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      【SG】『第35回グランプリ』おめでとう『峰竜太』『第35回グランプリシリーズ』おめでとう『深川真二』

      掴め王者の栄光

      輝け最強の誇り

      2020/12/15~12/20にボートレース平和島で第35回SGグランプリが開催されます。

      優勝戦メンバー

      12Rグランプリ優勝戦
      ①峰 竜太(佐賀)
      ②西山貴浩(福岡)
      ③寺田 祥(山口)
      ④新田雄史(三重)
      ⑤平本真之(愛知)
      ⑥松井 繁(大阪)

      11Rシリーズ優勝戦
      ①池田浩二(愛知)
      ②深川真二(佐賀)
      ③坂口 周(三重)
      ④前本泰和(広島)
      ⑤秦 英悟(大阪)
      ⑥石渡鉄兵(東京)

      第35回グランプリは、2014年以来4回目となる平和島開催だ。1億円をかけた舞台に立てるのは18人。始まりも終わりも平和島となった、2020年のSGロードはどんな最終章を迎えるだろうか。
      モーター、枠番と恩恵があるトライアル2nd組。中でも注目はやはり峰竜太(佐賀)だ。今年はSG1回、G1で4回含むV13とボート界最強の名を独り占めにしている。自身2度目のグランプリ制覇へ疑う余地はない。毒島誠(群馬)は10月にダービー準V、11月にチャレンジカップVとバイオリズムを合わせてきた。吉川元浩(兵庫)は平和島クラシックでのV再現を狙う。篠崎仁志(福岡)、深谷知博(静岡)と今年SG初制覇を飾ったニュースターへの期待も高い。寺田祥(山口)は、自身3度目のグランプリで初ファイナルへ。
      下克上を狙うのがトライアル1st組。瓜生正義(福岡)は前哨戦となった10月平和島周年でのVが心強い。白井英治(山口)は、10月に引退した師匠の今村豊にグランプリ制覇を報告したい。茅原悠紀(岡山)は2014年平和島グランプリで6コースVをド派手に決めている。同レース準Vの菊地孝平(静岡)は、6年越しの雪辱戦だ。
      2度目のグランプリ制覇に挑む井口佳典(三重)に、初Vを目指す新田雄史(三重)、平本真之(愛知)、岡崎恭裕(福岡)にも注目だ。松井繁(大阪)は歴代最多23回目のグランプリ出場と貫禄十分。グランプリ初出場の西山貴浩(福岡)も旋風を巻き起こす。徳増秀樹(静岡)、前本泰和(広島)は調整手腕を発揮し頂点へ。

      情報をどんどんアップしていきますので、皆様予想などの参考にして下さい。

      SGグランプリ・グランプリシリーズ最終日・優勝戦

      グランプリ

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      畠山の優勝戦予想で記されていたように、平本真之はスタート特訓にチルト1度で臨んだようだ。スリットから伸びての一撃をもくろんだわけだ。しかし、これがまったく使えないと、平本はマイナス0・5度に戻している。「あのまま行ったら、絶対コケてた」。平本の走りを間近で見ていた西山貴浩も「平本さん、何しよん!」と心配したそうだ。というわけで、特訓は10R発売中だったから、急ぎプロペラも叩き直し。ということで、平本は毒島誠ばりのギリペラで本番に臨んでいる。それ自体は、満足のいく調整ができたようだ。

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      その平本よりさらにギリペラになったのが新田雄史だ。平本がペラ室を出た後もハンマーを振るい続け、納得のいくまで叩いていたのだ。仲谷颯仁がゲージの片づけを手伝っていたほど。叩き終えて「よしっ」と小さくつぶやいた新田は、顔なじみの記者さんに「優勝してくるわ」と宣言して係留所へ。展示ピットにボートをつけたのは、もちろん最後である。

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      12R直前、西山貴浩の表情がなんとも凛々しくなっていた。今まで西山に「凛々しい」なんて表現、使ったことあったかなー。それくらい、いい顔になっていたのだ。グランプリのファイナルに駒を進めたことが、すでにこの時点で西山を強くしたのではないか。そう思えた。待機室の前で、入念なストレッチを施す西山。その動きひとつひとつも力強く、万全で優勝戦を戦えそうな雰囲気を漂わせた。

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      最も早くカポックと勝負服の装備を調えたのは、松井繁である。まだ西山がストレッチを始めるよりも前に、緑色を身にまとっていた。2年間、この舞台から遠ざかり、50代になって戻ってきて、ファイナルまで進んだ。もちろん、王者の思いはそこでストップするはずがない。枠がどうであろうと、対戦相手がみなはるかに後輩であろうと、本当に戻るべき場所は表彰台の真ん中だとの気合で、そのグリーンの装備を身に着けたはずだ。

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      昨日も書いたが、寺田祥は「今村(豊)さんの分まで」の思いで、この優勝戦に臨んでいる。そりゃあ最後は自分がひたすら勝ちたいという思いが大きくなったに違いないが、それがかなえば今村さんに最高の報告ができる。レース直前の表情は実に気合が感じられるものだったし、強い思いはじんじんとこちらにも伝わってくる雰囲気だった。

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      そうした努力や思いをまとめて粉砕した峰竜太! 2年ぶり2度目のグランプリ制覇を、コンマ01という背筋が寒くなるようなスタートを決めて、もぎ取ってみせた。まさしく完勝! 1マークのうねりが気になって、少々漏らすターンになってしまったようだが、それでも他を寄せ付けない旋回で、1マークでほぼ決着をつけたと言っていいだろう。
      2年前のグランプリ優勝戦直前の峰竜太とは、今日は明らかに違っていた。一言で言って、逞しく見えた。緊張はしているだろうとうかがえたが、そこでうろたえているような様子は微塵も見えなかった。

