2021年もほぼ1カ月が経過した。今年のボートレース界の主役は一体、誰になるのだろうか-。
昨年は峰竜太が2014年以来、6年ぶりに平和島で開催されたグランプリ(GP)を制した。ファイナルではコンマ01の快ショットを決めての完勝劇。18年の33回大会(住之江)以来、2度目のGP制覇を飾った。
「令和2年優秀選手」では最優秀選手(MVP)、最多賞金獲得選手(2億5302万7000円)、最高勝率選手(勝率8・71)、最多勝利選手(134回)、記者大賞と史上初の5冠を達成。“峰時代”の到来を改めて印象付けた。
では、今年の注目選手は? となると、平和島GPでも存在感を示した西山貴浩を挙げたい。
選考順位17位での大会初出場ながらトライアル1stを突破すると、TR2ndでは、枠番抽選で2度にわたって1号艇をゲットする幸運にも恵まれ、ファイナルに進出。結果は5着に終わったものの、ボートレース界随一のエンターテイナーらしく、水面でも陸でも大会を盛り上げた。
昨年は9月の徳山ダイヤモンドカップで待望のGI初V。GPでも6強入りを果たすなど躍進した西山は「人生のピーク」と話していたが、今年に入ってからもその勢いに衰えはない。
江戸川65周年で2度目のGI制覇。「メンタルを鍛えられたし、もう1つ上へいける気がしていた」。最高峰の舞台で得た経験を糧に、年明けから好結果を出しており、昨年以上の活躍が期待できそうだ。
今年の目標には若松オールスター(5月25~30日)でのSG初Vをぶち上げている。「夢」と話す純地元での大願成就に向けて乗りに乗っている西山が、今年の主役となる可能性は十分だ。その言動とレースぶりに注目していきたい。
珍しい西山貴浩と平高奈菜の共演動画
下関オールレディース(1月20日〜25日開催)は最終日が終了した。優勝戦は1号艇の平高奈菜(香川)【写真】がインからコンマ05の好スタートで逃げ快勝。2着に3号艇の長嶋万記、3着に4号艇の廣中智紗衣が入り、3連単1-3-4で810円の3番人気決着となった。
勝った平高は昨年12月のクイーンズクライマックス以来となる2節ぶりの優勝で通算24V。下関では2012年女子リーグと2019年ヴィーナスシリーズに続いて3回目の優勝となっている。
今節の平高は1・2・1・2・2・4・2・5・1・1着。昨年8月の下関SGボートレースメモリアルで自身が乗ったモーター50号機と約5カ月ぶりに再タッグを組み、初日に2コース差しを決めて白星スタートの好発進。2日目には12R「ガーネットドリーム」でイン逃げを決めて得点率トップに浮上した。別名「勝利の石」とも呼ばれるパワーストーン、ガーネットの力を得た平高は、予選をトップ通過して準優・優勝戦はイン逃げで快勝。今年初Vを手にした。ちなみに1月8日の徳山オールレディースでは鎌倉涼が優勝しており、オールレディース戦線は100期勢が2021年開幕2連勝となっている。
【2021年 女子賞金ランキング】
1位 平高 奈菜★3,457,000円 今年2優出1V
2位 遠藤 エミ★3,225,000円 今年2優出1V
3位 鎌倉 涼 3,047,000円 今年1優出1V
4位 田口 節子★2,558,000円 今年2優出
5位 西村美智子 2,368,000円 今年1優出
6位 平山 智加★2,364,000円 今年1優出
7位 竹井 奈美 2,357,000円 今年1優出
8位 香川 素子★2,342,000円 今年1優出1V
9位 小野 生奈★2,279,000円 今年1優出
10位 池田 浩美 2,275,000円 今年2優出
11位 細川 裕子★2,205,000円 今年1優出
12位 佐々木裕美 2,146,000円
―――クイーンズクライマックス出場ボーダー―――
13位 新田 有理 2,111,000円 今年2優出
14位 中川 りな 2,032,000円 今年1優出
15位 川野 芽唯 2,016,000円
16位 中村 桃佳 1,941,000円
17位 廣中智紗衣 1,873,000円 今年1優出
18位 三浦 永理 1,859,000円 今年1優出
19位 松本 晶恵★1,850,000円 今年1優出
20位 長嶋 万記 1,756,000円 今年1優出
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24位 大山 千広★1,659,000円
44位 岩崎 芳美★1,267,000円
46位 寺田 千恵★1,248,000円
54位 守屋 美穂★1,133,000円
(※★は昨年のクイーンズクライマックス出場メンバー)平高はこれで優勝賞金105万円を獲得。今年の女子賞金ランキングで首位へ浮上した。昨年の賞金女王がさっそくマネーバトルの主導権を握っている。
現時点での女子賞金ランキングを見ると、昨年のクイーンズクライマックス出場メンバー12人のうち7人がベスト12圏内に入っている状態。多くの選手が順調な滑り出しを見せている。
やや不安なスタートとなったのは岩崎芳美と守屋美穂。ともに下関オールレディースでまさかの予選敗退を喫するなどリズムを崩し気味の近況だ。大山千広も今年2節走っていずれも準優敗退と不本意なスタートに。このあと19日間(2月3日〜21日)のF休みも控えており、やや出遅れる格好となった2021年シーズンだ。