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      『第2回ボートレースバトルチャンピオントーナメント』三日目のニュース・コメントまとめ

      12R決勝戦
      ①寺田 祥(山口)
      ②田村隆信(徳島)
      ③吉川元浩(兵庫)
      ④原田幸哉(長崎)
      ⑤毒島 誠(群馬)
      ⑥守屋美穂(岡山)

      10R
      ①田村隆信(徳島)06
      ②寺田 祥(山口)17
      ③森高一真(香川)11
      ④原田幸哉(長崎)01
      ⑤松井 繁(大阪)05
      ⑥羽野直也(福岡)08

      小波乱の布石は、森高のピット離れだったか。ドカッと遅れた森高はすぐに大回りで無事に3コースを奪還した。大方の想定通りの枠なり3対3。が、大回りで早めに舳先を向けた分だけスロー3艇の段差が小さく、スタート展示より横並びに近い隊形が生まれた。

      4カドの幸哉にソコソコ有利な隊形になったな。
      私のそんな思いは、もちろん幸哉本人もひしと感じたことだろう。チャンスと見た幸哉は、得意のスタート攻勢に出た。行きも行ったりコンマ01!! 危険なタッチスタートではあったが、入ってしまえば圧倒的なアドバンテージだ。

      このスリットからの幸哉の攻めが、今節の、そして準決勝の特殊性を感じさせた。スタート攻勢をかけた幸哉は絞めまくる戦法が多いのだが、じわり直進しながらスロー勢をやんわり威圧した。このレースは1着でも3着でも、決勝戦の枠番はあみだ抽選に委ねられる。いつもの絞めまくりでは、誰かに弾き飛ばされる危険がある。
      じわりじわり、幸哉は石橋を叩くような慎重な航跡で凹んでいる森高と寺田を飛び越え、インの田村に先マイの猶予を与えてから冷静沈着なまくり差しのハンドルを突き刺した。結果として1着をもぎ取ったが、本当にいつもの幸哉とは別人のようなふんわりとした攻撃だった。将棋に例えるなら、「無理に敵の王将を詰ませには行かず、勝利(今日の場合は3着以内)を確定づける必至をかけた」という感じか。通常とは異質な選手心理が働くシリーズ。それがBBCトーナメントの難解な部分であり、また展開を読む醍醐味とも言えるだろう。

      2番手は先マイの余裕を得たインの田村がガッチリとキープ。これで決勝戦のチケットが2枚捌かれ、残る1枚=3着争いはバックで4艇が横一線に広がる大混戦に。もっとも有利な立場となったのは6コースから最内を差した羽野で、2マークを先取りして抜け出すか、という勢いではあった。

      が、その2マークを回った瞬間に痛恨のキャビテーション。尻もちをつくように減速している間に、外から外へと全速でぶん回した寺田祥があっという間に3番手を取りきった。展開に恵まれたとはいえ、かなり不利な隊形から力強く飛び出したパワーは松井や森高のそれを大きく上回っているように見えた。
      1着でも3着でも、生き残ってしまえばあとは神頼み。
      この2マークの好旋回で生き残った寺ショーは、1時間後に素晴らしいプレゼントを頂戴することになる。

      シンデレラの進軍

      11R
      ①毒島 誠(群馬)01
      ②吉川元浩(兵庫)01
      ③池田浩二(愛知)+01
      ④峰 竜太(佐賀)07
      ⑤新田雄史(三重)06
      ⑥守屋美穂(岡山)08

      凄まじいスリット電撃戦。10Rは幸哉だけがキワまで攻めたが、こちらのレースはスロー3艇が生死の境まで舳先をぶち込んだ。そして、池田がその分水嶺を超える勇み足……。あるいは、来年のクラシック勝負駆けの気合が池田の背中をツンと押してしまったか。

      毒島がここまで踏み込んだ理由は想像できる。8R後のスタート特訓でも、直前のスタート展示でも、吉川38号機のスリット足はエゲツないほど出ていた。軽く半艇身は覗く勢い。あの勢いのまま攻め込まれたら、3月・平和島クラシック準優(吉川の伸びなりジカまくり)の二の舞に。そんな危機感を抱いた毒島がスタート勝負に出た可能性は高い。吉川と池田もその早い起こしに呼吸を合わせ、灼熱のスリット合戦に発展したのだろう。一言で表現するなら「負けず嫌い」であり、だからこそこの男たちはトップレーサーであり続けるのだ。

      スリット後、吉川の舳先は特訓ほどには出て行かなかったから、おそらくアジャストした可能性が高い。舳先をぴったり揃えたまま1マークに辿り着き、インの毒島がしっかりと1マークを先取りしてすぐに1着が約束された。もはや言う必要もないが、今日の毒島も強かった。