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      実際は、シリーズ記事で書いたように、先輩が先に優勝していたことのプレッシャーはあった。「負けて帰って、それでも真二さんにおめでとうございますと言うのは違うと思った。だから負けられないと思った」というプレッシャーだ。そして、峰がこのところ常に感じているプレッシャー。それは「自分は期待されている」というものだ。1号艇で1番人気に支持されるというのもその類にはなるだろうが、今や艇界最強とまで謳われるようになった峰には、つまり期待に応えるためにそれにふさわしい走りをしなければならないという重圧を感じながら戦うようになっているのだ。選ばれし者しか感じることのできない境地に、今の峰は至っている。峰自身、その自覚もある。だから、スーパー大舞台で1号艇という立場では絶対に負けられない。そうした強烈な呪縛にも似た感情を抱いて、峰は走るのである。
      それが、もしかしたら峰を逞しく見せる一端なのだろうか。ただただタイトル奪取を願い、しかしかなわず、自分に自信がもてずに悩んだ頃の峰竜太ではない。どんな期待も、あるいは批判にしたって、受けて立とう。そんな決意にも似たハートを持つ者は、陸の上でも強さを発散する。今の峰は、きっとそんな男になったのだろう。

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      で、そんな峰が、やっぱり泣くんだ、これが(笑)。昨日の優出会見では、優勝しても泣かないと断言していたのである。ところが、深川真二と上野真之介が出迎える係留所まで帰ってくると、大きな嗚咽が聞こえてきた。わ、泣いてる。直感して、ピットに戻ってきた峰を見たら、もう号泣である。それを見て、松井繁がめっちゃ笑ってました(笑)。

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      ウィニングランを見た方も、泣きじゃくる峰竜太を目撃したことだろう。写真は、スタンドを通過し切った、ピット目前の様子。ファンの前では涙しながらも顔をあげて手を振っていたが、ファンの姿が見えなくなったら下を向いてさらに号泣。スタンドから歓声をあげて祝福してくれるファンを見て、さらに涙が止まらなくなったんだろうなあ、きっと。

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      実は峰の涙というのは、自分の勝利とか敗北とか、そのこと自体にというよりは、その向こうに見える「人」を思ってのものというのが本質だと僕は思っている。今日も、ピットに戻ってきたら深川先輩が笑顔で出迎えていて、そのことに泣いた。ファンがたくさん自分を祝福してくれて、そのことに泣いた。実際、会見でも「いろんな人たちの顔が浮かんでくるんです。家族とか、仲間とか、僕を支えてくれる人がたくさんいる」と語っている。BOATBoyでインタビューした際、いきなり泣き出したことがあった。GⅠ初優勝となった09年九州地区選の話題になったときのことだ。GⅠ初優勝の感激を思い出したのではない。優勝戦の日、先輩の三井所尊春が本来峰がやらねばならない仕事などを全部受け持って自分をサポートしてくれたことを思い出して、泣き出したのである。峰の涙の奥には、常に自分を支え、育ててくれる人の存在があるのである。
      今日も先頭でゴールしたときに見えた、あるいは脳裏に浮かんだたくさんの人たち。ピットに帰ってきて目に入った深川先輩をはじめとする多くのレース仲間。それが、泣き虫王子を久々に降臨させた。峰にそのつもりはなかったとしても、降臨するに決まっていたのだ。

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      会見が終わり、控室へ戻る峰が、僕の姿を見つけて――ちょっと自慢になりますが――やったーと抱き着いてきた。久々に交わす抱擁である(実は一昨年のグランプリのときもあったのです)。選手との接触をかなり制限されている今節ですが、最後の最後なので許してください(フェイスシールドとマスクもしてました)。おめでとう、祝福するこちらに峰は即座に、力強く言い切った。
      「僕、強くなったでしょ」。
      うん、強くなった。逞しくなった。それでも、だ。どんなに強くなっても、逞しくなっても、「泣かない」とか宣言したとしても(笑)、今後も峰竜太は人を思って泣き虫王子になる。次はたぶんオールスター制覇の時だと思います(笑)

      グランプリシリーズ

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      よーしっ! 太い声があがり、その主を探すと、プロペラ調整室にいた井口佳典だった。室内のモニターを見上げ、熱視線を送る。坂口周のまくり差しが先マイした池田浩二のふところに届いた瞬間のことだ。しかし、2マークで井口は声をあげられなくなってしまう。差して残した深川真二が、2マークを先マイ。決着はついた。そのとき、今度は「佐賀佐賀じゃ!」と嬉しそうな声が聞こえてくる。最終日ということで足を運んでいた選手会長の上瀧和則だ。言わずと知れた佐賀支部の重鎮。かわいい後輩がまずシリーズで優勝を確実にし、グランプリでは最有力なポジションにいる。会長の立場としては、すべての選手を労い、エールを送りたいところだろうが、やはり同支部の後輩に肩入れしてしまって当然。それから上瀧は目を細め、無言で対岸のモニターを見つめていた。

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      グランプリシリーズを制したのは深川真二だ! 12R1号艇の後輩に最高のかたちでバトンを渡すV。いや、その後輩は先輩の優勝を見て「これは負けられない」と逆にプレッシャーになったそうだが(笑)、展示ピットで戦況を見つめていた後輩に、深川は先頭ゴールの背中をしかと見せつけた。

