奇跡を起こせ!一番星
2020/11/24~11/29にボートレース蒲郡で第23回SGチャレンジカップが開催されます。
情報をどんどんアップしていきますので、皆様予想などの参考にして下さい。
最終日・ニュース・ハイライト
11R女子チャレカ優勝戦
①守屋美穂(岡山) 19
②小野生奈(福岡) 12
③寺田千恵(岡山) 18
④長嶋万記(静岡) 20
⑤平高奈菜(香川) 22
⑥深川麻奈美(福岡)24
寺田、長嶋、深川……年末クイーンズクライマックス勝負駆けの下位3戦士が1マークから抜け出し、W優勝戦の第一弾は383倍の大波乱となった。とは言え、この下克上を演出したのは賞金ランク3位の小野生奈だった。他の5艇より半艇身ほど突出したスタートから伸びなりのジカまくり! この福岡の元気娘がここ一番で見せる必殺技だ。
だが、まくられたら大敗必至のイン守屋が、ギリギリ伸び返しつつ舳先ひとつで応戦。それでも握り倒そうとする生奈ともつれ合ったまま、2艇はずんずん真横へと流れ去った。女子賞金2位vs3位の大競り、蒲郡心中。
ごっつあんっ!!
そんな叫び声が聞こえそうな勢いで、3コースの寺田が誰もいない内水面を差し抜けていく。とりあえず2着条件のテラッチとしては、この瞬間にクイクラ当確がほぼ確定したと言っていい。さらに4カドから長嶋が、アウト6コースから深川がズボズボの差しハンドルを注入。この両者、たとえば先頭が賞金上位の守屋や小野なら2着でもクイクラ入りのチャンスがあるのだが、前にいるのは「目の上のたんこぶ」寺田だから1着が絶対条件だ。
特に、今年のクイクラは浜名湖だからして、長嶋が燃えないはずはない。寺田を追って追って、外から強ツケマイを連発! これぞ勝負駆け、の鬼気迫るモンキーターンに何度か寺田の艇がよろけそうになった。単にクイクラ勝負駆けだけで言うなら、寺田は逆転の2着になっても当選となる。が、その場合に長嶋と入れ替わりで落選するのは、同支部の可愛い後輩・田口節子だ。
もちろん、長嶋と死闘を演じているテラッチにそんな皮算用が浮かぶ余裕はないはずで、「この展開で絶対に負けられない、負けたくない」という気持ちのこもったターンで長嶋の猛攻を防ぎ続けた。万記は本当に惜しい惜しい2着だったが、「ボートレースは選手の気持ちが120%投影される格闘技」という特長を余すところなく魅せてくれた。今日のところは「お疲れさま」の労いの言葉を贈りたい。
それにしてもの寺田千恵。今年は女子戦線を含めてあまり目立たないまま賞金ランク14位で蒲郡へ。さすがに今年は8年連続で参戦していたクイクラの皆勤賞が途切れるかも、などと思っていたものだが、最後の最後に「王国の女帝」の底力を見せつけた。14位から一撃6位の下克上ランクアップで、ただひとり9年連続でクイクラへ。参戦してしまえば、言うまでもなく主演を張れるベテラン女優のお通りだ。
★女子賞金ランク
1守屋美穂(岡山)
2平山智加(香川)
3小野生奈(福岡)
4平高奈菜(香川)
5大山千広(福岡)
6寺田千恵(岡山)
7松本晶恵(群馬)
8細川裕子(愛知)
9香川素子(滋賀)
10岩崎芳美(徳島)
11遠藤エミ(滋賀)
12田口節子(岡山)
12R優勝戦
①毒島 誠(群馬)11
②久田敏之(群馬)11
③篠崎仁志(福岡)10
④稲田浩二(兵庫)10
⑤岡崎恭裕(福岡)07
⑥平本真之(愛知)09
ここ3年ほど何度も何度も書いてきたが、ブス君、強い、強すぎる! 今日もスリット横一戦から同県の怖い怖い久田がややスリットから覗いても、まったく慌てることなく唯我独尊の高速インモンキーで久田らを寄せつけずに逃げきった。旋回そのものはややターンマークを外した握りマイではあったが、「万が一にも久田さんに差されることはあっても、絶対に外からはまくらせない」という潜在意識の表れだったかも?
強めの握りマイで1マークを先取りしたらば、そこからの押し足に1ミリの陰りもなし。久田の2コース差しもパワー満点に見えたが、それをも上回るレース足で一気に2艇身ほど突き放していた。前検ではひ弱に見えた71号機が、6日後にはこんな立派な足色でシリーズの頂点へ。昨日も書いたが、今節の毒島は(も)相棒のポテンシャルを最大限に引き出した。モーターと対話しながらどんどんその気にさせる手練手管は、どんなナンバーワンホストにも負けないだろう(笑)。
この優勝で暫定2位だった吉川元浩をまくりきって2位=GPトライアル2ndの1号艇をGET。今年はちょっと手間取ったくらいな気もするのだが、1位・峰竜太とともにキッチリと“定位置”に返り咲いた。ミネブス時代かブスミネ時代か、ファンによって後先は変われど、このふたりの勢いはしばらく留まることを知らないだろう。そして、ダービー準V→チャレカVという勢いのある航跡は、去年の石野貴之にも一致する。その石野のGPでの結果は、もちろん言うまでもないだろう。
うん、ブス君のSG優勝に関してはあれこれ書き尽くした気がするし、今後もちょいちょい書くことになるから、このへんで勘弁させていただこう。チャレカ=GP勝負駆けというテーマに移るなら、もちろんMVPは2着の岡崎恭裕だ。
今日の岡崎は枠なり5コースからしっかりゼロ台まで踏み込み、自慢の伸び足で稲田を叩きながら大きな弧を描く放物線状のまくり差しを放った。ターン出口では毒島、久田の群馬勢に次ぐ3番手。毒島1着の場合はまさに3着でもGP滑り込みとなるのだが、2マークの岡崎は「3着なんかいらん」という気迫で攻めた。前を行く久田の内に鋭く舳先をねじ込み、さらに毒島の内フトコロまで掬ってしまおうか、という気合の猛攻ターン。
私の目にはかなりリスキーな強攻策にも見えたものだが、そこからの出足が素晴らしい。差しに構えた久田をシュッと突き放す押し足で、瞬く間に2番手を獲りきってしまった。間違いなく、相棒の64号機を信頼しきっているからこその先制攻撃。逆に自信がなければ、3着キープの守りに入る旋回からピンチを招いた可能性もあるだろう(岡崎が【ブス君1着なら3着OK】を知らなかった可能性もあるが、そのあたりの計算はしっかり念頭に置く軍師だと私は認識している)。攻撃は最大の防御、という定石を思わせる2マークの猛攻だった。
その後は危なげなく後続を振りきり、岡崎はGPには余裕たっぷりの2着でゴールを通過した。今節、GPボーダー圏外から下克上の18位を遂げたただひとりの戦士。斬られた相手が守田俊介というのは悲しい限りだが、6日間に渡って同じ土俵で勝負した結果の入れ替わり。俊介もどこかでレースを観戦しながら、潔く首を差し出したことだろう。16位までジャンプアップした岡崎には、平和島GP1stでも今日と同じ黄色いカポックから下克上の猛攻を見せてもらいたい。圏内でただひとり涙を呑んだ俊キチの分まで奮闘しないと、承知しませんぞ、岡ピー!!
★賞金ランク
1峰 竜太(佐賀)
2毒島 誠(群馬)
3吉川元浩(兵庫)
4篠崎仁志(福岡)
5深谷知博(静岡)
6寺田 祥(山口)
―以上GPトライアル2nd―
7菊地孝平(静岡)
8瓜生正義(福岡)
9白井英治(山口)
10徳増秀樹(静岡)
11平本真之(愛知)
12新田雄史(三重)
13茅原悠紀(岡山)
14松井 繁(大阪)
15井口佳典(三重)
16岡崎恭裕(福岡)
17西山貴浩(福岡)
18前本泰和(広島)
1億円を奪い合う今年のGPは以上のメンバーで決まった。つらつら眺めてみたらば、舞台が平和島だというのに関東から生き残ったのは毒島ただひとり。嗚呼、東京在住者としては実に寂しい眺めではあるな。東都のボートレースファンの多くは、やや途方に暮れながらも関東代表のブス君にアツい一票を投じることだろう。
グランプリ、クイーンズクライマックスの勝負駆けの様子を追っていこう。
●8R SG特別選抜B戦
勝負駆けは賞金ランク17位の前本泰和。1着ならGP自力当確とあって、6号艇ながら果敢に前付けに動く姿勢を見せている。ただ、誰も譲らずの枠なりオールスロー。前本の状況を知ってはいても、そこで緩めないのがトップレーサーなのだ。
結果、前本は6着。この後の結果待ちで勝負駆けを終えることとなった。レース後の前本は脱力感はあるものの、やれることはやったという爽快感もわずかに漂ってはいた。苦笑交じりの笑顔が浮かんでいる時間も長かった。同じレースを戦った上平真二にしても、山口剛にしても、声をかけにくそうにしているようにも見えたが……。
なお、前本は9R発売中には管理解除となり、広島支部の仲間とともに帰郷している。結果をどこで知ることになっただろうか……。
●9R GⅡ特別選抜戦
ここは、遠藤エミが完走でQC当確。勝負駆けとしてはまあ、ヒリヒリ感はほとんどない。そして完走して当確となったのだが……1号艇でまくられてしまっては、さすがに苦笑ばかりが浮かぶレース後であった。枠番的に、スッキリ勝って当確ランプを灯したかっただろう。遠藤を取り囲む仲間たちも、祝福というよりは敗戦を慰めているようにも見えた。まあ、何はともあれ、当確おめでとう。昨年のQCは優勝戦1号艇で敗退、その雪辱を果たせ!
