複数のボートレーサーが新型コロナウイルス対策の国の持続化給付金を不正に受給していた疑いがあることが27日、分かった。国土交通省からの求めもあり、現在、日本モーターボート選手会が調査している。
ボートレース関係者によると、不正受給していたとみられるレーサーらは、フライングなどによる出場停止期間の収入減を、新型コロナウイルスの影響と偽って申請していた疑いがある。
日本モーターボート競走会は本紙の取材に対して「現在、日本モーターボート選手会が調査中です…」と答えるにとどまった。
新型コロナウイルスの影響を受けた個人事業主に最大100万円を支給する国の持続化給付金を、複数のボートレーサーが不正受給していた疑いがあることが27日、関係者への取材で分かった。フライングなどの違反による出場停止期間の収入減を、コロナの影響と偽って申請した可能性がある。
◆昨年7月には疑惑を把握、競馬界の不祥事で調査開始
日本モーターボート選手会は遅くとも昨年7月には疑惑を把握。詐欺罪に当たる可能性があるとレーサーに警告したが調査はしていなかった。しかし今月、競馬界で騎手ら約160人の不適切受給が判明。これを受け競技を所管する国土交通省から対応を求められ、ようやく調査を始めた。競技運営を担う日本モーターボート競走会などによると、レーサーは約1600人いる。収入は日当や各種手当、賞金があり平均年収は約1600万円。個人事業主で確定申告している。
フライングなどの違反をすると一定期間レースに出場できなくなる。関係者によると、この期間の減収を悪用し、コロナの影響で収入が減ったとして申請した疑いがある。