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      上瀧会長が喜んだように、上野もまた嬉しそうだったし、九州地区の仲間たちも笑顔で深川を迎えている。ただし、深川自身は微笑みをたたえるのみで、比較的淡々とピットに帰還している。カメラマンたちの前に立たされ優勝者撮影のときも、ガッツポーズをカメラマンに促されるほど。あ、これでいいの? そんな感じで右手をあげた深川は、どこか照れ臭そうでもあり、つまりSG制覇の高揚感はどこにも見当たらないのだった。

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      かつて深川はBOATBoyのインタビューにこう答えている。「SGだからとか一般戦だからとか関係ない。目の前のレースでとにかく勝ちたい。その思いはどんなレースでも差がない」。つまり、今日勝ったレースはたまたまグランプリシリーズの優勝戦だったのであって、それが一般戦の第1Rでも振る舞いはそうは変わらなかっただろう、ということだ。表彰式では「99回目の優勝」と聞かされ、へえ~、という顔をしていたように、そういうことへのこだわりも興味もない。ただただ、走るレースで勝ちたい、そのために全力を尽くす。深川真二はそういう男だ。
      それにしても、SG2Vがともに平和島とは、なんたる好相性。というか、内が決して強いとは言えない水面なのに、内寄り志向の深川が強さを見せつけまくっているのだ。まあ、深川としてはそれも「相性いいっすね」くらいなものなのだろうが、次に平和島に参戦するのがおおいに楽しみである。

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      ピットに戻った深川に、坂口周がよろめくように抱き着いた。まくり差しが届いたとき、後輩の井口と同様に勝利を予感したはずだ。しかし深川に捌かれ準Vまで。その抱き着き方は、深川さんまいりました、というものに見えた。だからだろうか、深川はすぐに「ごめんねー」と言っている。そこで坂口は、おめでとうございます、と絞り出したわけだが、手の届きかけたSGタイトルをかっさらった男の強さをも思い知っただろう。ともかく、坂口もナイスファイトだった!

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      最も悔しがったのは池田浩二だ。1号艇だから当たり前ではある。ピットに上がってから、何度首を捻ったことか。深川と挨拶を交わし合いながらも、さらに首を捻っていた。上瀧会長に労われて、池田は「フライングが利いてる!」と大声で吐き捨てた。スタートタイミングはコンマ18。コンマ12の深川にのぞかれたことで、やや強引な先マイとなって差し場を提供した。F持ちだったことが、池田の勝負勘を狂わせたということか。もっとも、池田にとって本当に狙うべきは12Rのほうだ。その後悔を大きな刺激として、2021年は最強戦士の真髄を見せつけてもらいたい。

      SGグランプリ・グランプリシリーズ5日目・2nd3日目

      ・11R

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      レース直前の菊地孝平は、とにかく考えに考えに考え込んでいた。ピット内を歩いて移動する際にも、うつむき加減で一点を見つめている。時に立ち止まって、彫像のように固まる。展示が終わり、いよいよ出走準備というタイミングでは、緑のカポックと勝負服を身にまとい、待機室前の手すりに突っ伏す格好で、5~10分ほど微動だにしなかった。スタート展示では結局、動いても誰も譲らない枠なりオールスロー。本番も同様の展開が予想される中、勝負駆けを突破する糸口を何とか掴もうと、それは必死でもがいている姿だった。
      菊地は最内を差してなんとか3着。しかし、それはファイナル行きを決めるものにはならなかった。12Rの結果次第で可能性は残されていた分、表情はそれほど深刻には見えなかったが、納得できる結末でなかったのは明らかだった。

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      このレースからファイナル行きを決めたのは、まず寺田祥。2コースから差して2着、23点なったことで当確となった。レース後は淡々としており、また会見でも的確に回答をしていたが、声色が明らかに変わったのは、今村豊さんのことを質問されたときだった。「今村さんのためにも頑張りたい」。寺田はたしかにそう言った。グランプリジャンパーの胸に書かれた今村さんのサイン。それはやはり、寺田にパワーを与え、特別な思いに至らせるものだったのだ。理想としては、白井英治とともに黄金のヘルメット獲りに向かうことだっただろう。先に書いてしまうと、白井は勝負駆けに失敗した。となれば、寺田は白井の思いも背負って優勝戦のピットに入ることになる。それは確実に、寺田の背中を押すものとなるだろう。

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      もう一人は、逃げ切り連勝の西山貴浩! ニッシーニャがとうとう、グランプリのファイナルに名を刻んだ。徳増秀樹に祝福されて、「人生のピークが来てますわ~」。西山らしい物言いだが、レーサー人生の“キャリアハイ”であることは間違いない。
      で、今日の西山も、はしゃいだりおどけたりといったシーンは、人生のピーク発言以外には見当たらなかった。事故レースということもあったのかもしれないが、笑顔らしい笑顔も見せていない。むしろ顔は引き締まっており、もう一段、ギアが入ったようにも見えた。会見では相変わらずコミカルなコメントも発するものの、足の部分に関してや調整に関してなどについては、西山らしからぬ真面目さを発揮していて、それはグランプリのファイナリストらしさに満ちていた。まあ、「峰さんがポルシェなら、僕は軽トラですよ! 差せると思ってるんですか!」みたいなコメントもたくさんあったけどね。それは西山一流のスパイスのようなもので、気合がまるでいつもと違うのは明らかであった。ちなみに、明日も本体を割って、ピストンリングを交換するとのことです。

      ●12R

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      トライアルの最終戦とは思えない、静かなレース後だった。逃げ切って勝負駆け成功の新田雄史にも、まるで高揚したところがない。勝利者インタビューのため、エンジン吊りとボート洗浄を仲間に託して足早にピットを後にした時も、表情は一つも変わることがなかった。会見では、足に自信はないが勝ちに行くと力強く宣言しているが、レース後の様子にはそうした雰囲気すら見えていなかったのである。

