ボートレース平和島のGⅠ「開設66周年記念 トーキョー・ベイ・カップ」は10日最終日、第12Rで優勝戦が行われる。
5日目の準優3番勝負は10Rでインの徳増秀樹(静岡=45)が山口剛(広島=38)の「ツケマイ」に沈められ、敗れる波乱もあったが、11Rは篠崎仁志(福岡=32)、12Rでは白井英治(山口=43)がしっかり逃げ切って快勝。その結果、予選トップ通過だった白井が優勝戦の1号艇を獲得。自身2回目となる当地GⅠ制覇に王手をかけた。
その優勝戦のメンバーは次の通り。
1・白井 英治(山口=43)
2・篠崎 仁志(福岡=32)
3・山口 剛(広島=38)
4・瓜生 正義(福岡=44)
5・永田 秀二(東京=34)
6・宮之原輝紀(東京=22)
今節4日目の8日に、白井が「愛している」と公言する師匠だった今村豊さんが現役を引退。その〝メモリアル〟なシリーズで、愛弟子が7戦5勝2着2回と大暴れ。V戦ポールポジションを勝ち取った。白井の激走は〝師匠・引退の節目のGIだから…。何とししても勝ちたい〟という思いが原動力だったはず。
くしくも舞台は、今村さんが「39年のレーサー人生で一番、印象に残っているレース」として挙げ、初めてSGダービーを制した(第34回=1987年10月13日)平和島水面。なにやら運命めいたものを感じる。
〝決戦〟に向けてエンジンの仕上がりは上々。白井は「足は自信を持って(優勝戦に)臨める仕上がりです。一番いいのは行き足からのつながり。全力を尽くして走るだけ…」と話す。本番を前に今村さんへの思いは封印したが、Vへの思いはますます大きく、強くしているに違いない。
熱い戦いが繰り広げられてきたボートレース平和島「G1開設66周年記念トーキョー・ベイ・カップ」は10日、いよいよ最終日を迎える。準優勝戦を突破し、ベスト6入りを果たしたのは以下のメンバー。
<平和島 最終日 12R 優勝戦>
1枠 白井 英治(山口支部)
2枠 篠崎 仁志(福岡支部)
3枠 山口 剛(広島支部)
4枠 瓜生 正義(福岡支部)
5枠 永田 秀二(東京支部)
6枠 宮之原輝紀(東京支部)絶好枠を手にしたのは、予選をトップ通過していた白井英治【写真上】。5日間走ってオール2連対と抜群の安定感を誇り、仕上がり面にも不足なし。優勝に一番近い存在であるのは間違いない。平和島が記念初制覇(2003年周年)の地でもある白井は、一時は『平和島最強』と呼ばれたほど当地での実績を挙げてきた。しかし、6年前のSGグランプリ優勝戦、2年前のG1周年記念では、ともに優勝戦1枠を手にしながら敗れており、近年はあと一歩のところでつまずいてしまった。「今年はグランプリを取る」と意気込む白井にとって、年末の舞台となるここ平和島で、いい流れをつかみたい。現在の賞金ランクは6位で、賞金加算へ気合も十分。ファイナルはインからの圧勝を狙う。
篠崎仁志も、危なげない走りで優出に成功。節一パワーと言っても過言ではないほど足は仕上がっている。9日現在の賞金ランクは3位。篠崎も「ひとつでも上」と賞金加算で、グランプリ2ndステージ初戦の枠を意識。白井のミスを誘うような快スタートが決まれば、優勝賞金1000万円獲得のチャンスが広がる。
山口剛は、準優で見事な2コースツケマイを決めて1着。出足、ターン回りはいいところまできている。9月の常滑G2優勝戦では、3カドに引いて見せ場を作っていた(結果3着)だけに、ここも奇襲策には警戒したい。
瓜生正義は、相変わらず直線系の仕上がりがいい。最終日もダッシュ有利なホーム向かい風予報。順当に4カドとなるなら、足の特性を生かした一発が不気味だ。
そして外枠には永田秀二、宮之原輝紀と地元勢がスタンバイ。永田は「乗り心地には不安がなかった」と話し、宮之原も「レース足が良くなっていて、思ったところに行ける」と操縦性にはOKサイン。SG覇者4人が相手で、さすがに自力でどうにかするのは難しそうだが、展開を突ける状態にはなっている。何とか地元の意地を示してほしい。