今年のグランプリは6年ぶりに東京の平和島で開催される。その平和島で5日から開設66周年記念G1・トーキョー・ベイ・カップが開催され、瓜生正義(福岡)の優勝で幕を閉じた。
このG1開催で、特にパワーの目立つエンジンが6機ほど存在していた。
まずは瓜生を優勝に導いた25号機だ。行き足、伸びを中心にトップ級で、優勝戦をまくって制したように、最後はターン回りもパワフルだった。間違いなく上位のエンジンとして仕上がっただろう。ただし、この25号機は2連対率が低い。G1優勝エンジンではあるが、グランプリには出場しない可能性が高い。
優出エンジンでは白井英治(山口)の68号機。初日から行き足が抜群だった。優勝戦こそインから3着に敗れたが、全部の足が仕上がっていた。
続いて篠崎仁志(福岡)の14号機。こちらもバランス型で、全部の足が上位。課題が見当たらない印象だった。
準優で敗れたが、権藤俊光(大阪)が使用した22号機も好気配だった。平和島の現行エンジンはゾロ目の機番に好素性が多かったが、このG1開催では22号機が目立っていた。
伸び型に特化すると意外に伸びないが、出足、行き足中心に仕上げると、その延長で伸びも強力になる。これは平和島で噴くエンジンの特徴であり、この22号機にもそれが当てはまっているように思う。
毒島誠(群馬)の34号機も強力だった。初おろしから安定して出ていたエンジンだが、今回も動きは良かった。毒島が3日目にFを切ったことで成績は伸びなかったが、パワーは健在だった。
そして、何と言っても秦英悟(大阪)が引き当てた56号機。行き足、伸びに加えて、後続を突き放すターン回りも強烈。さすが、開幕前はV候補筆頭と呼ばれたエンジンだけある。今回のG1ではピット離れの悪さこそ目に付いたが、平和島のエース機と呼んで間違いないだろう。
瓜生の25号機を除いて、これら“前哨戦”のG1で目立ったエンジンが、1億円バトルの勝敗を大きく左右するだろうと思う。グランプリ開幕の12月15日が待ち遠しい。
次は周回展示。ここでターンの確認が出来る。それぞれの比較は難しいにしろ、スピードを殺さずターンが出来ているか、ハンドルを切ってしっかりとボートが向いているか、向いてからの加速がスムーズかの3点を見れば、1マークで誰がどう攻めるかという判断材料となる。
展示内容が良いのに人気薄な選手がいれば、万穴券獲得のチャンスと言えよう。
さらに「オリジナル展示タイム」でより予想を強固なものにしたい。1周タイム・まわり足タイム・直線タイムと3つに分類されるが、1周タイムとまわり足タイムにおいては上位であればあるほど、舟券に絡み、特に1着が多いことが上記の過去レースの集計結果で分かる。展示航走を見ただけでは判断出来ないときでも、オリジナル展示タイムを見ればどの選手が良かったのかが分かり、その選手を中心に舟券を購入すれば集計データ通りに的中率も上がってくるはずだ。長年ボートレースを見てきたファンで、予想が難しいレースがあっても、このタイムを参考にすれば自ずと軸が見えてきたり、思わぬ高配当が的中したりするのも1つの魅力である。