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      2着で勝負駆け成功の平本真之にしても同じことだ。何度も何度もしつこく書いているように、喜びも悔しさも、感情を隠そうとしない平本が、エンジン吊りやボート洗浄の間はひたすら淡々としていて、控室に引き上げるときにもほとんど笑顔を見せなかった。まあ、新田と違うだろうと思うのは、3度目のグランプリにしてついに初優出、その喜びに浸っていたという可能性はある。会見でも、これが夢だったと語っているから、その淡々とした感じこそが歓喜の表現だったかもしれない。

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      3着で勝負駆け成功の松井繁もまた、表情をほとんど変えていない。粛々とエンジン吊りやボート洗浄を終え、顔色ひとつ変えることなく控室へと消えていった。松井にとって、グランプリ優出はもちろん何度も経験したことであり、また到達点ではない。ここに戻ってきたという充実感はあったとしても、それ以上に感情を突き動かすものでもなかろう。
      ただ、会見では昨日よりも言葉数が減っていた。やや不機嫌にも見えるほどセンテンスは短く、また顔つきも厳しいものだった。優出が決まり、またたく間に王者モードに入ったと見たが、どうだろう。それこそ、過去に何度か目にした、優出会見の光景なのだ(今回はリモートだけど)。
      ちょっとだけ苦笑いが混じったのは進入について聞かれたとき。そりゃあ誰だって、6号艇の松井といえば前付けを想定するわけだが、松井は頑なに「わかりません」と繰り返した。まあ、今日のトライアル2nd2戦とも枠なりオールスローだったわけだし、となるとスロー6コースが勝ち筋になるとは考えにくい。他艇の腹の内もまだ見えないし、ここはその答えしかなかったかも。で、平本も新田も「松井さんがわからないというなら、僕もわかりません」と苦笑いでした。

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      無事故完走でファイナル1号艇が当確となっていた峰竜太は、まさしく無事故完走の6着。菊地孝平に「お前が勝ってたら、俺が残ってたのに」とからかわれて、「早く言ってくれたらもっと頑張ったのに」と笑い返していたが、まあ本音というわけではなく、他愛のないじゃれ合いであろう。
      気になるのは、会見でのテンションが明らかに低かったことだ。昨日はあれだけ「勝って1号艇」など前向きな言葉が並んでいたのに、今日は結局、守りに入ってしまっていたという。致し方ないこととも思えるが、結果が6着だったことも含めて、それが峰の気持ちを落としてしまっているようだった。こんなに意気が上がらない「優勝戦1号艇が決まった選手」、これまでのグランプリで見たことがない。特殊な状況での1号艇ゲットがもたらした、不思議な光景と言えようか。これがどんな影響をもたらすのか、ともかく明日の朝の様子を確認してみたい。

      ●シリーズ

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      8Rを勝ち上がったのは深川真二と秦英悟。逃げ切った深川は、出迎えた峰竜太らににこやかに微笑んでおり、気分上々。また、会見では「(グランプリとシリーズ)どちらも佐賀支部が勝てれば最高」と語っている。峰にバトンを渡す役割を果たせるか。

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      秦はSG初出場初優出! 事故レースではあったものの、井口佳典、久田敏之との混戦を制してのものだけに値千金。初の舞台で冷静に捌いたあたりも見事である。ピットに上がると、とにかくさまざまな選手が嬉しそうに祝福していた。大阪支部はもちろん、他支部の選手もだ。次々に親指を立てられて、秦は嬉しそうにサムアップを返していた。

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      9Rを勝ち上がったのは坂口周と前本泰和。前本は1号艇で2着と、やや複雑な勝ち上がりで、控室に戻る際、一瞬だけ顔色が変わる場面があった。今日の敗因は、畠山の原稿でも話題になっていた「うねり」で、これでボートが浮いてしまったことを悔しそうに振り返っている。
      f:id:boatrace-g-report:20201219181237j:plain 坂口は、3月の当地クラシックに続くSG優出! あのときは7Rあたりの時間帯にペラを破損。「僕の大黒歴史ですわ」と笑わせた。「明日は陸の上で細心の注意を払います」とも。何しろ、昨日までは伸びに特化させようとしていた調整を、今日は伸びを捨てようとしたら出足が来たどころか結局伸びもさらにアップ。課題だったピット離れの悪さも解消したという。万全で臨む優勝戦だ! 明日は3カドもあるかも!? なお、写真の二人は83期の同期生!

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      10Rを勝ち上がったのは、池田浩二と石渡鉄兵。石渡は地元勢の砦として、最低限の結果を出したと言える。6号艇ではあるが、まずは安堵といったところだろう。もともとそういうタイプではないが、前付けはないだろうとのこと。6コースからどんな戦略で地元水面を盛り上げてくれるだろうか。

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      池田は10度目のSG制覇に王手。陸に上がるや、右腕を突き立てて、杉山正樹とハイタッチもしていた。シリーズとはいえ、優勝戦1号艇をゲットしたことは会心であろう。明日は気合を込めて戦うとも宣言。一見クールにも見える男のホットな発言だ。足的にも万全、死角は非常に少ないように思えるがどうだろう。