      差しが届かなかったものの、2番手も小回りで差した吉川がすんなり取りきった。そしてそして、最内からするする伸びて3番手に進出したのは、またしても6号艇の守屋美穂!!! 最大の難関である2マークも、最内から怯むことのないほぼ全速の握りマイでGP覇者たちを駆逐した。池田のフライングによる恵まれではない、完全に自力で勝ち獲った3着。男子の強豪が居並ぶプレミアムGIで、3日連続で6号艇6コースから3着を取りきった女子レーサーの快挙は、この大会の語り草になることだろう。

      1着でも3着でも、生き残ってしまえばあとは神頼み。
      そう、これで守屋があみだくじで決勝戦1号艇~優勝などということになれば、語り草どころか生きる伝説にもなりえたのだが、その結果は……?

      かくして、サバイバル戦を勝ち抜いた5人の猛者と紅一点の美女が一堂に会し、スーパーあみだマシンに明日の命運を委ねることになった。その模様はYOUTUBEなどでも配信されたので、ここでは結果のみを記しておく。

      12R決勝戦
      ①寺田 祥(山口)
      ②田村隆信(徳島)
      ③吉川元浩(兵庫)
      ④原田幸哉(長崎)
      ⑤毒島 誠(群馬)
      ⑥守屋美穂(岡山)

      なんとなんと、6コースから頑張って頑張って頑張って決勝戦まで辿り着いたミポリンに与えられた枠番は、またしても6号艇だった。嗚呼、先に描いたシンデレラストーリーの青写真は脆くも崩れたが、もちろん負けると決まったわけではない。逆に6コースから優勝などという逆転サヨナラ満塁ホームランをかっ飛ばしたら、語り草や生きる伝説さえも超えて、「ボートレース史上最大の番狂わせ」として未来永劫ファンに語り継がれることだろう。うん、先の『週刊BOATBoy』では3着付けの予想を挙げたが、こっそり136BOXの舟券も買っておくとしよう。

      1号艇は、10Rの2マークで起死回生の全速握りマイでゾンビの如く蘇った寺田祥。パワーも十分でまんま逃げきって不思議はないが、チャンピオン防衛&クラシック権利奪取に燃える田村、節イチパワーを誇る元浩、4カドアタックの前哨戦を済ませている幸哉、その攻撃に連動する強い強い毒島……かなり人気の盲点になるであろう守屋も含めて、今シリーズでは最初で最後の「1着条件」=完全ノックアウト方式の殴り合いに期待したい。

      ボートレース若松のプレミアムGⅠ「第2回ボートレースバトルチャンピオン(BBC)トーナメント」は5日、3日目が終了。10、11レースでは準決勝が行われ、最終日(6日)の12R決勝戦に進出するベスト6が決定。決勝戦は一番乗りで進出を決めた原田幸哉(長崎=45)に注目したい。

      3日目準決勝10Rはピット離れでやや飛び出し前づけも狙えたが、あえてスロー枠には動かず、スタート展示通りカドの4コースを選択。レースではコンマ01の極限スタートを決めてスリットで先制すると、鮮やかなまくり差しで1マークを突き抜ける圧勝だった。

      ピットに戻ると「スタートは01ですか。最後に少し落としたので質のいいスタートではなかったけど、行く気で行きました。落とした分、(まくり)差しに行ったんですけど、その差した足も良かったですね」と圧巻のレースを笑顔で振り返った。

      「足は完全に仕上がっていますね。他との比較ははっきりとは分からないけど、全部の足がいいですし、気になるところも何もないです。納得しています。スタートの勘も合っていると思います」と調整にも太鼓判を押した。

      超短期決戦を2、2、1着の上昇ムードで突破した。その秘訣を聞くと「いい時も悪い時もあるけど、すごく楽しめていますね。レースにも集中できています。まあ、勝ったから楽しめてると言えるんですけど」と明かした。

      準決勝11R後に行われたあみだマシンによる抽選の結果、決勝戦の枠番は4号艇に決定。「1枠なら勝つ自信があるって言える仕上がりですけどね」と話したが、準決勝と同じ青いカポックなら再現は十分、可能。再度のスタート一撃で、狙うは今大会初Vだ。

      ボートレース若松のプレミアムGⅠ「第2回ボートレースバトルチャンピオン(BBC)トーナメント」は5日、3日目を終了。最終日(6日)の12Rで行われる決勝戦のメンバーが出揃った。

