◇毒島誠(36)群馬支部92期
賞金ランク2位・1億3160万9000円
4年連続7回目
一昨年、昨年と2年連続で賞金ランク1位で出場。昨年は初戦、2戦目を連勝と絶好のスタート。優勝戦1号艇も目前だったが、3戦目でまさかの6着大敗。グランプリの栄冠もスルリと逃げた。「とにかくグランプリで優勝したい。それだけですね」と賞金王への思いも募るばかりだ。
今年は賞金ランク2位で参戦。「1位ではないので、すごく気持ちとしては楽ですよ。あとで気づくと重圧があったのかなとは思う。でも、1位でいけない悔しさもある。それが今の自分の実力なんだろうなとは思います。例年よりも何かが違う感じですね」と心境を明かす。
今年1年も順風満帆ではなかった。「今まで得意だった夏場がすこぶる悪かった。かなり悪くてプロペラも修整が追いつかなかった」と振り返る。ターニングポイントは9月。「徳山のGⅠで同期の竹田(辰也)と、いろんな話をすることで気づくこともあった。それでリカバリーできましたね。成績が悪い中でもふてくされず前を向いてチャレンジできていた。すごく成長した年だったと思います」と、また強くなったことを実感している。
新型コロナウイルス感染拡大防止のために活動する「One Team Racers」に参加するなどボートレース以外のことにも積極的に取り組んでいる。「何かをするということに対して必ず責任感が出てくる。それで本業が悪くなってしまったらファンにも迷惑かける。そういう活動も仕事も両方気持ちを強く持ってできたのかな」と納得の表情を浮かべる。
心身ともに充実一途。念願のグランプリ制覇へ、機は熟した。
ボート界の一年を締めくくる大一番・SG「第35回グランプリ」とSG「グランプリシリーズ」が15日、ボートレース平和島で幕を開ける。
初日は11、12Rで賞金ランク7~18位が出場する「トライアル1st」が行われる。トップ6が合流する17日からのトライアル2nd進出に向け、進入争いから激しいバトルが展開されるはずだ。
11Rに出場する選手の中で、注目したいのは白井英治(山口=44)だ。
今年のボート界最大のニュースともいえるのはレジェンド・今村豊さんの引退。あまたのタイトルを獲得してきた今村さんが唯一、かなえられなかったのが、このグランプリ制覇だった。「『悔いのないように走ってこい』と今村さんに言われてきました」と、愛弟子として師匠に託されたバトンをしっかり受け継いで平和島に乗り込んできた。
今村さんのためだけではなく、白井自身も平和島には思い入れがある。通算5Vと好実績を残す半面、今村さんが引退会見を行った際に開催されていた当地GI66周年記念では優勝戦1号艇を得ながら、3着と敗れており「勝負弱いので、優勝戦1号艇に乗りたい。メンタルを鍛えたい」と克服しておきたい舞台だからだ。
ヘアスタイルにも気合が表れている。ド派手な金髪に染め「グランプリの時は金にするようにしています。金の方が運気が上がる気がするしね。〝神頼み〟ですよ」と毎年のことというが、例年より短髪の仕上がりなのは、今年にかける気持ちがそれだけ強いからだろう。
ちなみに〝神頼み〟の効果は早くも表れたようで手にした52号機は、トライアル1st組では2連対率9番目と、下から数えた方が早いエンジンながら、実は出足がいい〝隠れ〟好素性機の一つ。「伸びの雰囲気が良かったし、起こしも大丈夫。出足がいいエンジンなら余計に楽しみ」と上々の感触を得た。
レーサー人生の集大成として位置づけ、最終決戦に臨む!