〝ボートレース界のレジェンド〟今村豊(山口=59)の引退で多くの選手が惜別コメントを贈った。
今村の現役最後のレースとなった徳山GI「ダイヤモンドカップ」で悲願のGI初制覇を飾った西山貴浩(福岡=33)は「ボクの中では〝ミスターボートレース〟どころじゃない、ダントツの存在。ボート=今村豊でした。一緒に走れてかわがられて、イジられて、今村さんの引退の時に初めてGⅠが取れていい思い出です。『西山、これからも頑張れよ』と言われて、泣けました」と感慨深げ。
ボートレースからつに出走中だった田頭実(福岡=53)は「常に若手の手本として引っ張ってくれて、多大なる影響を与えてくれました。今村(豊)さんのきれいなレースを見て、優勝しても『おめでとう』と言われる選手になりたいと思った。自分たちからしたら教科書、憧れの選手でした。ゆっくり休んでください」とお別れのコメントを残した。
また、ボートレース桐生の「ルーキーシリーズ」に出走中の木下翔太(大阪=29)も「レジェンドですからね。僕みたいな下っ端が一緒に走らせてもらえて、いい経験ができました。僕が生まれる前からトップで走っているし、今村さんは雲の上の存在です。今村さんと記念やSGで一緒に走れたことは僕が選手を辞めるまで忘れません。自分の父や母と同じくらいの年齢ですから、本当にすごいと思います。大阪支部にもいい選手はたくさんいますが、僕も今村さんのような選手になりたいです」と語った。
さらにボートレース大村からは川崎智幸(岡山=53)が「5年くらい前から『いつ辞めるの?』ってちゃかしたりしていた。引退するって聞いても不思議ではないね。少し寂しい気はするけど、もう十分でしょう。もともと責任感の強い人で、メニエール病になるまで業界を背負っていた。貢献し尽くしている。ホントお疲れさまでした」と話す。
丸岡正典(大阪=41)も「今村さんはすごい選手なのに、すごくしゃべりやすい人だった。
人柄が好きで、思い出もいっぱいある。ピットでも今村さんの横が開いていたら、くっついてボートを置いていたくらい。
癒やされるし、あんな人はいませんよ。引退されるのは寂しいけど、長い間お疲れさまでした」と親しみを込めて話した。また、山口支部の長尾章平(35)は「引退? 知らなかった。初めて会った時からすごい人でした。僕なんかにも気さくに話してくれるし、質問や相談にも乗ってくれる。いろいろ教えてくれる人でした。そんなトップレーサーはいないと思う。本当に懐の大きな人でした。本当に引退されるんですか? 寂しいです」と神妙な面持ちだった。
ボートレーサーの今村豊(山口=59)が8日、引退を発表した。その今村ができなかった「グランプリV」の夢を託された弟子の白井英治(山口=43)。師匠引退の思いを語った。
(引退を聞いたのは)徳山の記念(9月、GⅠダイヤモンドカップ)の4日目が終わったあとに今村さんに言われました。何の前触れもなかったし、衝撃的過ぎて…。その場では「聞かなかったことにします」と言いました。理由を聞いたら「体重制限が52キロになったことがきっかけだった」ということでした。
徳山GI最終日の今村さんのラストランの後にエンジンつり(格納)に行ったんですけど、まだ(引退が)公になっていなかったので涙を我慢するのに必死でした。(徳山で)最後に今村さんと足併せをさせてもらったんですよ。今村さんも自分も涙を流しながらの足併せでした。その時に山口支部の選手が他にも何人か(※)いたんですけど、今村さんが「一緒に走ろう」って声をかけて何度も足併せをしていました。みんな涙を流していましたね。
(※=寺田祥、谷村一哉、原田篤志、大峯豊、吉村正明、竹田辰也、森永隆)今村さんが唯一、なれなかった賞金王(グランプリ)を今年、取りたいですね。それが最大の目標。恩返しになると思って、やっています。
今村さんの弟子になれたことには感謝しかないです。まだまだ記念戦線でも戦える力はあると思っていたので衝撃でした。ただ「悔いがない」って言っていることが今村さんのすべてを表していると思います。ひとつの時代が終わりましたね。
(今後は)自分の家から今村さんの家まで300メートルしか離れていないので、家に遊びに行ったり、一緒にゴルフをしたり…。今村さんのファンを代表して、しっかり見守っていきたいと思います。
〝ボートレース界のレジェンド〟今村豊の引退に瓜生正義(福岡=44)は「自分が若い時からすごい選手だったので、目標というよりもすごく大きな存在でした。直接、何かを教わるというよりも、何度も試運転するところとか、レースに臨む姿とか、姿勢や背中で示してくれました。すごい選手として、この業界を切り開いてくれた方だと思います。ありがとうございました、と言いたいです。自分も今村さんのような選手になりたいですし、そうなれるように、これからも頑張ります」と感謝の言葉を贈った。