●10R SG特別選抜A戦
原田幸哉と西山貴浩が勝負駆けだった。原田は1着勝負。レース前は相当に気合が入っている顔つきを見せていたが、思いむなしく4着敗戦。原田のGP行きは消えた。
陸に上がった瞬間から、苦笑が顔に張り付いていた原田。それ以外の表情を知っていないかのように、エンジンを吊る間もカポックを脱ぐ間も、表情は変わらないのであった。悔しがる素振りを見せていないことが、逆に胸に渦巻く複雑な思いをあらわしているようにも見えた。
西山貴浩は6着大敗。だというのに、西山も仲間も大盛り上がり(笑)。そう、8Rの前本の結果を受けて、西山は完走でGP当確だったのだ。というわけで、無事完走で当確。わーいわーい。篠崎元志とグータッチを交わしていたが、6着でグータッチって初めて見た(笑)。
あのニッシーニャがグランプリ! ということで、福岡支部は特に、嬉しそうに西山を祝福していた。それに応えるかのように、西山ははしゃぐ。奇妙な振り付けの踊りを見せたり、「もう酒は呑まん!」と吠えたり。ウソつけ。絶対に今夜も呑むでしょ。エンターテイナーぶり、爆発なのだ。
ただし、11R後に僕がおめでとうと声をかけると、ホッとしました、と言いつつ、ポツリとこうつぶやいた。「でも、今日の6等6等に落ち込んでるんです」。前半は1号艇6着だしね。取り繕ったのかもしれないけど、これもまた西山の本音。何はともあれ、初GPだ! 大暴れを見せろ!
●11R GⅡ優勝戦
徳増秀樹が肩を落としながら、ボートリフトの前に陣取った。長嶋万記を出迎えるためにやって来たわけだが、それはつらい出迎えともなっていた。
長嶋は2着。逆転条件は優勝だったから、準Vでは意味がない。地元浜名湖のQCの舞台、長嶋は立つことがかなわなかった。
ヘルメットをとった瞬間、絶望を感じているかのような、固まり切っている顔があらわれた。結局、静岡支部は皆無となったQC、地元女子エースとして責任も感じていたかもしれない。声をかけた徳増も、同じようにカタい表情となる。せつない瞬間であった。
それでも長嶋は前を向く。「やれることはすべてやった」と報道陣に笑顔で応えてもいた。暮れの浜名湖をいろいろな角度から盛り上げまくって、来年への心機一転としてほしい。
優勝は寺田千恵だ。展開に恵まれた面があったのはもちろん否めないが、ではあの展開で誰もが冷静にターンマーク際を差していけるかといえば、そうではない。修羅場を山ほどくぐってきたテラッチが、大きなチャンスを的確に掴んだということだ。
勝負駆け成功! これで、QC唯一の皆勤が死守されたことになる。そのことについて、「諦めていたわけではないが、あまり意識はしていなかった」と寺田はレース後に語った。それは達観であり、また哲学でもあろう。結果を出せば、付随してくるものがある。ただ結果を出すべく奮闘して、結果を出した。そして、9年連続QC出場を果たした。つまり、持てる実力をきっちり発揮したということである。ちなみに、テラッチは10年連続と勘違いしていたフシがある(笑)。それもまた、自然体で臨んだ証しと言えるかも。
で、寺田が優勝したことにより、11位で待機していた田口節子が12位に残ることになった(長嶋V、テラッチ準Vなら落選していた)。つまり、寺田はかわいい後輩をQCに連れていく役割も果たしたということだ。岡山支部は守屋美穂を含めて3人でティアラ獲りに臨むことになる。
勝負駆けとは関係ないが、その守屋美穂は、夏のレディースチャンピオンに続き、優勝戦1号艇で敗退してしまった。小野生奈にスリットでのぞかれ、まくりに抵抗しての大敗。これはさすがに悔しいばかりだろう。サバサバと振舞ってはいたが、本音はそうではなかったはずだ。ただ、これで守屋は平山智加を抜いて賞金ランク1位に立った。トライアル初戦1号艇という点では、1位も2位も変わりはないが、堂々たるトップ参戦に意味がないわけがない。QCでこそ、リベンジを果たしたい。
福岡勢、さらに原田幸哉が大きな拍手で出迎えていた。2着の岡崎恭裕だ。自力でグランプリの切符を掴むためには、まさに2着が必要だった。もちろん勝てていればいちばんよかったが、ともかく勝負駆け成功! というわけで、岡崎は仲間たちの拍手に力強いガッツポーズで応えている。
ピットに上がってからも、岡崎は実に上機嫌であった。揃ってGP行きを決めた西山と力強いグータッチ。原田には「これこそチャレンジってもんでしょう!」と胸を張った。言ってしまえば敗れた選手でありながら、ここまで高揚しているというのは、たしかにこれぞチャレンジカップではある。ともかく、見事な勝負駆けだった! GPでの戦いぶりが楽しみだ。
優勝条件だった久田敏之は、惜しかった! 2コースからの差しは、一瞬決まったようにも見えていたのだ。勝った毒島誠は、ピットに凱旋するや両手を水平に開いている。セーフ、ってやつだ。そう、久田に差されたかもという感覚を毒島も抱いていたわけだ。そして久田も「決まったと思ったけどなー」とエンジン吊りをヘルプした地元の大瀧明日香らに悔しがってみせた。久田にとって、今回はGP行きが現実感を伴った初めての機会だっただろう。差しが入ったように思えた点も含めて。この経験がきっと久田をさらに強くする。2021年は一皮むけた久田敏之が見られるかも。
同じく優勝条件の稲田浩二は、やはり準優が痛かった、ということになるだろうか。どんなときも飄々とした稲田で、レース後もそう見えなくはなかったが、体全体から伝わってくる空気がなんとも弱々しかった。もし1号艇で優勝戦を走っていたら……そんなタラレバになんの意味もないわけだが、それでもそんな想像をしてみたくなる。稲田自身はどうだろうか。
優勝は毒島誠! 先述の「セーフ」のポーズのとおり、危ない場面はたしかにあったが、快勝と言っていいだろう。今日もギリペラでレースに臨み、揺るぎなく走って、SG7度目の優勝を手にした。まさに堂々たる優勝! モーター返納を終えた久田や、松本晶恵に祝福されて、柔らかい笑顔が蒲郡のナイター光線でさらに輝いた。
で、地元の磯部誠も大祝福。毒島も嬉しそうに応えると、磯部は言った。「これでやっと僕の誠より強くなりましたね」。イソベ誠をブスジマ誠が今日、ついに超えた!……………って、おいっ! ブスジマのほうが下になっていた瞬間すらないよ(笑)。イソベ君、ブスジマを超える誠になれるよう頑張れ! というのはともかく、そんなジョークに毒島は爽快な笑顔で応えていた。その表情に漂う貫禄。風格。今日の勝利こそ順当と呼ぶのだろう。そんなことを毒島の笑顔を見て考えたのだった。
最終日のニュース・ハイライト
さあ、運命の一日。優勝で一発逆転を狙う久田敏之は、早くからペラ室にこもっていた。昨日も動き出しは早かったわけだが、今日も変わらぬ動きで優勝戦を見据える。
稲田浩二は、2R発売中にプロペラゲージが入っていると思われるケースを控室のほうへと運んでいった。今日調整に使うゲージは決定して、それ以外は荷造りに回すということだろうか。最終日、そうした選手はよく見られるものだ。
優勝戦3着でも可能性がありそうな岡崎恭裕は、序盤の時間帯はまだ動き出していない。エンジン吊りでは西山貴浩らと和やかに談笑しており、自然体で過ごしている様子が見えた。
女子の逆転組、寺田千恵と長嶋万記もプロペラ調整を早くに始めている。長嶋はエンジン吊りのときなど、徳増秀樹と話し込んでいることもあり、今日はさまざまな面で頼りにしたいところだろう。寺田は嬌声をあげながら大笑いしていたりして、リラックスムード。まあ、百戦錬磨のベテランが浮足立つようなことなどありえないわけである。
深川麻奈美はギアケース調整のため、2R発売中に外して整備室へ。ただ、ボートを整備室に運び込んでもいて、本体整備の可能性もあるか。
深川の前にボートを整備室に持ち込んでいたのは平高奈菜だ。整備士さんが何人か取り囲んでいる様子が遠目に見えており、本体整備をしていたものと思われる。部品交換など、直前情報を確認してほしいが、優勝戦に向けて一発勝負の整備をした可能性はおおいにある。すでにクイーンズクライマックス当確だが、優勝を目指すモチベーションには何ら影響は与えない。勝ちたいものは勝ちたいのだ。
当確組では、毒島誠が早くもペラ室と係留所を往復していた。優勝戦1号艇が序盤の時間帯から調整と試運転を繰り返しているのである。足色はかなり上向いていると思うのだが、しかし妥協はしない。1号艇という最大のチャンスを絶対に取りこぼすまいと、ストイックに調整を続けるのである。その姿勢も毒島の強さを支えている。
