いざ勝負駆け!
グランプリ(GP)、クイーンズクライマックス(QC)出場を懸けた今年の賞金レースもいよいよ大詰め。ドリームを走る峰竜太、篠崎仁志、寺田祥をはじめ、9人がSGに出場。G2には福岡勢から4人が出場する。
ピリついた空気の中、西山貴浩がいつも通りのリラックスムードで「僕が1番何も考えていない」と笑い飛ばす。念願のG1初Vで大きく賞金を上積みし、賞金ランク16位で蒲郡入り。「18人に入れなくても、GPシリーズのドリームに乗れますからね~」。さっそく西山節も飛び出した。
今年の躍進を支えたのは伸び型の調整。「1年間やってきたんだから、これでダメなら仕方がない。いつもは下がる前検で下がらなかったんだから十分でしょう」と調整のメドはついている。
リラックスしているとはいえ、「僕がGPに出ることを楽しみにしてくれている人もいますからね」と本音も。誰よりもファンを愛する男が、SGタイトルを獲得してGP出場の青写真を描く。
ドリームを走る郷土勢は軒並み好気配。寺田祥がSランクの47号機を獲得し、アドバンテージを得た。1枠の峰竜太は「1位にいることに慣れてきた。1位じゃないと満足できない」と豪語。上り調子の63号機にも手応えを感じ取っている。篠崎仁志も「まずまず」と伸びに一定の評価。シリーズの中核として、V戦線をリードする。
G2では、大会初出場の深川麻奈美が「どうなるかと…」と不安はあったが、「足合わせで遠藤さんにひどくやられたけど、特訓の感じならレースはできる」と及第点を与えた。「これまでの成果がここにつながっている。年末を考えるよりも今に集中したい」。全身全霊でチャレンジする。
ボートレース蒲郡のSG「第23回チャレンジカップ」並びにGⅡ「第7回レディースチャレンジカップ」が24日に開幕する。
今シリーズは地元のスター・池田浩二(愛知=42)に注目したい。現在、賞金ランクはGPボーダー直下の19位。SG9V、グランプリ2Vを誇る愛知のエースが大一番グランプリへの〝勝負駆け〟に挑む――。
手にした20号機は2連対率40%の近況上昇機ではあるが、前操者の下出卓矢(福井=34)が伸び仕様を好み、プロペラの形が独特ということもあって、特訓内容には不満な口ぶりだった。
「今のままではアウトだね。自分では乗りこなせないし、ペラを叩き直すのに3日ぐらいかかりそう。これでは足もよくわからないし、SGで今のままでは戦えないでしょう」と自嘲気味に語っていた。
ただ、当地での大舞台では前検気配が平凡以下で、泣きを入れていた時でも、しっかりと立て直して優出までこぎつけることが多かっただけに「アウト」の一言も真に受けるわけにはいかない。
特殊な形状のプロペラを〝再生〟するのに時間は要するかもしれないが、エンジン本体のパワーはあるだけに、持ち前の調整力の引き出しを駆使すれば、十分に戦えるレベルに底上げできるはずだ。
ちなみに、蒲郡のSG戦では1992年のクラシックで鈴木幸夫(愛知=63)が優勝して以来、地元愛知支部からウイナーを輩出できていないだけに〝今回こそ〟の期待は高まるばかりだ。
今大会、愛知支部からは5人が参戦。選考リミットぎりぎりで後輩・杉山正樹(愛知=41)が勝負駆けを決めて、出場を決めるなど、流れは「愛知勢」に向いているといえなくもない。「自分ではなくても(愛知の)誰かが取ればいい」。言葉こそ素っ気ないが、ニヤリと笑う姿は、不敵にも映る。
これまでの獲得賞金は6110万円でベスト18に残るには優出がノルマだ。「まあ、それはあまり関係ない。やるか、やらないか。それだけですよ」と静かな闘志を内に秘め、晩秋の最終決戦に臨む。
ボートレース蒲郡のSG「第23回チャレンジカップ」(優勝賞金3300万円)とGⅡ「第7回レディースチャレンジカップ」(同450万円)が24日に開幕する。
暮れの大一番、平和島SG「グランプリ」と浜名湖プレミアムGⅠ「クイーンズクライマックス」への出場権をかけたラストバトルとなるだけに、一戦一戦がいつにも増して中身の濃いレースとなるはずだ。開幕前日の23日にはエンジン抽選とスタート特訓などが行われた。
ドリーム戦1号艇で登場、年間13Vの峰竜太(佐賀=35)は「蒲郡は自分を強くしてくれたレース場だし、もうひとつ上の男になって帰りたい。もうこの位置には慣れましたからね(笑い)」と、不動の賞金トップの座にも、当然と言わんばかりの表情だ。舟足にも好感触をつかんでいた。
ドリーム戦メンバーの中では寺田祥(山口=42)の47号機が一番の好素性機で、特訓の動きも上々だった。他では篠崎仁志(福岡=32)の行き足の良さも評判になっており、特訓後には「本体素性を考えれば良さそう」と語っていた。
本紙のエンジン番付で横綱評価とした74号機の村田修次(東京=47)と62号機の杉山正樹(愛知=41)の表情は対照的だった。村田が「乗りやすくて、前に行く感じが素晴らしい」と絶賛したのに対し、杉山は「期待してたほどではなかった」と拍子抜けの様子だった。