      SGグランプリ・グランプリシリーズ4日目・2nd2日目

      ●11R

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      JLCなどで勝利者インタビューを見た方は、西山貴浩はさぞはしゃいでいたと想像されることだろう。しかし実際のところは、レース後はほとんどはしゃぐ姿は見られなかった。まずは一言で言うなら、充実感。あるいは達成感。やるべきことをなんとかやり遂げたという、安堵もあっただろうか。トライアルの1号艇という重圧。そのうえで逃げ切るということ。その大変さを全身で感じる一日だったことだろう。だからその後は、なんども「しんどい」とすれ違う選手に次々と訴えていた。シリーズ組などは、そのしんどさを味わるのは幸せなことだろ、という顔をしていたものだが。

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      写真は、展示待機に向かう際のものである。カメラ目線で頬を膨らませ、こちらを笑わせているようにも思えるが、そうではない。大きく息を吐き出し、顔をキリリと引き締める直前のものだ。そして「頑張った。今日は頑張った」と自分に言い聞かせるように呟き、スタート練習の写真を見ながら「これを見てコンマ05、良し!」と自分の感覚を声を出して確認し、待機室へと向かった。それは明らかにプレッシャーと戦う姿だったし、そしてきっと打ち克ってみせるだろうと確信できるような力強い姿でもあった。

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      「また強くなっちゃいましたね、僕」とレース後に言った西山。この1号艇を勝ったのはたしかに彼をひとつ成長させたはずだ。そして明日も1号艇! ファイナル行きを懸けての絶好枠番。今日白カポックを経験したとはいえ、また違った緊張感があるだろう。他選手からのプレッシャーもキツくなるし。最終日の12Rに名を連ねることができるか、西山はまた新たな挑みを経験する。

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      2着になった松井繁は、カポック脱ぎ場で装備をほどきながら、新田雄史と笑い合っている。2号艇2コースの新田は1マーク、意表を突くジカまくり。攻めようとした松井は差しにチェンジすることを強いられ、そのハンドルは一瞬遅れている。そのあたりを振り返り合っていたのだろう。なにしろ、松井は「想定していなかった」とはっきり認めている。自分が攻めるものと決めつけて、その部分での冷静さに欠いていたとも。だから、新田にしてやられたという点も含めて、笑い合うことになったのだろう。それでも、2着で明日につないだことで、気分は悪くないはずだ。その後には報道陣の質問に応えながら笑顔も見せていて、精神的にもいい状態で勝負の3戦目に臨むことになりそうだ。

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      対照的に、毒島誠が表情をなくしていた。6着大敗。その事実を受け止められないというか、あるいは仕上がりが想像と違っていて、それが信じられないというか。明らかにテンションは急降下し、悄然とした様子となっていたのである。12Rのエンジン吊りに出てきたときにも、まだ引きずっているような感じが見えていて、ちょっと心配だ。しかも明日は6号艇を引いてしまった。今日のところは意気上がらぬのも致し方ないところか。明日は開き直って、調整もレースも(進入も)大胆な手に出てくることを期待したい。

      ●12R

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      吉川元浩が痛い痛い転覆。伸びてきた白井英治を制して先攻めに出たが、1マークの出口で振り込んでしまった。選手責任の減点がとられて、実質上、吉川のグランプリは終戦を迎えてしまった。幸いにも体は無事だが、今日は眠れぬ夜となってしまうかもしれない。

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      攻め遅れ、さらに吉川を避けるかたちになった白井は5着。ただ今日は珍しく、ヘルメットの奥の目が細くなっていて、脱いだら苦笑いが出てきたのであった。事故艇を回避するというアクシデントがあったのだから、大敗も仕方ないというところだろうか。本来なら、これで一歩後退、明日の勝負駆けが厳しくなったのだから、深刻になってもおかしくないが、今日はそれを考えても仕方ないということだろう。とにかく明日の巻き返し。トライアル1stで1着を獲っている2号艇を引き当て、意気揚々と3戦目に臨むはずだ。

      f:id:boatrace-g-report:20201218180836j:plain

      篠崎仁志も、明日は厳しい勝負駆けを戦うことになってしまった。ボーダー21点とすれば1着勝負。今日の4着はそれなりの痛みを伴うものだ。エンジン吊りを終えた仁志は、おもむろに左膝を交差するように上にあげ、さらに右ひざを同じようにあげた。それはまるでレース前のストレッチにも見えるもので、なぜこのタイミングでこの仕草が出たのかは見当がつかない。初戦5着、2戦目4着と振るわない結果に、その悔しさを紛らすものだったのだろうか。

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      菊地孝平は6号艇2着で、これは大きい9ポイントとなった。2戦連続の6号艇、枠なり6コースだった初戦なのだから、今日は前付け必至かと思ったら、動く気配なしの枠なり6コース。スタート展示を見たときは少々意外に思ったものだった。だが、とびきり聡明な菊地のこと、伸びる白井をマークしての差しという戦略を思い描いていた? エンジン吊りを終え、カメラの放列を前にしてキリリとした表情を見せていた菊地は、その場を通り過ぎると、立ち止まってニヤリと笑った。僕にはそれが、してやったりの笑顔、と見えたのだが。で、明日もまた6号艇! 最初に引いた西山が1号艇を引いて派手なガッツポーズを見せた後に、3戦連続の緑玉。菊地は西山に倣って(?)ヤケクソのような派手なガッツポーズを見せたのだった(笑)。そしてその後は「このヤロ」という言葉を何度も呟いていて、すべてテレビカメラがそれを拾ってました(笑)。そりゃこのヤロ、だよなあ、オールグリーンだもの。