平本真之も早くから試運転をしていて、1R発売中にはいったん切り上げてボートを上げている。勝てばグランプリはトライアル2ndからの発進となる。6号艇と枠は遠いが、もちろん諦めてなどいないのである。この感触をもとに、夜の気象も勘案しながら、調整を進めていくことになるだろう。
平本と同じようなタイミングで、小野生奈も水面からボートを陸にあげた。やはり試運転を行なっていたのだ。優勝すれば、トライアル初戦の1号艇が手に入る。それをどこまで意識しているかはともかく、やはり出場当確うんぬんよりも優勝を狙うのみなのだ。
そして、篠崎元志、守屋美穂は、特に大きな動きを見せていなかった。優勝戦の序盤のピットといえば、この「特に動きを見せていない」ということをさんざん書いてきたわけだが、今日はW優勝戦の12人のうち、岡崎とこの101期同期生だけがそれに当てはまった選手。これは他の最終日と比してかなり少ないという印象である。チャレンジカップだから、とは言い切れないと思うものの、やはり一種独特な雰囲気を感じずにはいられないのであった。
優勝戦メンバー
11R女子チャレンジカップ優勝戦
①守屋美穂(岡山)
②小野生奈(福岡)
③寺田千恵(岡山)
④長嶋万記(静岡)
⑤平高奈菜(香川)
⑥深川麻奈美(福岡)
12R優勝戦
①毒島 誠(群馬)
②久田敏之(群馬)
③篠崎仁志(福岡)
④稲田浩二(兵庫)
⑤岡崎恭裕(福岡)
⑥平本真之(愛知)
五日目のニュース・ハイライト
9R めでたい優出
平本真之が2番手を獲り切った瞬間、ピットには歓声と拍手が巻き起こっている。その主たちすべてを確認できたわけではなかったが、愛知勢以外の選手も含まれていたように見えた。やはり地元の選手が優勝戦に残るというのは意味が重い。それをどの選手も理解しているだけに、そのレースに同支部の選手がいたりするのではないのなら、平本を祝福する気持ちに自然となったということだろう。
平本は悔しさを隠さない男だ、とは何度も書いているわけだが、同様に嬉しさも隠そうとはしない。村田修次との接戦を制しての2着、地元優出。ピットに戻ったときから、もう笑顔笑顔なのである。深谷知博に向っては超ド派手なガッツポーズ! さらに同期の篠崎元志とは力強いグータッチ。ある意味、レース後に最も充実感をあらわにしていたのは、この平本だっただろう。
勝ったのは久田敏之だ。平本とは対照的にそれほど感情を表に出すことはなかったが、これが嬉しいSG初優出である。
「自分を評価したいと思っています」
久田は会見でそう語っている。3年前の平和島ダービー。予選トップ通過で迎えた準優勝戦、久田は痛恨のフライングを切ってしまっている。ビッグチャンスをモノにできなかったことや、それからしばらくSGやGⅠから遠ざからねばならないことなど、それはあまりに痛い勇み足だった。その空白期間も乗り越えて、久田はまたSGの舞台に戻り、そして準優1号艇に乗り(3位通過ではあったが)、そして今度はしっかりと逃げ切った。それも、進入がもつれて深い起こしになったインから。おそらく、あのFは頭によぎった。それでも力強く乗り切った。これは久田自身だけでなく、大向こうから称えられるべきことだと思う。
もちろん、優出がゴールではない。明日はポールポジションに強くてたまらない後輩が鎮座しているが、久田は怯むことなく打ち破りに行くだろう。ともかく、まずはSG初優出おめでとう!
10R ただただ優勝したい
3コースの岡崎恭裕に頭を超えられた瞬間、桐生順平のGP行き消滅が決定的になった。桐生のいないグランプリ……まあ、シリーズには出るので平和島には姿があるわけだが、しかし18人のなかに桐生がいないというのは、なかなか衝撃的である。
レース後、エンジン吊りやボート洗浄を終えて控室に帰るまで、桐生はヘルメットを脱ぐことはなかった。控室への途上にはカメラマンが待ち構えているから、表情を撮られたくないという思いもあったか。シールド越しにわずかに見える桐生の目は、たしかに落胆しているように見えた。桐生らしからぬレースもたびたび見られた今年、それが一瞬のうちに頭をよぎり、悔しさは脳みそのなかで猛拡大していたか。来年は、いや、まずは来週のBBCトーナメントあたりででも、桐生らしさを爆発させてほしい。
岡崎は2着。スリットから明らかに出ていく足色は、節イチ級と言っていいだろう。淡々としたレース後ではあったが、その顔つきには充実感がちらりと浮かんでおり、機力には確かな手応えを感じているようであった。
グランプリ行きについては、「それはおまけのようなもの」と一笑に付すようなところがあった。準Vで現在16位の西山貴浩を超える計算だが(西山の特別選抜A戦次第ではある)、岡崎はただただ「明日、優勝したい」という思いでレースに臨むというのである。それを叶えれば、文句なしにグランプリ行き。岡崎はただただ優勝だけを狙って、明日の12Rに臨むのである。
1着は毒島誠。もう先に書いてしまうが、結果的に優勝戦1号艇である。12Rで1号艇の稲田浩二が敗れたとき、毒島は……実に淡々としていた。表情をひとつも変えることなく、もちろんはしゃぐこともなく、他の選手と笑い合うこともなく、自然体なのであった。それは、勝っていれば1号艇だった稲田への気遣いもあっただろう。そして、何号艇だろうとただ優勝を目指すだけだという思いもあるはずだ。毒島も、優勝すればトライアル2nd1号艇と問いかけられて「それは結果ですから。優勝した、というだけです」と岡崎と同じような言葉を会見で口にしている。ラッキーが転がり込んだと喜んでいる場合ではないのである。
事実、その後に毒島はすぐにプロペラ修正室にこもった。明日への準備を怠りなく進めているのだ(岡崎に伸びられていたので、そこを修正したいと言っていた)。だからこそ、ますます明日は盤石という気がしてくるんですけどね。
11R 激闘
2号艇が「篠崎」だったからというわけではないが、5年前の峰vs元志の激闘を思い出すデッドヒートでしたね。そう、メモリアル優勝戦で元志が制した一戦。今日勝ったのは仁志である。
勝っても負けても淡々、飄々の稲田浩二なので、このスーパービッグチャンスで2着に敗れた後も特に表情を変えてはいない。ただ、どうだろう。ほんの少し険しさが増していたように思えたのは気のせいなのか。ちょっと走ってしまったように見えた1マーク手前、やはり平常心ではなかったかもしれず、そのことに対する後悔のようなものは脳裏に浮かんだかもしれない。
それでもSG初優出である。4号艇は、むしろ気楽に臨める枠番でもある。枠なりなら、イナダッシュ炸裂も!? 晩秋の蒲郡を沸かせるレースを期待しよう。
仁志もまた、淡々粛々としたレース後だった。激戦を展開した仁志と稲田、そのレース後の挨拶に先に向かったのは仁志だった。ヘルメットをとり、稲田に頭を下げる。こうした戦いの後は、相手に敬意が生じるのが自然というものだろう。
今節の仁志は、プロペラをほとんど触っていない。数字のないモーターながら感触、動きがいいのだから、それがプロペラが引き出しているものなら、大きくいじらないほうが良かろうという判断だ。ただ、決して超抜ではないし、優勝戦の内枠に陣取る群馬勢は好仕上がり。また、外には直線足抜群の岡崎もいる。さあ、明日はどんな判断をするだろうか。ペラ室にこもる仁志の姿があったなら、一発大勝負をかけてくるということだろう。その動きには注視したい。
ちなみに、同じレースを走った西山貴浩が、仁志を称える場面があった。4番手あたりを走りながら、前方に競り合う後輩の姿が見えていたのだろう。よくぞ勝ち切った、ということか。西山自身は初のGP出場が目前! 明日は特別選抜A戦でしっかり稼いで、自力で頭角を決めろ!
女子のほうは、今日が勝負駆け。8R、1着勝負で6号艇、田口節子が果敢に前付けに動いた。残念ながら実らなかったが、その闘志に拍手だ! レース後はペラ室にこもって調整をしていたが、ということは前付けで深くなっても戦えるような調整を施してレースに臨んだということだろう。決意と覚悟の勝負駆けだったのだ。そのことは結果はともかく称えられなければならない。前付けが極めて少ない女子戦ということもあわせて、腹の括り方がカッコよかったのだ。田口は現在女子11位。なにしろ14~16位とボーダー付近の選手が揃って優出しているだけに、明日は冷や汗を滲ませつつ、自身は少しでも上積みするべく奮闘する。
1位通過は守屋美穂だ。8R、田口を入れて4コースに引き、まくり一撃快勝! 自力で寺田先輩を超えてポールポジションをつかみ取った。これもまた、見事な腹の括り方だったと言える。レースぶりが男前だよね!
