◇深谷知博(32)静岡103期
賞金ランク5位・9427万7333円
10月にボートレース大村で開催された「ダービー」でSG初制覇。賞金を一気に加算してグランプリ初出場を果たした。
「初めてのことなので特にイメージはないけど、みんなグランプリを目標にやっているし、そこに出られる以上はボートレースのトリとなるレースがどんなものかしっかり感じたい」と初々しい抱負を語る。賞金上位6選手にはシード権が与えられ3日目のトライアル2ndからの参戦となる。「実際に走ってみてやっぱりトップ6に入ることがどれだけ大事なのかわかると思う」という。
2月には地元・ボートレース浜名湖の66周年記念を制覇。2014年の同地61周年以来5年ぶり2度目のGⅠ優勝を果たした。5月17日には夫人の鎌倉涼がボートレース尼崎で優勝。その夜にナイターで開催されたボートレース桐生では自身もVと夫婦同日優勝という〝運命的″な記録も達成した。流れ、リズムも味方につけてSG初V、グランプリ初出場と結果につなげた1年だった。
「これまでSGには出る機会があまりなかったし、出てもふがいないことが多かったけど、大村では自分のレースができてしっかり結果が出たことはうれしいですね。チャレンジカップにも出られたし、これでだんだんとSGの感覚もわかってきた」と最高峰の舞台で戦う手応えもつかみつつある。
「優勝することよりも一生懸命いいレースをすることが一番。それで結果がついてくれば最高ですね。今年1年の集大成だと思って締めくくれるようないいレースをしたい」
まずは全力で1億円バトルにぶつかっていく。
◇峰竜太(35)佐賀支部・95期
賞金ランク1位・1億4712万5000円
4年連続7回目
年間勝率8・71、優勝回数13、1着回数127、獲得賞金1億4712万5000円と主要部門でトップの戦績を残し「絶好調の一年でした」と誇らしげに胸を張る。
ただ、その一方で10月にまるがめGⅠ68周年記念を制した時点で13Vを達成し、野中和夫氏の持つ年間最多優勝の16回を抜く勢いだったが、秋口以降やや失速。「年間最多優勝と9点勝率を意識しながら走っていたのに達成できず悔しかった。同時にどちらも簡単じゃないなと思い知らされた」と唇をかんだ。
「もう1位にいることが当たり前になってきたので、そこは特に何とも思わないですね。誰もやったことがないぐらいの数字を残してもっと上を目指していきたい」という高い理想を掲げているだけに〝誰もやったこのないぐらいの数字〟となる年間最多V、9点勝率は何としてもクリアしたい目標だったのだろう。
ただ、こだわっているのは数字そのものではない。グランプリの歴代最多優勝記録は3回だが、この数字に関しても「グランプリを何回も勝てるかもしれないし、もう勝てないかもしれない」という。そして、その真意について「記録ではなく今までにないナンバーワンになりたい」と続ける。
2018年にグランプリを初めて制すると「誰もが認める最強レーサーになりたい。レーサー、ファンみんなに〝一番強いのは峰〟って言ってもらえるようなレーサーになりたいんです」と力強く宣言。そして、その後も「成長しよう、進化しようという気持ちはずっとなくならないと思う。なくしちゃダメだと思う。なくした時点で成長が終わってしまう。僕は常に今よりもうまくなりたい、強くなりたいと思ってやってきたし、その気持ちは変わらない」と言い続けてきた。最終目標はあくまでも〝ナンバーワン〟〝最強〟。数字はその目安であり通過点に過ぎないのだ。
グランプリは4年連続で賞金上位6位以内に入りトライアル2ndから登場。戦い方は熟知している。「みんな同じだと思うけど狙うのは優勝だけ。ただ、グランプリは運が占める部分が大きいレース、というよりほぼ運だと思う。肝心なのは流れをつくれるかどうかですね」とキッパリ言い切る。グランプリ初戴冠となった18年は2回、黄玉(5号艇)を引く不運に見舞われた。それでも最初の5号艇で外を回って5着大敗すると、その次の5号艇は好角度のまくり差しで制し、自ら流れを手繰り寄せた。
やはり現状では〝峰竜太〟がV最有力候補であることは間違いないだろう。グランプリ2度目の優勝を果たして最強レーサーへの道を突き進む。