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      さて、既報の通り、勝った峰竜太は3走目を無事故完走すれば、ファイナル1号艇が当確となった。無事故完走でファイナル行き当確、ではない。ファイナルの白カポックが当確なのだ。こんなグランプリ、初めて見たよ。今日は初戦で好着順の選手(主に2nd組)が大敗を喫し、逆に初戦で舟券に絡めなかった選手(主に1st組)が好成績、それによって具体的に言えば2走14点、13点あたりにずらーっと並ぶかたちになったのである。対する峰は6着=4点でも24点。2位タイの14点組は勝っても24点。同得点の場合は上位着の数が多いほうが優先され(西山と毒島が勝てば峰の2勝に並ぶが、それ以外なら1勝で峰が上)、上位着の数が同じなら選出順位が優先されるので選出1位の峰が上。つまり、誰が勝っても峰を超えることが不可能というわけである。

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      それを報道陣に伝えられた峰は、「いや、違う、そんなに甘くない」とわりと強い語調で訴えている。いやいや、違ってはいないのだが、この舞台では何があるかわからないと言いたいのだろう(実際、吉川の転覆があったばかりだ)。さらに、「6着で1号艇より、明日も勝って1号艇となりたい」と前向きな言葉も口にしている。調子に乗らない峰竜太というのが果たしていいのかどうかはむしろわからないが(笑)、しかし普通に考えれば明らかに好材料であろう。緩むことなく、明日も勝利を目指す。結局はそれがVへの近道のはずだ。
      まあ、「5コースから勝ちたい」と決めつけてるあたりが気がかりですけどね(笑)。たしかに5号艇だけど、6号艇は毒島誠、バナレ飛ぶかもよー。前付けの可能性もあるし。そのへん、もろもろ想定することができれば、結果はどうあれ、いい戦いができるだろう。

      ●シリーズ

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      予選トップは池田浩二。8R、6号艇2着でかなり有利な立場になった。10R石渡鉄兵が1着なら逆転だが、なにしろこちらも6号艇。実質的に、6号艇を2着でクリアしたことでトップをもぎ取ったと言えるだろう。10Rが終わったあと、さまざまな選手に祝福を受けていた池田。まあ、本来はもういっちょ上の舞台に立つべき選手なので、池田も微笑みを返すぐらいなのであった。ともあれ、10回目のSG制覇がぐっと近づいた。

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      勝負駆けでは、10Rの前田将太がアツかった。その時点で6・00ではあったのだが、ボーダーを挟んでここに何人か並んでいたのだ。前田は19位、木下翔太も同じく6・00でさらにその下の20位だった。6・00なら3着勝負、というのが通常だが、3着では順位を上げることができない。2着以上が求められるところだったのだ。
      レースは、守田俊介の前付けを入れての3コース。深い2コースではなく、こちらを選んだのは勝負手だったと思うのだが、残念ながら実らず。大敗で予選落ちとなってしまった。ピットにあがり、ヘルメットを脱いだ前田の顔は露骨にガッカリ。そこには悔しさばかりが貼りついているのだった。前田は地元福岡で開催されるクラシックの権利がなく、シリーズVが欲しかったはず。その道が閉ざされたこともまたショックだっただろう。そちらは年明けの地区選で頑張るとして、まずは残り2日、意地を見せてもらいたい

      勝負駆けの1~10Rが終わり、GPシリーズ戦の準優18PITが確定しました。予選トップで10R1号艇を勝ち獲ったのは、とこなめのスーパースター池田浩二! 明日から逃げ~逃げを決めれば、SGタイトルがついに2桁の大台に乗ります。深川真二とトライアル組の前本泰和も1号艇をGETしています。

      GPシリーズ準優勝戦

      8R
      ①深川真二(佐賀)
      ②秦 英悟(大阪)
      ③茅原悠紀(岡山)
      ④村田修次(東京)
      ⑤久田敏之(群馬)
      ⑥井口佳典(三重)

      9R
      ①前本泰和(広島)
      ②坂口 周(三重)
      ③上野真之介(佐賀)
      ④磯部 誠(愛知)
      ⑤長田頼宗(東京)
      ⑥守田俊介(滋賀)

      10R
      ①池田浩二(愛知)
      ②石渡鉄兵(東京)
      ③馬場貴也(滋賀)
      ④徳増秀樹(静岡)
      ⑤桑原 悠(長崎)
      ⑥山口 剛(広島)

      SGグランプリ・グランプリシリーズ3日目・2nd初日

      ●11R

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      スイッチが入った時の菊地孝平が見せる思索モード。レース前の菊地は、まさにその状態に入っていた。写真がそれだ。こうなると声もかけられないし、おそらくこちらのシャッター音も耳に入っていない。10R直前、展示待機室の外でも、菊地は緑の勝負服をまとって手すりに突っ伏すようなかたちで固まっていた。調整の方向性を模索すべく、あるいは勝ち筋を探すべく、菊地は全身全霊で脳みその回転を上げまくるのだ。
      しかし、それもむなしく6着大敗。レース後の菊地の表情は深刻そのものだった。悔恨でもない。落胆でもない。ひたすら衝撃に耐えているかのような、うつろともいえる顔つき。あと2走でどう立て直すのか、菊地の思索はまだまだ続く。

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      昨日一昨日と喜びをあらわにしていた平本真之は、今日は悔しさをあらわにする一日となった。畠山の予想記事にあるように、平本は試運転で転覆している。足落ちがあったのかなかったのか、ともかく2nd発進組には及ばなかった。すべてを含めて、不本意な2nd初戦となってしまったわけだ。

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      そう、11Rは2nd発進組が上位独占。毒島誠が快勝し、吉川元浩が2着。寺田祥が3着と①-②-③決着。磯部誠が「クロちゃん、どれだけ頭を絞っても、モーターボートは結局①-②-③」と笑っていたが(僕がド人気の組み合わせを買っているわけないと見透かしてたな・笑)、さらにグランプリは2nd発進組が絶対的に有利という象徴のようにも見えたのだった(磯部と口を揃えて出た言葉が「おもんない」。磯部、そう言うなら明日の4号艇で穴を出せ!)。