で、レース後。着替えを終えてピットに戻ると、ペラ室の隅で調整中の樋口由加里を発見した守屋は、その背中にギューッと抱き着いた! それまではクールに振舞ってもいたのだが、盟友と言うべき樋口には喜びを全身で表現したのである。やっぱり嬉しかったのだ! そして、そんなミポリンが実にかわいかったです(笑)。
最後の東男、散る。
9R 並び順
①久田敏之(群馬) 10
④平本真之(愛知) 15
⑥吉川元浩(兵庫) 16
⑤上平真二(広島) 25
②村田修次(東京) 12
③上野真之介(佐賀)12
大波乱を予感させる待機行動ではあった。ピット離れで出遅れた上平が大回りで真っ先に舳先をスタート方向に転換。それに気づいた久田、平本、吉川が慌ててその内に潜り込み、スロー4艇は窮屈かつ深い進入を強いられた。
この混乱を尻目に、好枠を捨てて潔くダッシュを選択したのが村田と上野だ。村田74号機の足はトップ級だし、昨日も同じような展開からまくりきってるし、村田◎の私はそぞろ脳汁を垂らしてしまった。
内4艇は横並びで80mあたりまで流されてからの急発進。ダッシュ勢が圧倒的に有利なレース展開だ。さらに、スリット隊形は↑御覧の通り。脳汁を噴き出しながら私はその後の展開を見守ったが、5カドのムラッシュは凹んでいる上平すら絞め込まずにしばらく直進してからやんわりと舳先を左に傾けた。昨日とは別人のような待機策。スタート直前に放って伸び足に自信がなかったか、上平の向こうに吉川がはっきり見えたので自重したか、準優=2着条件ということで慎重かつ安全な戦術を選んだのか。
ダッシュまくりの危機を脱したスロー勢はそれなりに臨戦態勢を整え、インの久田が1マークを先取り、2コース平本が小回りで追走。そこにやっと遠回りでまくり差した村田が2番手争いに参入したが、接戦の末に地元・平本の後塵を拝する結果となった。もちろん、SG準優という大舞台にはそれぞれの選手ならではの実戦心理が交錯するわけだが、それにしても惜しい3着だった。私個人としては、あのスリットから村田が絞めまくったらどんなレース&結果が生じたのか、できればソッチ側のパラレルワールドに酔いしれたかったなぁ。村田が敗れた瞬間、「今年の平和島GPに地元選手ゼロ」という悲しい事態が確定した。寂しい限りだ。
1着・久田、2着・平本。
久田68号機は3日目の2・4コースでの連勝を見る通り、スリット付近の行き足を主体に高いバランスを誇るトップ級のひとつ。スロー起こしからでもスリット付近で力強く出て行くタイプなので、もちろん明日の2号艇でも実に怖い存在と言えるだろう。
平本73号機は日(または昼晩)によってややムラがあって掴みにくいのだが、今日は上位に準じるしっかりとした実戦足だったと思う。ただ、道中のパワー比較では村田に分のある接戦にも見えた。5号艇の明日はどの部分の足を強化してくるか。柔軟性のありそうなモーターだけに、その気配をしっかりと把握したい。
危険なナイフ
10R 並び順
①毒島 誠(群馬)14
②桐生順平(埼玉)11
③岡崎恭裕(福岡)07
④丸野一樹(滋賀)09
⑥馬場貴也(滋賀)07
⑤杉山正樹(愛知)07
このレースも並びに変化があったが、チルトを跳ねて伸び型に特化(展示タイム6・65!)した杉山と馬場がすんなりの入れ替わり。前付けとは違うためスロー勢もゆっくりと艇を流して9Rとは別物の穏やかな待機行動だ。
いざ実戦、アウトから杉山がどんだけ出て行くかと見ていたが、馬場を超えるほどの勢いはない。それよりもスリットで目を惹いたのは、やはり今節ではトップ級の直線足を誇る3コースの岡崎だった。スリットではわずかに覗いた程度から、ずんずんずんずん1マークに近づくにつれてさらに加速していくムード。その勢いに圧迫された桐生がそれでもブロックしながら小回りの差しで応戦したが、伸びなり奔放に1マークを握りまわった岡崎が軽々と2番手を確保した。
バックでその岡崎の3艇身先を突っ走っていたのが毒島だった。今日もまったく危なげのないイン逃げ。スタートではやや後手を踏み、さらに岡崎に伸びられる展開にも関わらず、まったく焦ることなく完璧なインモンキーで影すら踏ませぬ完勝だった。
1着・毒島、2着・岡崎。
今節も毒島の強さが際立っているが、特筆すべきはエンジン出しだろう。前検の私の見立ては「僅差だけどドリーム組でいちばん劣勢」だった。当時の本人コメントも「班ではちょっと弱そう」とシンクロしていたが、あれから6日が過ぎたいま、おそらく評判の高い峰竜太63号機よりも完成度が高いと思う。パンチ力こそないものの、全体的に弱点の見えないバランス型。いつもの毒島スタイルにも近い仕上がりでもあり、一撃まくられの脅威さえなければ、優勝戦のスローからでも難なく対応できるパワーだと思っている。うん、いつものことながら、ピットでも水面でもこの男は憎らしいほど強い。
そしてそして、今節の台風の目・岡崎64号機が見事にファイナルまで生き残った。このモーターの前節は「地元の花田和明が6号艇で優勝」というサプライズをやらかしており(恵まれではあったが)、確かに予選道中でも不気味なレース足を感じさせるムードはあった。ただ、乗り手の性質もあって今節ほど伸びるわけではなかったから、岡崎が自分なりに手なずけて直線足を上積みしたのだろう。今節はこれだけスリット足が強くいのに、ターン回りも水準以上という感じ。今シリーズはほとんどがバランス型のどんぐりパワー相場の中で、このいささか危険な飛び道具が生き残ったのは実に興味深い。明日は全国が毒島鉄板のムードに染まる中、穴党にとっての救世主になってくれるかも?
凸凹デッドヒート
11R 並び順
①稲田浩二(兵庫)12
②篠崎仁志(福岡)09
③新田雄史(三重)14
④原田幸哉(長崎)11
⑥前本泰和(広島)12
⑤西山貴浩(福岡)09
このレースも非枠なり進入。前本が前付けに動くと、5号艇の西山が腹を括っての6コース単騎ガマシを選択。12346/5で西山に伸び足があれば脅威となるのだが、スリットからひょいと覗き加減だった後は「伸び、売り切れました」という感じで前本と舳先を揃えた。
ダッシュが不発でスロー5艇がほぼ横一線となると、1マークは内から順繰りの逃げ差し合戦。稲田が先マイ(ややターンマークに寄りすぎ&握りすぎだったかも)、仁志が差し、新田がまくり差しという正攻法から、私が期待した新田の割り差しは届かず、バック直線は完全に逃げる稲田vs2コース差し仁志の一騎打ちとなった。
仁志の舳先がわずかにめり込んだまま100mほど並走し、2マーク手前でより伸びたのは内の仁志の方だった。初日からずっと課題とされた稲田の伸び足=弱点が露呈した瞬間。ここでもうひと伸びあれば、2マークの稲田は差しても握っても仁志を突き放しただろう。劣勢の稲田は伸びられながら力ずくで2マークを握り倒したが、当然のように外へ外へと流れる。それを横目にくるり小回りした仁志が抜け出し、その後も接戦が続いたものの僅差のリードを守り続けた仁志がファイナルの最終チケットを入手した。
1着・仁志、2着・稲田。
2艇のデッドヒートは迫力満点ではあったが、うがった見方をすれば「決め手に欠くパワー同士だからこその接戦」とも言えるだろう。ふたりのうちのどちらかが村田や久田、岡崎レベルの抜群パワーなら、2マーク前後の攻防であっさりケリが付いたはず、という思いは強い。両者を部分的に鑑定すると、「行き足から伸びは仁志がやや優勢で、回り足~出口の押し足は稲田が強め」で、だからこそ付かず離れずのテイルトゥノーズとなった。それぞれ特徴は違えど、トータル評価としてはふたりともにB+=中堅上位が私の勝手な鑑定である。
明日のファイナルでセンター枠に陣取るこのふたりが、どこまでイン毒島を苦しめることができるか。パワー相場的にはいささか厳しい気もするのだが、双方の機力の特徴を踏まえれば「行き足~伸びがやや強い仁志が内で、出足系統しっかりの稲田が外」という並びは逆目よりも攻撃力が高そうではある。
予選トップの稲田浩二は、序盤の時間帯は特別動きを見せてはいなかった。昼と夜では気候がまるで違う。急ぎの整備が必要ではないのなら、静かに始動の時を待つのはむしろ自然なこととも言える。稲田に限らず、準優組では作業を始めていない選手のほうが多いくらいだった。ナイターレースであれば特に、5日目のごく当たり前の光景ではある。
対照的に、準優1号艇の群馬勢=毒島誠と久田敏之は、動き出しは早かった。プロペラ調整だけではなく、試運転も1Rが始まる前から行なっていて、これはこれで狙いがあっての行動であろう。2R発売中、二人は同時にボートをいったん陸に上げた。別に共同で作業などをしているわけではないけれども、たまたまタイミングが同じだったのだ。ちなみに、プロペラ室では並んでペラを叩いていることが多く、そのかたわらには松本晶恵もいて、時に話し込む場面も見かける今節である。
やはり早くから調整作業をしているのは、まず村田修次。エンジン吊り以外の時間は、ほぼプロペラ室にこもっていると言っていいだろう。SGは11年オーシャン以来の出場であり、準優出にいたっては07年グランプリシリーズ以来。この環境に身を置くのは実に久々ではあっても、そこは名人、落ち着き払っているように見える。
原田幸哉もプロペラ調整を進めていた。かたわらにはいつものように柳沢一。その場面を見かけたわけではないが、言葉を交わし合いつつの作業であることは想像がつく。これは調べてみて驚いたのだが、原田のSG優出は今のところ12年メモリアルが最後。もう8年以上も遠ざかっているのだ。そんなに開いてたっけ? 現在は長崎支部でも、蒲郡SGはもちろん特別な一戦。この場所で、久々のSG優出を果たしたいところ。
最も大きな動き、ということになろうか。平本真之が本体整備をしている。平本はすでにグランプリのベスト18は当確、その意味では気が楽……ということはないということですね。優勝すればベスト6入りを果たすのだし、何より地元SG。モチベーションは高いままだ。渾身の勝負で、地元の砦を守り抜く気合である。
さてさて、女子は予選最終日の勝負駆け。まず気になったのは、1R登場の大瀧明日香だが、1マークは攻めたものの4着に破れてしまった。これで予選突破はかなり厳しい状況となってしまい、今年もまた12位でヤキモキさせられるチャレンジカップとなってしまっている。落胆がないはずはないと思うが、大瀧はキビキビと6Rに向けての準備を始めていた。去年の最終日の姿を見ているだけに、今年はなんとか12位に残れないかと祈りたいのだが。
2Rでは竹井奈美が逃げ切り。昨日の12Rに続く連勝で、後半に望みをつなぐ形となった。といっても、やはり安堵や歓喜をあらわすよりも、6Rへの準備に走った竹井。まだ戦いが続く以上は、気持ちを切らせるわけにはいかないのだ。6Rは5号艇。逆転ファイナル行きなるか。
予選トップ通過は、既報のとおり、稲田浩二。ここまでは展開にツキもあったが、今日はきっちり逃げ切ってみせた。なにしろ、チャレンジカップは15年連続で1号艇が優勝している。準優を逃げ切れば、一気にSG初制覇に近づく。そして、初のグランプリ出場に近づく!
