2年にわたって『ボートレース振興会』のイメージキャラクターを務めた田中圭(36)が昨年いっぱいで退任。今年から若手俳優の神尾楓珠(ふうじゅ)(22)と芋生悠(いもうはるか)(23)が就任した。
「昨年夏にオーディションがあり、大手から中小まで多くの芸能事務所が期待の若手俳優を参加させて盛況でしたね。公営とはいえ『ギャンブル』という文字がつくだけに、JRA(日本中央競馬会)以外の公営ギャンブル関連の仕事は、これまでなんとなく敬遠されていました。
ところが、田中や渡辺直美(33)らの出演によって、ボートレースのイメージは格段に向上。ここ2年で参入する事務所が激増しました。コロナ禍で、イベントや舞台が軒並み延期になってしまったことも、後押ししましたね」(芸能プロ幹部)
昨年末に開催された『グランプリ』を配信したYouTubeの番組には吉田鋼太郎(62)と片岡愛之助(48)がゲスト出演して話題となった。
「ネット投票ができる公営ギャンブルはコロナ禍で売り上げを大幅にアップさせているから、ネット配信の番組でも、ギャラがいいんですよ。吉田と片岡クラスなら一本で100万円は下らないでしょう。配信ならレース場での収録と違って、客に変なヤジを飛ばされることもないですしね」(広告代理店関係者)
競輪も芸能界で奪い合いの「美味しい仕事」となっているという。
「JKAが統括する競輪とオートレースが民間企業にプロモーションと投票サイトの運営を委託するようになって、風向きが変わりましたね。’18年に競輪に参入した『サイバーエージェント』はネットTV局『ABEMA』でミッドナイト競輪やビッグレースの中継を行っています。ゲストとしてテレビ朝日のオーディション番組で結成された『ラストアイドル』のメンバーや、グラドルの森咲智美(28)、『ぺこぱ』らお笑いコンビが出演中。地上波テレビとギャラは遜色ない。美味しい仕事ですよ」(前出・芸能プロ幹部)
昨年、競輪に参入した『ミクシィ』は人気ゲーム『モンスターストライク』のノウハウを活(い)かし、競輪番組とネット投票をミックスしたサービスを始めた。前出の広告代理店関係者が解説する。
「若手タレント3チームが予想対決する番組を毎日、放送しています。番組の出演者自体は無名のタレントや芸人が多いですが、中身はかなり画期的。登録しただけで貰えるメダルを貯めてガチャを回し、当たりが出るとゲーム内で使えるマネーが付与される。このマネーで競輪の車券を買うことができて、的中すると実際に円で払い戻しができるのです」
ギャラの良さ、ファン層の広さ以外にも、競輪仕事にはメリットがある。
「競輪は五輪種目でもあるから、詳しくなっておけばオリンピックの仕事に食い込める可能性があるんですよ。北原里英(29)ら元『AKB48』のメンバーも競輪の仕事を始めています。地上波で放送されるビッグレースのMCは昨年まで田中みな実(34)が務めていましたし、『パンサー』の向井慧(さとし)(35)は番組キッカケで競輪にドハマリしました。芸能界にギャンブルファン自体が増えていることも追い風になっています」(放送作家)
ギャンブルは収支こそ不安定だが、ビジネスとしては安泰なのである。