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      上位3人はいずれも淡々とした様子で、寺田祥が微笑を浮かべていたのが目立った程度。もっともその微笑の口元に、小さい悔恨が宿ってはいたが。むしろ毒島誠があまりにも淡々としていたことがかえって気になったりもした。初戦を勝利でクリアしたことは、1号艇であったとはいえ、プレッシャーを解き放つ材料のはずなのだが。

      ●12R

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      なにしろ、峰竜太はカポックを脱ぎながら、「よかった~~~~」とため息をついたのである。それが、特に初戦1号艇の本音中の本音だと思うから、毒島の様子に違和感を覚えたのだ。峰はレース直後も毒島とは対照的にニコニコしていて、テレビカメラにガッツポーズを見せたりもしている。ただし、そのとき目線がカメラから微妙にズレていて、会心のガッツポーズには見えなかったのである。その直後に出たのが「よかった~~~~」。

      2年前だったか3年前だったか、やはり2nd1号艇発進だった峰が、逃げ切ってから少し時間が経ったあと、「緊張した~~~~~。勝ててよかった~~~」とやはりため息交じりに話しかけてきたことがあった。それはまるで優勝戦とか準優勝戦の、ここ一番の1号艇のような装いだったので、まだ初戦なのにと峰に返した。しかし、初戦だからこそ、なのだ。そのときは足も仕上がり途上で、それがまた緊張感を増幅したという。万全ではない状態で負けられない1号艇、というのは、単なる1号艇ではないのだろう。峰は枠番抽選でふたたび1号艇を引き当て、リモート会見ではかなりゴキゲンの様子だったわけだが、それでも今日の本音はやっぱり「よかった~~」のため息だったのだと思う。毒島も同じだと思うのだが……。

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      2着は深谷知博。初のグランプリを上々の成績で切り抜けてみせた。レース後の深谷からは、笑顔がこぼれまくっていた。それは実に自然体の笑顔にも見えていた。実際、自分がどういう状態になるのだろうかと考えながら、レースになればいつも通りに戦えたという。もしかしたら、深谷のメンタルはかなり強いのかもしれない。あるいは……グランプリの特殊性やプレッシャーにまだ気づけていないとするなら……というのは、こちらの考えすぎですかね。明日は6号艇を引いた。それなりの着順で3戦目に向かえるとなると、メンタルの強さはますますアドバンテージになるはずなのだが、果たして。

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      それにしても、白井英治の足がかなり良さそうである。畠山の鑑定がどうかは聞いていないが、トライアル2戦のレースぶりからは、12人のなかで一番ではないかと見えた。事実、西山貴浩がレース後、目を丸くしていたのである。スリット隊形では白井コンマ03、西山コンマ07も、1マークまでに白井がぐいぐい前に出て行った。西山は、その様子を両手をボートに見立てて表現。つまり、白井が出ていって自分が下がったと、左手をぐーんと前に出したのであった。その隊形だったから、「ぜんぜん握れなかった」と嘆くわけで、西山は展開がまるでなしの6着である。あの西山がまったくおどけることなく、ただただ足の違いに呆然としていたのだから、衝撃的だったのだろう。

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      白井は3着で、例によって眉間にシワを寄せて苦み走った顔つき。勝っても負けてもこれだから、その様子からは心中を察することは難しい。ただ、3コースが先攻めしやすい今のボートは、出切れなかったときの伸びる4コースって、難しいですよね。結局待って差して届かずになりやすいから。そのあたりの悔しさはあったのではないかと推測する。

      ●枠番抽選

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      密回避ということで、今節は会場に立ち入れないのであります。トライアル1st第2戦の抽選も同様でした。というわけで、テレビ越しに聞こえてきた「えぐいわー」という松井繁の声だけお伝えしておきます。5番手の抽選になった松井、順番が回ってきたときに残っていたのは白と赤である。2分の1で白!……………を引けないという(笑)。白を引く王者、本当に見られないなー。松井の嘆きは、ようするに「えぐい抽選運の悪さ」ということでしょうね。赤いカポックでの快ショットを期待します!

      ●シリーズ

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      別記事の通り、秦英悟がSG初1着! レース後、秦自身も笑顔だったが、周囲の仲間たちが嬉しそうだったのが印象深い。松井をはじめとする大阪勢、同期の桐生順平、また期の近い篠崎仁志や守屋美穂も笑顔で祝福していたのだ。苦節ン十年とまではいかないが、秦の努力を見てきた仲間たちは、デビュー13年での初SG、そして勝利に感慨があったということだろうと思う。この勝利で準優圏内に突入している秦。さらに予選突破へと駆け上がりたい。

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      10Rのシリーズ復活戦は茅原悠紀が逃げ切り。昨日までは険しい顔も目立っていたが、ようやく笑顔が見られたのだった。今日は前半6着で、どうにもリズムに乗り切れなかったわけだが、この勝利を転換点にできるはず。平和島グランプリは、それがシリーズであっても、茅原悠紀がヒーロー! そんな走りをあと3日見せてほしいぞ

      西山貴浩

      SGグランプリ・グランプリシリーズ2日目・1st2日目

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      西山貴浩が11Rまくり快勝! 初出場のグランプリで、自力でトライアル2nd進出を決めてみせた。賞金ランク17位からのいわば下剋上だから、お見事の一言だ。
      今日もやはり普段以上に緊張感が見えていた西山だが、レース後はいつものニッシーニャ! 凱旋しボート上から仲間に向けてガッツポーズを決めると、ボートを降りてからは笑顔満開。“相方”の池田浩二も嬉しそうで、西山と戯れたばかりか、カメラマンの前では頭を小突くというか締めるというか、そんなポーズであらわれたりした。西山ももちろん、それに応えて、顔を作っている。エンターテイナーぶりがあらわになったのだ。
      着替えを終えた西山は、遠くにこちらの姿を見つけて、ド派手に右手を高く掲げて「イェーイッ!」。実は前節の若松でグランプリについて少し話す機会があり、軽くハッパをかけてもいたから、西山のその笑顔がなんだか嬉しかった。西山行きつけの居酒屋「勢人」のお父さんとお母さんも喜んでいるに違いない。ニッシーニャ、本番はここからだぞ!