などと高揚しているのはこちらのほうで、レース後の稲田からはそんな雰囲気は微塵も伝わってこないのであった。この飄々とした感じが稲田の持ち味。明日の準優を逃げ切った後も、こんなふうなんだろうな、と想像してみたりする。それとも、笑顔が爆発するのか!? とにかく楽しみだ。
稲田が逃げた10Rで4着に敗れた峰竜太。結果的にだが、3着でもなんとか滑り込めていただけに、この敗退は痛かった。着替えを終えてピットにあらわれたとき、たまたま11Rの展示を終えた上野真之介と顔を合わせた。愛弟子に向かって峰は、「今回だけは、本当に合ってなかった」と調整がうまくいかなかったことを告白している。上野も「いい角度だと思ったのに、刺さりませんでしたもんね」と、2周1マークについて感想を述べている。ペラ巧者の峰でも、ここ一番の勝負で失敗することがあるということだ。まあ、とにかく昨日の減点10が痛かった。グランプリはトライアル2nd初戦1号艇は確定している。年末に向けて、なんとかリズムアップを果たしたい。
上野は、11Rで6コース回りになったものの、きっちり2着。今節は6コースが3回あって、1着2着3着。また、5コースで1着と、外コースのほうが成績がいいという(笑)。1号艇と2号艇で順当な成績を残してたら、と思うと惜しい。ただ、師匠とは反対にリズムはいいということなのだろう。自身は予選落ちが決まったこともあって、峰が笑顔で上野を出迎え、上野もそれに呼応している。師匠の分まで!
11Rでは池田浩二が3着。池田は2着条件だったので、着がひとつ足りなかった。賞金ランクは19位の池田が予選落ちということは、グランプリ行きは絶望的になってしまったということだ。18位の守田俊介を逆転するには約150万円が必要だが、残される道は準優で事故があって、特別選抜B戦に繰り上がって1着(210万円)くらいだろうか。それ自体がほとんど現実的ではない……。池田はヘルメットの奥で、露骨に顔をしかめた。それはそうだろう。敗戦自体も、GP行きに望みをほぼつなげなかったことも、痛恨に違いない。かなり遠目に見えたカポック着脱場では、脱力している様子が見えた。6着大敗の平本真之に挨拶されても、力なく応えるのみだった。んー、悔しい! 溜息のひとつも出ようというものだ。
平本は準優は当確で、すでにグランプリ(トライアル1st)も当確。池田とは正反対の立場であった。しかし、レース後の悔しがり方は池田以上だったかもしれない。6着だったのだ。前半は6コースから1着だったのに……。何度か書いているように、平本は悔しさを決して隠そうとはしない男。それがまたこの男の良さである。だから、準優OKだろうとグランプリに行けようと、大敗を喫したらひたすら悔しい! それを目いっぱい、表に表現するのである。地元からの予選突破は平本と杉山正樹の二人。砦を死守するため、明日は気合の入る一日だ。
10R発売中に、予選突破を決めた丸野一樹が声をかけてきた。前半1着で当確ランプを灯し、後半は2番手に浮上しそうなところで舳先が浮き、4着に後退してしまった。しかし果敢なレースぶりは目を惹いたし、足色も上向いているように見えた。昨日の終盤の時間の大幅なペラ調整が当たったのか。ただ、その4着に敗れた一戦は、ニードルの調整に失敗したそうだ。前半の感触が良かったため、ナイターの時間帯でもそのまま行けると踏んだのだが、これがズレていたのだそうだ。この失敗はむしろデカいよね。なぜなら準優はナイターの時間帯であり、こうすれば失敗するという経験を踏んだのだから。準優は濃いメンバーに入ってしまったが、一発あってもおかしくないと思うのだがどうか。
女子では、長嶋万記が9Rで差し切り1着。マキスマイルが、静かにではあったが花開いていた。エンジン吊りのとき、徳増秀樹が嬉しそうに長嶋に声をかけ、レースを振り返り合う。長嶋の顔はさらに明るくほころんでいくのだった。4日目を終えて予選3位。地元クイクラ出場に向けて、悪くないポジションだ。まずは何としても優出を果たして、望みをつないで最終日を迎えたい。
最強怪獣・峰竜太や地元の絶対エース池田浩二が予選落ちした今シリーズ。勝負駆けのあらかたは速報形式で伝えたので、あとは賞金ランキングと明日の見どころをお伝えしておこう。
★賞金ランキング
1峰 竜太 14609万 GPトライアル2nd1号艇確定
◎2吉川元浩 11541万 GPトライアル2nd確定
◎3篠崎仁志 9882万 GPトライアル2nd当確
◎4毒島 誠 9762万 GPトライアル2nd当確
5寺田 祥 9300万 GP確定
6深谷知博 9298万 GP確定
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7菊地孝平◆9144万 GPトライアル1st確定
8瓜生正義◆9050万 GPトライアル1st確定
9白井英治◆8557万 GPトライアル1st確定
10徳増秀樹 8246万 GP確定
◎11新田雄史 7406万 GP確定
◎12平本真之 7404万 GP確定
13茅原悠紀◆7316万 GPトライアル1st確定
14松井 繁 7209万 GP当確
15井口佳典◆7028万 GP有望
◎16西山貴浩 6551万 微妙、優出完走で当確
◎17前本泰和 6530万 微妙、優出完走で当確
18守田俊介 6334万 風前の灯?
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◎20上野真之介6091万 ほぼ優出が最低ノルマ→③着GP当確
◎21原田幸哉 6056万 ほぼ優出が最低ノルマ→③着GP当確
◎24桐生順平 5972万 優出が最低ノルマ→②着GP当確
◎25馬場貴也 5892万 優出が最低ノルマ→②着GP当確
◎26丸野一樹 5631万 優出が最低ノルマ→優勝GP確定
◎28上平真二 5521万 優勝GP確定、②③着微妙
◎29岡崎恭裕 5514万 優勝GP確定、②③着微妙
◎32稲田浩二 5053万 ほぼ優勝のみ
◎36久田敏之 4741万 優勝のみ
◎39杉山正樹 4617万 優勝のみ
◎43村田修次 4438万 優勝のみ
※名前隣の◆は今節不参加、◎は準優参加、GP落選選手はランクから消去しました。
まず、真っ先に目を惹くのは5位・寺田vs6位・深谷の賞金差。昨日の約3万円から今日はさらに縮まって21667円差!(笑) 今日はどっちかが予選突破×どっちかが落選なら大勢が決したのだが、なんと2人とも比較的緩やかな勝負駆けに失敗して深谷が次点の19位、寺田が22位で「一般戦勝負」に持ち越された。GPトライアル2ndを目指す2人にとって非常に重要なデッドヒート。吉川、仁志、毒島など賞金上位が優勝すれば揃って当選の可能性もあるのだが、新田や平本など下位選手が優勝すると暫定6位だけが入れ替わるわけだ。2万円程度の差は、1レースの1つの着順だけでも変わるレベル。ファンにとってあまり目立つ勝負駆けではないけれど、寺田vs深谷の密かなガチバトルに注目しておきたい。
そしてそして、肝心カナメの賞金18位ボーダー争いは、既報のとおり守田俊介が予選落ちで停滞ゾーンに突入。逆に16位・西山と17位・前本はなんとか準優入りを果たし、それだけでもかなり有利な立場になったと言えるだろう。もちろん揃って優出すればその場で当確となるが、ファイナルを漏らした場合は寺田vs深谷のように、選抜戦で少しでも賞金を跳ね上げて16位を死守しておきたいマッチレースとなる。
20位以降は優出や選抜戦など、それぞれの場合分けで合否の変動が発生するが、予選トップの稲田から下の久田、杉山、村田はひたすら優勝のみを目指して突き進むことになる。その開き直りが思わぬ馬鹿力を生み出すかも?