その他の予選組では柳沢一(愛知=39)、岡崎恭裕(福岡=33)、平本真之(愛知=36)らが好気配。グランプリ出場権獲得へ虎視眈々としている。
蒲郡Wチャレカの前検が終わりました! 馬鹿に良く見えたのは、ちょっぴり意外なこのふたりでしたね。私なりの評価順に列挙しておきます。
S級(抜群候補)
桐生順平=13号機
前節、渡邉雄朗が超伸び型にシフトした13号機。ところが、西山貴浩との足合わせで内から小回り→出口で突き放した押し足に驚かされた。「あれ、なんで?」みたいな。カッチリ出足型にシフトする時間はなかったはずだし、その後のスタート練習の3本目ではアウトからスーーッと伸びてもいたし、私の見立てに狂いがなければ全部の足が強めだったはず。何にしても、SGの前検でここまで軽快な順平を見たのは何節ぶりだろう。「抽選運が悪くて苦戦~モーター出しも追っつかずに予選落ち」という負の連鎖から抜け出すときが来たか。それは、大逆転のSP参入にも直結するはずだ。初日から要注意。
村田修次=74号機
試運転では毒島誠と内外2本合わせてやや強め。スタート練習もスロー3コースはやや強め程度だったが、4カドから行った2本目が出色! やや遅れめの起こしからジリジリ伸び返し、スリット前後から弾けるように出て行った。メモには「スリット出て行く かなりの余裕」。マスターズを勝った頃より最近の方がペラが当たっている感のあるムラッシュだけに、この抜群機とのマッチングは怖い。舟券の盲点になりそうな外枠が狙い目だ。
A級(上位候補)
寺田 祥=47号機
桐生13号機さながら、市橋卓士との足合わせで内から小回りスーーッと押していく軽快さ。直線向きの印象が強いモーターだけに「けっこう手前から?」と書き込んでしまった。ドリーム班のスタート練習では、5コースから「スリットやや余裕」、6コースから「ちょい伸び」でパンチ力こそ感じないものの上出来のスリット足。得意のセンター一撃にはもう一丁の押しが欲しいが、不足分はGP2nd勝負駆けの気合いで補うかも。
杉山正樹=62号機
寺田47号と並んで三島がSSに抜擢した62号機。このモーターは全部の足がゴキゲンのバランス型で、だからスタート特訓ではさほど目立たない。1、2本目ともにやや凹んだ起こしからじんわり伸び返す見え方でしかなかったが、スロー4コースからの3本目はスリット同体からスーーッと力強く覗いてみせた。「やはり余裕あり!」のメモが正しければ、1~3着を量産して下克上のサヨナラ満塁ホームランへと夢が膨らむだろう。外枠からヒモ穴に狙いたいムードではあったが。
上平真二=52号機
これも三島リストのAランクではあるが、モーター素性的には例の「良く見えてしまったものは仕方ない」にいちばん近い存在かも。丸野一樹との足合わせではターン出口から力強く突き放し、スタート練習ではダッシュでもスローでも内隣の艇を置き去りにする勢いを感じさせた。ただ、その隣の艇がどれも守田俊介(まったく目立たない24号機を引いてもうた><)だったので過信は禁物なのだが……。もしも俊介の方がBAD過ぎるなら、目下18位からのGP残留は至難の業と言うしかないだろう。
磯部 誠=16号機
戦前予想で私の◎選手×◎モーターがめでたく結ばれた磯部16号機。もちろん、もっとも期待していたのだが、ちょいと半信半疑の前検ではあった。特訓の3本ともスタートはキレッキレの07・07・08!! 実に頼もしいスリット写真だったが、他艇がオラオラと早めに起こしたためスリット足はまったく目立たず。まあ、それは目の錯覚レベルとして、4カドの3本目は外隣の前田将太にも同体からちょっぴり煽られた気が……現状、スタートへの期待感とスリット足への不安感がないまぜの前検ではありました。
他では、例によって湯川浩司と徳増秀樹のスリットを過ぎたあたりからの伸び足、松井繁と篠崎仁志のスリット付近の行き足、峰竜太のインから伸び返す出足~行き足が目を惹きました。
前検タイムです。
前検時計TOP10
①湯川浩司 6.65
②桐生順平 6.68
磯部 誠
④岡崎恭裕 6.69
峰 竜太
⑥徳増秀樹 6.72
⑦前本泰和 6.74
石渡鉄兵
原田幸哉
丸野一樹
もはや最近の湯川はここが定位置。行き足~伸びを重視する湯川スタイルは円熟の域に達して速い時計がガンガン出てますな。それは当然として、ガチンコ勝負駆けの桐生13号機&磯部16号機が2位に食い込んだのは朗報です。このふたり、きっとシリーズを引っ張るほど暴れてくれますよ!
前検ワースト5
①守田俊介 6.93
②吉川昭男 6.83
③寺田 祥 6.80
馬場貴也
上野真之介
湯川とは裏腹にコッチの常連が俊介なんですが、この時計はかなりヤバすぎる。しかも、上平にボコられたように前検の気配も最悪ムードだったし……はっきり言って、暫定18位の俊介はこのまんまの足だと圏外に押し出されると思います。早々にセット交換などの大手術に踏み切った方がいいぞ、俊キチ!