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      このレース、白井英治が3着で2nd行き当確を出した。まあ、いつも通りに険しい顔つきのレース後ではあったが、印象的だったのは徳増秀樹を気遣っていたことだ。レース直後もそうだったし、12R発売中に徳増がペラをチェックしているときにも、白井は徳増に話しかけ続けていた。

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      徳増はまさかの6着6着で終戦。レース後はさすがに気落ちした様子が見られた。白井に対し「今日はやり尽くした」とは返していたが、結果は納得のいくものではないだろう。そんな徳増に配慮を見せた白井は、なんだか大きく見えたのだった(実際、背は高いけど)。

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      菊地孝平が道中競り負けての5着。これで得点は20点となり、2nd行きは12Rの結果に委ねられることとなった。ただ、レース後はやや呆然とした様子もありはしたのだが、着替えを終えるとすでに前向きになっている。「たぶん僕は大丈夫」と、自分に言い聞かせているわけでもなさそうに、強気に言い切ってみたり。そして、本当に2nd行きが決まったのだから、感じるものがあったのだろうか。ちなみに、今節はスローからのスタートしかしておらず(スタート特訓でも)、ダッシュはまったくわからないとのこと。6号艇の明日は枠なりならダッシュスタートになりそうだが、果たして。まあ、この人のことだから、明日は特訓でしっかり掴んできそうだけれども。

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      11R2着で、菊地と同得点に並んだ新田雄史も、結果的に2nd行きと相成った。選考順位が菊地より下なので微妙なところではあったが、まずは胸を撫でおろすこととなった。レース後は笑顔も見えていた新田は、6号艇の明日は「枠なりで行きます」と言い切っている。6コースからの戦略がどんなものになるか。明日は整備、調整の様子も気になるところだ。

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      12Rは平本真之が逃げ切って、トライアル1st連勝。文句なしの2nd進出だ。今日もゴキゲンのレース後で、イン逃げということもあってか、昨日のようなガッツポーズは出なかったものの、笑顔を振りまいて喜びを表現している。この勢いで2ndも快進撃……とはなかなかいかないのがグランプリの怖さ。6年前の平和島大会でも毒島誠が1st連勝で2ndに臨んだものの、まるで人が変わったかのように精彩を欠いてファイナル行きを逃している。ここからどう切り替えて臨めるかが、平本にとってもポイントとなろう。

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      もうひとりの2nd行きは、12R2着の松井繁。リフトに乗り込む前、松井は、出迎えた仲間に向かって右手で拳を作って見せている。やはり1st発進だった5年前、松井はまさかのシリーズ回りを喫している。また3年前も1st発進で、こちらは2着3着で勝ち上がり。このシステムの悲喜をどちらも味わった王者は、その2着の意味をがっつりと知っていたということだ。ちなみに1stから2ndに進んだ3年前は、ファイナル行きを逃している。それをふまえて、今回の2ndをどう戦っていくのかは見ものである。

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      12Rでは、ピットに一瞬、緊張が走った。2周1マーク、先マイを仕掛けた岡崎恭裕に瓜生正義の舳先をめくるようなかたちになり、瓜生が転覆。岡崎もそれに乗り上げて転覆している。特に乗り上げられた瓜生が危険な転び方に見えたので、「瓜生さん、大丈夫……」という声も選手から聞こえてきている。やがて、「両選手、異常なし」のアナウンスが流れると、一気に空気が変わった。誰もが安堵し、息をつき、顔つきが柔らかくなっていた。

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      無事で何よりではあったが、瓜生も岡崎もこれで敗退が決定。岡崎は不良航法もとられている。レスキューからあがってきた二人は自力で控室に戻ったが、岡崎は思い切り顔を歪めてもいた。それは、1st敗退の痛恨か、それともどこか痛めたのか、判然とできない表情で、先輩を巻き込んでしまったことも含めて、多くの意味であまりにも痛い転覆だったのはたしかだ。

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      せっかく引き当てた1号艇を活かせなかった前本泰和のレース後は、大きな脱力感が伝わってくるものだった。表情に内心を強くあらわさないのはいつものことでも、やはりチャンスが水泡に帰す結果となってしまったことに、悔恨を感じていたに違いない。前本は前回も1st敗退。2度つづけてのシリーズ回りとなってしまった。来年こそ、リベンジを果たしたい。

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      井口佳典もまた、脱力感を発散させた一人だ。呆然、とも見えた。グランプリ出場は、このクラスの選手の当たり前の目標。それを果たしつつ、しかし途中で離脱しなければならないのは、屈辱だし、信じがたい事態であるのは間違いない。前本や井口の様子は、まさにそれを表現しているのだし、またグランプリという舞台の、とりわけトライアル1stの過酷さ、苛烈さの象徴でもある。

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      前回の平和島大会の覇者、茅原悠紀も今回はシリーズに合流することになった。前回も1