★女子賞金ランキング
1平山智加 4008万 QC確定
2守屋美穂 3974万 QC確定
3小野生奈 3601万 QC確定
4平高奈菜 3518万 QC確定
5大山千広◆3206万 QC確定
6細川裕子 2969万 QC確定
7松本晶恵 2934万 QC確定
8香川素子 2790万 QC当確
9岩崎芳美 2785万 QC当確
10田口節子 2733万 優出完走でQC当確、予選落ち微妙
11遠藤エミ 2720万 優出完走でQC当確、予選落ち微妙
12大瀧明日香2615万 崖っぷち、予選落ちで大ピンチ
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13川野芽唯 2581万 優出②着QC当確、③着以下微妙
14寺田千恵 2573万 優出②着QC当確、③着以下微妙
15深川麻奈美2441万 優勝QC当確、②着微妙
16長嶋万記 2421万 優勝QC当確、②着微妙
18海野ゆかり2335万 優勝QC当確
19竹井奈美 2290万 優勝でQC有望
21塩崎桐加 2200万 優勝で微妙
24平田さやか…初日帰郷
25樋口由加里2117万 優勝しても……
※名前隣の◆は今節不参加
昨日の当欄で「テラッチが有利」と書いたが、今日はさらにテラッチ2着(予選1位キープ)、川野5着(予選8位)、大瀧3着(予選11位)で優位を拡大した。断然トップのテラッチがまんま優出1号艇をもぎ取り、川野と大瀧が優出漏れとなれば賞金14位のテラッチに自力当選の権利が発生することになる。その独走を食い止めるには、他のふたりはなんとか険しい勝負駆けを乗り越えて優出を果たしたい。
さらに下位では賞金16位の長嶋が予選3位と好ポジションキープ。例えば長嶋V+寺田準Vなどで賞金11位と12位、ふたつの入れ替わりもリアルにありそうだ。となると、田口vs遠藤の10位争いもそれなりに重要なバトルとお伝えしておきたい。
GⅡレディースチャレンジカップは、予選5日間のポイント制。ということで、明日が予選最終日となります。得点率上位6人が優勝戦へ。6位のボーダーは6・00と想定しました。下記はそのための必要着順。無事故完走で当確なのは、暫定トップの寺田千恵のみ。クイーンズクライマックス皆勤に向けて、絶好の位置につけています。また、逆転12位入りを狙う長嶋万記も3位と優出を視野に入れられる位置。賞金ランク12位の大瀧明日香は強烈な勝負駆けです!
1 寺田千恵 当確
2 守屋美穂 3・6着
3 長嶋万記 4着
4 小野生奈 2・6着
5 平高奈菜 3着
6 香川素子 3・3着
7 岩崎芳美 2・3着
8 川野芽唯 1着
9 田口節子 2・2着
10 深川麻奈美 1着
11 大瀧明日香 1・2着
12 平山智加 1・2着
14 松本晶恵 1・1着
15 竹井奈美 1・2着
17 樋口由加里 ※1・1着相手待ち
三日目のニュース・ハイライト
先輩たちの次走の艇番や艇旗を準備していた塩崎桐加。今節は自身の出走レース前など以外はほぼ、同様の姿が見られる。全体としても、女子としても、だから東海地区としても、いわゆる新兵であるから、まあ当然の動きではあろう。
そんな塩崎に、松本晶恵が駆け寄った。そして、頭を下げた。おそらく、昨日の11R、不良航法の場面を詫びたのだろう。塩崎は恐縮し、松本を気遣う態度を見せる。それでも松本は塩崎に言葉をかけ続け、お互いに何度か頭を下げ合ったりするのだった。おそらく昨日のレース後は顔を合わせる機会がなく、今日その姿を見つけて、松本は塩崎のもとに向かったのだろう。レースだからいろんなことが起こりうるが、陸の上ではこうしてノーサイドとなる。
1Rのエンジン吊りに出てきた守田俊介。よく見ると、右手の人差し指にテープが巻かれている。何かの拍子に切った? それとも調整作業のときなどにどこかに挟んだ? それを問いかけたらしいのが大瀧明日香。守田は大きく身振り手振りを加えながら、説明していた様子だ。そして大笑いする大瀧。会話の中身は聞こえてこなかったけど、話を盛りに盛って、笑わせたんだろうなあ、俊介。それにしても、この組み合わせはなかなかにレアではある。
2R、2コース差しで久田敏之が1着。地元の磯部誠はイン戦をモノにできなかった。レース後の表情はさすがにカタく、大きな悔いと落胆が透けて見えるのだった。自分に立腹しているかのような、険しさがそこにはあった。
久田は最後までヘルメットをかぶったままだったので、表情をうかがうことはできなかったが、肩を並べた毒島誠の表情はやたらと明るかった。同支部で1期違いの二人。ということは、若いころは何度も一緒に練習しただろうし、いわば同志のようなものであろう。智也先輩のようになりたいとか、話したこともあったかも。久田にとって、毒島は一気に前に行かれた、刺激を与えてくれまくりの後輩。SGの舞台でともに戦えることは喜びでもあるはずだ。その後輩が自分の勝利に笑顔を見せる。勝利の快感はより増幅するはずだ。
今節、実はあまり見かけていない、仲良しコンビの絡み。池田浩二と西山貴浩だ。昨日の西山のレース後に少々絡んでいたが、特に何事もない瞬間に談笑している姿というのは、僕自身は今節初めて見たかもしれない。それだけ、お互いが調整に忙しかったり、己と向き合う時間が長かったりということだろう。ちなみに、西山が着ているのはガールズ競輪のユニフォーム。児玉碧衣にもらったとかいう噂ですが、ほんと? 俺も欲しい……というのはともかく、接触できる機会があれば確かめてみよう。
最後に、深川麻奈美と川野芽唯のツーショット。100期の同期生です。女子100期といえば、平高奈菜、鎌倉涼がいて、15年クイクラでは平高、鎌倉、川野が揃って優出。川野が優勝している。平高と鎌倉はSGの経験も積んでおり、まさに女子のトップクラス。そうしたなかにあって、深川はやや遅れをとっていたのは否めないところだ。今回、深川はついにクイクラを視野に入れて、この舞台に登場した。もちろん実績的にはまだ及ばないが、先を行っていた3人の背中が見えてきたのは間違いないだろう。1Rは逃げ切り1着。さらなる奮闘を期待しよう。
3日目終盤の時間帯は、特に大きな動きは見当たらなかった。ただ、淡々と時が流れているというよりは、なんとなく空気が重い……までは言い過ぎだが、軽やかな雰囲気は感じられなかった。突出して噴いているモーターが不在ということもあるのだろうか、どこか不満げな様子、というか。10R、3着でオール3連対をキープの毒島誠にしても、だ。まあ、3着で帰ってきて満足そうにしているわけもないが、岡崎恭裕に競り負けたことが悔しさだったり仕上げの足りなさだったりを表に出したということか。
その岡崎恭裕にしても、毒島の攻めを受け止めての2着であっても、納得している様子はない。これまた、2着で満足ということなどこのクラスにはありえないのではあるが、悪くないレースぶり、また足色とも見えたので、そのギャップは印象に残る。
いや、勝った池田浩二だって、笑顔を見せたりはしていないのであった。仲良しの西山貴浩と目配せしたときだけ、ニヤリと目を細めてはいるが、レース直後も着替えなどを終えたしばらく経った後も、イン戦をクリアした安堵や歓喜はどこにも見当たらない。明日の予選最終日を前にして気を緩めるはずなどないとわかってはいても、もっと高揚感があってもおかしくないと思っていただけに、やはり意外な気がするのである。
終盤の時間、丸野一樹がペラ室にこもって長いことペラを叩いていた。これがまた、激しい、という言葉しか思いつかないほど、力強い打擲で、それこそペラに不満をぶつけているようにすら見える(もちろんそんなわけはない)。昨日の1マーク失速6着を巻き返すべき臨んだ1号艇、しかし2着に敗れて、まだまだ大きな調整が必要だと判断したのだろう。まさに「ペラを叩き変える」というように、力いっぱいハンマーを振り下ろす姿に、何としても勝負駆けをクリアするのだという意思が見える。
ペラ調整については、西山貴浩の「ギリペラ」も印象に残った。10R発売中、報道陣の直撃を受けて、「(12Rの)このメンバーで僕が勝てるわけないじゃないですかー」とおどけていた西山。このあたりはいつもの西山で、たしかに他の5名はすべてSGウィナー、西山は仲間外れであった(笑)。だが、その言葉とは裏腹に、西山はすでに閑散としていたペラ室に入り、黙々とハンマーを振るい続けたのだ。10Rが始まっても西山はペラから目を離さず、1マークで池田が逃げたのを一瞥だけして、ペラを叩き続けた。仲のいい池田の逃げに顔色ひとつ変えることなく、己の作業に集中したのだ。実を言えば、これもまたいつもの西山。勝てるわけないとかいいながら、本気で勝ちたいと願っているのである。
女子では、9Rで細川裕子が3着。3日目を終了して暫定4位、地元GⅡで悪くない成績である。しかし細川もまた、レース後に顔をしかめて不満そうな表情となった。2番手を深川麻奈美と争い、あと一歩まで追い詰めながら振り切られたレースでは、それも当然。細かい得点率の状況もその時点で把握しているはずもないから、ただただ競り負けた悔しさしか残らなかっただろう。クイーンズクライマックス出場については安全圏だが、それが細川を緩ます材料にはなりえない。明日も今日の憤懣を晴らすべく全力の調整、レースを繰り広げることだろう。
さてさて、今日は風もなく暖かな陽気で、終盤にピットにいても寒さをほとんど感じなかった。だけど……原田幸哉のTシャツ姿はやりすぎでしょ(笑)。出走した8R直後はまだわかるが、結局10R発売中まで上半身はTシャツ1枚なのであった。本来は地元中の地元の蒲郡、晩秋のこれくらいの気温など暖かいうちなのか? 原田も10月に45歳になり、いよいよマスターズ世代となったわけだが、まだまだ若いっすね! ともかく、風邪など引かぬよう気を付けてくださいね
