【ボートレーサーのイチ押し!:ベルルッティの革靴】ボートレーサーのお宝グッズを紹介する好評企画はついに最終回。ラストにふさわしく、ボート界の第一人者・松井繁(48=大阪・64期)が登場する。生涯獲得賞金36億円超の絶対王者が「すべて僕の記念」と言い切る逸品は、高級ブランド「ベルルッティ」の革靴。新聞紙上初公開となる王者のコレクションをご覧あれ!
「男は足元からって言うやん」
そう言って誇らしい笑顔を見せた王者。その自慢の逸品がこの写真だ。まるで高級ブティックのようだが、何を隠そう松井の自宅。オシャレにディスプレーされた靴棚には1895年創業のフランスの老舗高級靴メーカー「ベルルッティ」の革靴が並ぶ。
「たぶん僕が選手で一番最初に買ったんやけど、今は記念に出るような選手はほぼみんなベルルッティやない? だいぶ前、たまたま雑誌で見てカッコいいって思ったのがきっかけ。そのショップが大阪にあるから行ってみたんや」
過去に本コーナーで取り上げた平本真之をはじめ多くのレーサーが愛用しているが、その先駆者が松井であった。
優勝した自分へのご褒美などで購入し、25足まで増えた。レース場へは「毎回、必ず磨いていく」と言い、どの靴を履くか?にもこだわりがある。
「勝負事やからね。成績が悪かったら靴を替えたり、いいエンジンを引いたら同じ靴を選んだり…。一種のげん担ぎかな」
グランプリ3Vを含むSG12V、ボート界の記録を数々塗り替えてきた。「楽しいことなんて一つもない」という努力を重ね、ひたすら「グランプリに出るため」に戦う王者は、この先どこへ向かうのか。最後にこんな質問をぶつけてみた。自らの引き際をどう考えているのか。
「自分の力がグランプリに及ばないと思ったら終わりにする。それが僕の引き際かな。(GPに)出た、出ないではなく『もう出られない』と感じたら自分をクビにする。そんな状態になって(選手を)続けたら、今まで僕が言うてきたことが全部ウソになるからね」
その時がいつ訪れるかは分からない。それまで王者は歩き続ける。気品ある靴をコツコツと鳴らしながら。
☆まつい・しげる=1969年11月11日生まれ。大阪支部64期生。89年5月の住之江でデビュー。90年8月の芦屋・新鋭リーグで初優勝。GⅠ初優勝は92年の戸田36周年記念。SG初優勝は96年5月の児島オールスター。通算126V。GⅠ・57V、SG・12Vはともに歴代2位。2011年12月に公営競技史上初となる生涯獲得賞金30億円を突破し、現在36億4332万円。グランプリ3V、グランプリ出場22回、最優秀選手5回は歴代1位。キャッチフレーズは「絶対王者」。身長169センチ。血液型=O。
2018年3月の記事になります
3年ぶりにSGグランプリの出場を見事に決めた、松井繁選手。是非ベテランの意地で平和島を盛り上げて頂きたいです。