さらに「プライベートではあまり接点はなかったですけど、今村さんはお酒が飲めないので、一緒においしいものでも食べたいですね。そのときには直接『お疲れさまでした。ありがとうございました』と言います」と話した。
今村豊の引退に際して、各選手から思い出の話や、惜別のコメントが寄せられている。
毒島誠(群馬=36)は「自分が選手になる前からボートレースを見ていて、その当時から大スターでした。そんなすごい方と同じレースに出たり、一緒の時間を過ごせたことは誇りですし、ずっと背中を見させてもらってきました。あんなに愛されて、ステキで強くてかっこいい人はいない。今まで今村さんが盛り上げてきてくれたボート界を自分たちの世代でもより一層、盛り上げられるよう、頑張っていきたい。今村さんはボクのレースもよく気にかけてくれていて、最後の徳山ダイヤモンドカップでもアドバイスをいただきました。2014年に平和島グランプリで1stステージから一緒に出たときも、プロペラの話などをさせてもらったこともありました。一緒に最高峰の舞台で戦えたことは、いい思い出です。とにかくこれからは、長生きしてもらいたいですね。お疲れ様でした」と語った。
今夏の下関SG「第66回メモリアル」を制した、今村豊と同じ山口支部の後輩・寺田祥(42)は偉大な先輩の引退に「本当にやり切った形での引退だと思うので、ケガとかではなくてね…。そういう意味ではお祝いじゃないですけど、良かったという気持ちですね。今思えば、今村さんが最後に出たSG(8月・下関のメモリアル)で優勝できて良かったです。あのときに言われなくて良かったです。(聞いていたら)平常心で走れなかったと思うのでね(笑い)」と振り返った。
さらに「まだ、引退すると知らされていないときに娘(先ごろボートレーサー養成所に入所した空詩=そら)と、あいさつに行ったんですけど、そのとき現役選手の今村さんに貴重な話を聞かせてもらったことが自分にとっても、娘にとっても大きな財産となりました。今まで、ありがとうございました。これからはゴルフを教えてください」と話した。
〝ボートレース界のレジェンド〟今村豊(山口=59)の引退を受け、ボートレース鳴門のGⅢ・オールレディースに出場中の女子選手も今村の引退を惜しんだ。
山川美由紀(香川=53)「ショックです。ずっと第一線でやられていたのですごいと思う。SGに初めて行った時にお世話になったり、かわがってもらいました。いつかは(引退が)きますからね。長い間お疲れさまでした」
海野ゆかり(広島=46)「寂しいな~。ビックリして鳥肌が立ってます。ピットでも面白いことを言って、場を和ませてくれていました。穏やかな人でしたね。ずっと第一線で活躍できたのは努力と才能と性格の良さ、頭の良さでしょうね。あのスタート勘は欲しいですね。A1のままで終わるのってすごい。ただ、どっかで線を引かなくちゃいけないし…」
寺田千恵(岡山=51)「ショックというか、いつかは(引退が)くると思った。一時代が終わった感じです。自分もいつかはそうなるとリアルに感じました。長い間、この業界を背負ってきた重圧もあったと思う。絶対に追いつけないけど、背中を見て目標にしていました。一緒にいると面白いおじちゃんで、レースもたくさん教えてもらった。印象に残っているのは(結婚して支部が)中国地区になって話ができるようになった時に『こーしろ、あーしろ』とは言わないけど『こんなイメージで行けと』レースを見てくれました。体重を増やすために、私がたくさんおにぎりを作ったら『お前のおにぎりが一番おいしい』と言ってくれました。本当にお疲れさまでした」
48期同期の鵜飼菜穂子(愛知=61)「ここに来る前に話は聞いていました。だって、私より先に辞めるなんて…。どこかで線引きをするとは思っていたけど…。トップで走り続けてきたプレッシャーがあったと思う。本当にお疲れさまでした」
ボートレース界のレジェンドの引退に、食事やゴルフなど親交が深かったプロ野球・ソフトバンクホークスの2選手からもコメントが届いた。
“ギータ”の愛称で親しまれる柳田悠岐外野手が「交流があった今村さんのレースが見られなくなるのはとても寂しい。まずは身も心もゆっくりと休まれてください」と話せば、守護神の森唯斗投手は「あの年齢までトップアスリートとして活躍されている姿を見ていて尊敬しています。ゆっくりお休みになってください」と、ねぎらいの言葉を贈った。
今村さん、お疲れ様でした😌
走り抜けたので、ゆっくり奥さんと過ごして欲しいです。
まちこさんも、今村さんのサポートお疲れ様でした。
私はまちこさんのサポートも尊敬してました。
今村さん、まちこさんお疲れ様でした。
— 佐々木裕美 (@ponpocopon622) October 8, 2020