18位争奪戦、混沌なり。
シリーズ折り返しの今日は賞金ランクから。
★賞金ランキング
1峰 竜太 14594万 GPトライアル2nd1号艇確定
2吉川元浩 11528万 GPトライアル2nd確定
3篠崎仁志 9856万 GPトライアル2nd当確
4毒島 誠 9745万 GPトライアル2nd当確
5寺田 祥 9287万 GP確定
6深谷知博 9283万 GP確定
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7菊地孝平◆9144万 GPトライアル1st確定
8瓜生正義◆9050万 GPトライアル1st確定
9白井英治◆8557万 GPトライアル1st確定
10徳増秀樹 8233万 GP確定
11新田雄史 7389万 GP確定
12平本真之 7370万 GP確定
13茅原悠紀◆7316万 GPトライアル1st確定
14松井 繁 7182万 GP当確
15井口佳典◆7028万 GP有望
16西山貴浩 6519万 微妙、優出完走で当確
17前本泰和 6492万 微妙、優出完走で当確
18守田俊介 6312万 崖っぷち、予選落ちは大ピンチ
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19池田浩二 6179万 優出でGP有望、予選突破が最低ノルマ
20上野真之介6057万 ほぼ優出が最低ノルマ→③着GP当確
21原田幸哉 6039万 ほぼ優出が最低ノルマ→③着GP当確
22磯部 誠 6022万 ほぼ優出が最低ノルマ→③着GP当確
23湯川浩司 5985万 優出が最低ノルマ→②着GP当確
24桐生順平 5937万 優出が最低ノルマ→②着GP当確
25馬場貴也 5864万 優出が最低ノルマ→②着GP当確
27丸野一樹 5595万 優出が最低ノルマ→優勝GP確定
28上平真二 5483万 優勝GP確定、②③着微妙
29岡崎恭裕 5482万 優勝GP確定、②③着微妙
31山口 剛 5372万 優勝GP確定、②③着微妙
32稲田浩二 5028万 ほぼ優勝のみ
33柳沢 一 4875万 優勝のみ
34篠崎元志 4791万 優勝のみ
35前田将太 4780万 優勝のみ
36久田敏之 4720万 優勝のみ
38杉山正樹 4596万 優勝のみ
41吉川昭男 4539万 優勝のみ
43村田修次 4413万 優勝のみ
44石渡鉄兵 4394万 優勝のみ
45市橋卓士 4374万 優勝のみ
※名前隣の◆は今節不参加
まず、予選成績の推移とともに混戦ムードが高まっている賞金18位争いから。今節のキーマンはもちろん18位ど真ん中の守田俊介なのだが、もはや現況は「崖っぷち」の一語。初日から6344着で暫定27位。推定ボーダーを5・50とすると、明日の俊介は2R2号艇・7R4号艇で石に噛りついても①②着をクリアしなければならない。初日にセット交換、今日はギヤケースを換えてソコソコ戦える足色になった俊介の、気合のスタート駆けを警戒しておきたい。
昨日も触れたが、その守田を134万円ほどの差で追いかけている19位・池田浩二も険しい状況に立たされている。今日の10Rはインからキッチリ逃げきって第一関門は突破した。が、明日の池田は2R6号艇と11R4号艇で、最低ノルマは合計11点。予選落ちでも首の皮一枚の希望を残す守田とは違って、予選落ち=GP落選となる池田がどんな戦略でアタックするのか。2Rはピットアウトから瞬き厳禁とお伝えしておこう。
さて、池田より賞金下位の面々を眺めると、下克上のGP強奪をやらかしそうな精鋭がいるわいるわ! 今年のチャレカは例年よりこの下位グループがやたらと賑やかだ。まあ、桐生順平(今節は足色が軽快でもちろん有力なV候補)や馬場貴也(昨日から気配一変で追い上げ不気味)などの銘柄級は置いといて、3日目までの暴れん坊MVPはやはりこの男だろう。
★賞金20位・上野真之介(節間9位)
多分にレース運にも恵まれたが、2日連続で外コースから先頭まで突き抜けたインパクトは峻烈の一語。初日2Rは4コース湯川浩司のまくりに連動しつつ、アウト6コースからあっと驚くまくり差し一撃! 3連単配当も超サプライズな1033倍と、SGチャレカの開幕戦で全国のファンを唖然茫然とさせた。
真之介の大穴ロードはさらに続く。2日目の10Rは5コースから十八番の高速まくり差しを突き刺し、3連単はまたもファンの度肝を抜く580倍! このふたつのレースだけで1600倍を超える配当を全国の数少ない大穴党にプレゼントしたわけだ。
で、6号艇&5号艇でピンピンという離れ業をやらかした真之介だが、その裏ではもったいない“失態”も演じている。初日の2号艇で6着惨敗~今日の1号艇で4着大敗。枠番前後の着順を並べる昨今の記念戦線において【6号艇1着・2号艇6着・5号艇1着・1号艇4着】というトンデモ成績は、やはりいろんな意味で「今節の暴れん坊将軍」と呼ぶに相応しい。明日の真之介は4R4号艇&11R3号艇で④④着あたりが必要なのだが、どんな着順を取ってくれるだろうか、ワクワク。
この真之介以外にも、今日は【2コース差し&4コースまくり差し】という凄まじい連勝で予選4位まで急浮上した久田敏之(68号機の底力、恐るべし!)、今日は1・5着ながら随所に非凡なレース足を魅せている村田修次(地元の平和島GPへ一縷の望み)、そしてそして、さほど目立たない足色ながら的確かつスピーディーな立ち回りで2131着=暫定トップに立った稲田浩二など、「ほぼほぼ優勝が絶対条件」のダークホースたちが日々蒲郡の水面を賑わせている。この波乱含みの流れのまま、誰かしらがサヨナラ逆転満塁ホームランをかっ飛ばすのか。とりあえず、明日の予選最終ラウンドでV候補がそれなりに絞れてくるだろう。
★女子賞金ランキング
1平山智加 4001万 QC確定
2守屋美穂 3965万 QC確定
3小野生奈 3589万 QC確定
4平高奈菜 3503万 QC確定
5大山千広◆3206万 QC確定
6細川裕子 2960万 QC確定
7松本晶恵 2924万 QC確定
8香川素子 2773万 QC当確
9岩崎芳美 2770万 QC当確
10田口節子 2717万 優出完走でQC当確、予選落ち微妙
11遠藤エミ 2712万 優出完走でQC当確、予選落ち微妙
12大瀧明日香2605万 崖っぷち、予選落ちで大ピンチ
――――――――
13川野芽唯 2574万 優出②着QC当確、③着以下微妙
14寺田千恵 2560万 優出②着QC当確、③着以下微妙
15深川麻奈美2432万 優勝QC当確、②着微妙
16長嶋万記 2400万 優勝QC当確、②着微妙
18海野ゆかり2325万 優勝QC当確
19竹井奈美 2274万 優勝でQC有望
21塩崎桐加 2217万 優勝で微妙
24平田さやか…初日帰郷
25樋口由加里2111万 優勝しても……
※名前隣の◆は今節不参加
GP参戦権のみならずトライアル2nd勝負駆けなどさまざまな局地戦が展開されているSG組に対して、GⅡレディース組は「ボーダー12位争奪戦」に絞られつつある。わずかなリードを保っている大瀧明日香が逃げきるか、賞金下位からの下克上が発生するのか。
今日の5Rは、その重要な1議席の行方に多大な影響を与えそうな“椅子取りゲーム”となった。1~3号艇のメンバー、賞金ランク、昨日までの予選成績はこうだ。
①寺田千恵 賞金14位 予選3位
②川野芽唯 賞金13位 予選6位
③大瀧明日香 賞金12位 予選9位
故意か偶然か「賞金ランクは大瀧が有利だが、枠番と予選順位は賞金が低い順番に有利」というタイトなハンデ戦。1号艇のテラッチはすんなり逃げきれば下克上の12位奪取に弾みがつくし、川野や大瀧は「目の下のたんこぶ」とも言うべきテラッチを自力で攻め潰しておきたいところ。
そんな思惑が実戦に投影されたか、まずは3コースからコンマ07まで踏み込んだ大瀧がぐんぐん伸びて「まくらんかな」の構え。ところが、大瀧の初動とほぼ同時にやや凹んでいた2コース川野が「私が先!」とばかりに強引なジカまくりを繰り出し、それは大瀧への強烈なブロックとなった。
荒れ模様の1マークは4カドの小野生奈が漁夫の利差しで突き抜けたかに見えたが、2マークで寺田が鮮やかな逆転差し一撃。薄氷の勝利とはいえ、大きな大きな10ポイントを加算した。ジカまくりが届かなかった川野が3着で、川野に弾かれた大瀧は5着まで。枠番以上の差が開いたこの三つ巴決戦は、クイクラ争奪戦の決め手となる可能性もあるだろう。11Rのテラッチの成績=2着も含め、3人の状況を整理しておこう。
賞金12位・大瀧明日香 予選12位 明日1R5号艇
賞金13位・川野芽唯 予選6位 明日12R5号艇
賞金14位・寺田千恵 予選1位 明日5R2号艇
このデータでもっとも重要なのは現在の予選成績で、残り2日の予選で優出できなかった選手はほぼ絶望的(予選7~12位の特別選抜戦の1着賞金68万円も馬鹿にはならないが)。逆に優出を果たして、しかも好枠をGETした選手は圧倒的に有利な立場を得ることになる。現状は一目瞭然、賞金ランクとは裏腹にテラッチが断然の優位を保っているとお伝えしておこう。
二日目のニュース・ハイライト
賞金18位に手が届きそうな地元のふたりが、悪戦苦闘の2日間となってしまった。目下19位の池田浩二と22位の磯部誠。まず、池田が苦戦している最大の理由は、モーター&プロペラとのミスマッチだろう。前節の下出卓也が伸び型に叩いたペラはかなりのクセモノで、簡単には自分のスタイルに戻しきれない。昨日の5・3着で危機感を抱いたであろう池田は、「ピストン2・リング4・シリンダーケース」のセット交換に踏みきった。
地元の絶対エースのピンチだけに、秘伝のセットで気配が一変するかも?