      ともに激戦となった準決勝終了後、決勝進出6選手による枠番抽選が、今や大会名物となった〝あみだマシン〟によって行われた。真っ先に枠番がめくられた寺田祥(山口=42)がいきなり1号艇の大当たり! しかし、クールな寺田は表情を崩さない。準決勝を快勝した原田幸哉(長崎=45)、毒島誠(群馬=36)はそれぞれ、4号艇、5号艇となり、1回戦からトーナメント3戦連続6枠だった守屋美穂(岡山=31)は、決勝の枠番抽選でも6号艇となった。

      抽選の結果、決まった決勝戦の枠番は以下の通り。

      1号艇・寺田祥(山口=42)

      2号艇・田村隆信(徳島=42)

      3号艇・吉川元浩(兵庫=48)

      4号艇・原田幸哉(長崎=45)

      5号艇・毒島誠(群馬=36)

      6号艇・守屋美穂(岡山=31)

      1回戦から決勝戦までトーナメント4戦連続で6号艇となった守屋だが、決勝戦でも軽視は禁物だ。準決勝11Rは6コースから1マークのブイ際を差すと、池田浩二(愛知=42)がフライングで散った〝運〟も味方につけ3番手に浮上。そのまま道中の激戦を制して3着ゴールを決めた。

      「足はいいですよ。全体的にいいところが気に入っている。吉川選手と比較しても、そんなに変わらなかった。スタート勘はうーん、という感じ。作業はペラだけですね」とエンジンの仕上がりは良好で「こんなすごいメンバーの中で戦えるのが、うれしい。スタートしっかり行って勝負したい」と気合もパンパンだ。

      今年4回の優勝はすべて1号艇以外。中でも10月のとこなめヴィーナスSでは6コースからのまくり差しで決めており、一発があっても不思議ではない。

      ボートレース若松(福岡県・ナイター開催)のプレミアムG1「第2回ボートレースバトルチャンピオントーナメント(BBCT)」は3日目の5日、前日の準々決勝戦を3着以内で突破した12人により10Rと11Rで準決勝戦2個レースが行われた。

      10Rは4コースの原田幸哉がカドからコンマ01のスタート。イン田村隆信も伸び返して何とか先には回ったが、原田が冷静にまくり差しで突き抜けた。田村が残して2着。寺田祥は1周2マークの全速ターンで失速気味だった羽野直也を振り切り、3着を確保した。

      11Rは内3艇がエグいスリット! イン毒島誠と2コース吉川元浩はかろうじてコンマ01で残ったが、ほぼ同体に見えた3コースの池田浩二だけに無念のFコール…。レース自体は逃げた毒島を、差した吉川と握った池田が追う展開。毒島の1着は早々と確定したが、1周2マークで吉川と池田がターンマークを外してしまい、ここで守屋美穂が小回りターンから一気に浮上。吉川との接戦にまで持ち込んだ。最終的に吉川が守屋を競り落として2着。3着とはいえ、守屋は文句なしの勝ち上がりとなった。

      11R終了後、決勝戦進出の6人はすぐさま集合し、BBCトーナメント名物の「あみだマシーン」による枠番抽選【写真上】が行われ、決勝戦の顔ぶれと枠は次の通りとなった。

      <若松 最終日 12R 決勝戦>
      1枠 寺田  祥(山口支部)
      2枠 田村 隆信(徳島支部)
      3枠 吉川 元浩(兵庫支部)
      4枠 原田 幸哉(長崎支部)
      5枠 毒島  誠(群馬支部)
      6枠 守屋 美穂(岡山支部)

      守屋美穂以外の男子5人はいずれもSG戦覇者で、初代チャンピオンの田村隆信、直前のSG戦を制している毒島誠、今年のSG戦覇者でもある吉川元浩、寺田祥らとにかく超豪華メンバー。田村、吉川、毒島の3人は2年連続の決勝戦進出となった。

      優勝に最も近い1枠は寺田祥【写真上】がゲット。普段はクールな寺田が、これまで見せたこともないような笑顔を振りまいた。若松は2017年のボートレースメモリアルでSG戦初優勝を飾った好相性の水面。「最近の中ではいい方」とモーターにも好感触を得ており、しっかり人気に応えるのではないか。

      1回戦からずっと6枠で、3着3本で勝ち上がってきた守屋美穂【写真下】は、最後もまた6枠を引いてしまって苦笑いするしかなかったが、これだけの豪華メンバーを相手にして、女子でただ1人勝ち上がってきたことは称賛に値する。守屋自身も「こんなすごいメンバーと戦えることがうれしい」と、レースを楽しみにしている様子だった。

      なお、この6人のうち、来年3月のSG戦、福岡で開催されるボートレースクラシックの出場権を得ていないのは田村隆信と守屋美穂の2人だけ。田村は連覇と同時にクラシック出場権がかかる大事なレースになる。

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