などと深読みしたものだが、いざ7Rの実戦はどうにも足色が頼りない。セオリー通りの2コース差しで2番手確保かと思いきや、5コースからまくり差した毒島誠に内から軽々と出し抜かれた。さらに道中でも大接戦の末に後続の深谷知博に競り負けるのだが、明らかにパワー負けと映る逆転劇だった。
初戦から534着で4・00=暫定26位。今節の準優は18/34で推定ボーダー5・00だから、現時点で絶体絶命と呼ぶべき窮地ではない。明日の10R1号艇でしっかり逃げきれば、5・50で圏内に突入することもできるし。ただ、それでも現状のままの足色では、4日目の2走(おそらく4・6号艇)で「③③着くらい獲りきれる!」と断言するのは難しいだろう。賞金18位の守田俊介との差は約145万円。準優18PITから漏れればその場で終戦となる池田が、どれだけ機力を底上げできるか。明日からの2日間が大きな正念場になりそうだ。
もうひとり、磯部誠はさらに池田を下回る565着で予選を折り返した。うーーん、どうしたことか。私が選手とともに期待しまくっている16号機は、特訓などでは上々の足色に見えている。だから4号艇の今日は一気に巻き返せる、と信じていたのだが……4カドからすんなりの二番差しで2番手確保か、と思った瞬間に前の引き波で跳ね上がるようにして舳先が浮き上がってしまった。あるいは、出足系統に何らかの弱点があるかも、と思わせる光景ではあったな。ストレートがかなりしっかりしている反動? そんなにヤワな16号機ではないと信じているのだが、応援している私もちょっぴり不安になる5着大敗だった。
まさかの565着=暫定32位で崖っぷちに立った磯部の明日は、池田と同じ1号艇の一発勝負(2R)。ここをキッチリ逃げきれば、4日目の2走(おそらく3・5号艇)は②②着で5・00まで浮上する。パワー出しに苦しむ池田とは裏腹に、16号機にはその高いハードルをクリアできるだけの底力があると信じて、明日からもアタマ舟券ととともに応援するつもりだ。折れそうな心に大量のガソリンを注ぎ込んで、ミラクル準優突破を成し遂げてもらいたい。
2日目を終えての私なりのパワー鑑定を記しておこう。
★★村田修次 A+【出S・直A】
★★桐生順平 A+【出A+・直A】
★上平真二 A【出A・直A】
★杉山正樹 A【出A・直A】
★寺田 祥 A【出A・直A】
★深谷知博 A【出A・直A】
★峰 竜太 A【出A・直A】
★久田敏之 A【出A・直A】
★山口 剛 A【出A・直A】
★岡崎恭裕 A【出B+・直A+】
★磯部 誠 A?【出B?・行A+】
Aランク以上が11人にも及んだが、良いなりに「ドングリの背比べ」という感じで混戦模様。で、岡崎を除く面々は「三島リスト」や「蒲郡オフィシャル番付」の上位パワーと合致していて、先入観があるとしても「良いエンジンはやっぱり良い」的なパワー相場だと思っている。
足色の分類としては、前検時の見立て(高橋アナの談話)どおりスリットから猛烈に伸びる快速パワーは見当たらず、ほとんどがバランス型でちんまりまとまっている感じ。パワー相場が均衡しているから、ピンラッシュで抜け出す絶対リーダーは現れず、道中でしっかり着を押し上げながら上位着でまとめた選手が予選の上位に連なると予測している。他で気になるパワーはこんな感じか。
↑部品交換や整備でパワーアップした選手
★吉川元浩(直線中心に全体的に上積み)
★毒島 誠(劣勢だったドリーム組とも互角に!)
★馬場貴也(回転バッチリで1分46秒0の猛時計)
★石渡鉄兵(元より良機が回転が合って上位の下まで)
★前本泰和(昨日より調整が合ってA級近し)
この流れでレディース組も鑑定しておこう。
★遠藤エミ A【出A・直A】
★平高奈菜 A【出A・直A】
☆寺田千恵 B+【出A・直B】
☆大瀧明日香 B+【出A・直B】
☆海野ゆかり B+【出A・直B】
☆長嶋万記 B+【出B・直A】
遠藤も平高も期待したほどの着が取れていないが、間違いなくコッチではトップ級と確信している。今日の平高はやや調整を外してストレート系統がやや落ちていたかも。キッチリ合えば、センターからまくりきれる今節では希少なお宝パワーになる可能性を秘めている。
さてさて、最新の賞金ランクをば。今日はSG組も金額をすべて記入しておこう。
★賞金ランキング
1峰 竜太 14560万
2吉川元浩 11493万
3篠崎仁志 9822万
4毒島 誠 9711万
5寺田 祥 9261万
6深谷知博 9258万
――――――――
7菊地孝平◆9144万
8瓜生正義◆9050万
9白井英治◆8557万
10徳増秀樹 8207万
11新田雄史 7354万
12平本真之 7353万
13茅原悠紀◆7316万
14松井 繁 7168万
15井口佳典◆7028万
16西山貴浩 6504万
17前本泰和 6477万
18守田俊介 6298万
――――――――
19池田浩二 6154万
20上野真之介6043万
21原田幸哉 6022万
22磯部 誠 6002万
23湯川浩司 5972万
24桐生順平 5916万
25馬場貴也 5843万
27丸野一樹 5574万
28上平真二 5469万
29岡崎恭裕 5461万
31山口 剛 5347万
32稲田浩二 5003万
33柳沢 一 4862万
34篠崎元志 4779万
35前田将太 4766万
36久田敏之 4674万
39杉山正樹 4571万
40吉川昭男 4517万
43村田修次 4378万
45石渡鉄兵 4366万
46市橋卓士 4351万
※名前隣の◆は今節不参加
昨日の当欄でスポットを当てた激戦区の変動は
★トライアル2nd入りの勝負駆け=5位・寺田vs6位・深谷の賞金差は昨日の約7万円→約3万円に!! とは言え、ともにパワーも成績も良好な両者だけに、この戦いはより大きな賞金のレースまでもつれそうだ。
★現時点でトライアル1stの好枠争い=11位・新田vs12位・平本の賞金差は約1200円→約1万円に広がった。この両者も成績上位なので、最終日までに揃ってランクアップする可能性は高い。
★GP進出へもっとも重要かつシビアな勝負になりそうな16位・西山vs17位・前本は、昨日の約29万円差→約27万円差に。今節の成績は西山が暫定15位、前本が27位で西山がかなり優勢。このランキングのまま西山が準優入り、前本が予選落ちなら4日目にして両者の雌雄が決するだろう。
★女子賞金ランキング
1平山智加 3991万
2守屋美穂 3953万
3小野生奈 3572万
4平高奈菜 3483万
5大山千広◆3206万
6細川裕子 2951万
7松本晶恵 2904万
8岩崎芳美 2763万
9香川素子 2761万
10田口節子 2711万
11遠藤エミ 2704万
12大瀧明日香2599万
――――――――
13川野芽唯 2564万
14寺田千恵 2535万
15深川麻奈美2407万
17長嶋万記 2394万
18海野ゆかり2318万
19竹井奈美 2267万
21塩崎桐加 2184万
23平田さやか…初日帰郷
24樋口由加里2104万
※名前隣の◆は今節不参加
今日の11Rで松本晶恵が不良航法、マイナス10点の減点でV戦線から大きく後退した。とは言え、すでに賞金7位で当確の身の上、クイクラを巡る争いとしては大きな影響はなさそうだ。
一方、予断を許さぬ12位ボーダー争いは2日目を終えてさらに激戦ムードに。12位の大瀧明日香が4・5着と賞金を伸ばせなかったのに対し、13位の川野芽唯が2・1着、14位の寺田千恵が6号艇で3着に入線するなど奮闘。大瀧vs川野の賞金差は昨日の約49万円→約35万円まで一気に縮まった。ちなみに2日目までの予選成績は【寺田が3位、川野が6位、大瀧が9位】とまさに下克上の逆転現象が起こっており、現時点ではまったく予測のできない賞金12位争奪戦と言っていいだろう。明日はどうなる?
いやはや、6号艇と5号艇で1着ですか。上野真之介。いずれも枠なりでの勝利だから、価値が高いなんてものじゃない。というか、パーフェクトだって狙える成績でしょう。それが昨日の後半は2コースで6着だから、ボートレースは難しい。ともあれ、10Rの5コースまくり差しはまさに値千金の勝利であった。
あがってきた上野は、歓喜というよりはどこか居心地が悪そうですらあった。いい意味での、やっちまった感、というか。昨日は10マンシュウ、今日は5マンシュウだから、ほんとやっちまったな! もちろん素晴らしい「やっちまった」である。
一方、師匠の峰竜太は8R、やはり5号艇5コースから6着だから究極に対照的である。師匠の面目、丸潰れ!? その峰が、まさに10R発売中、たまたま規制線の近くにやってきて、こちらの姿を見るや、「なんか調子悪い」とこぼした。ソーシャルディスタンスということで、込み入った会話にはならなかったが、この秋のリズムの悪さを嘆いたのだ。噛み合ってない、何かおかしい、というような言葉も口をついた。ただ、素直に胸の内を吐露したことは、悪いことではないと思う。つまり、現状としっかり向き合っているということだからだ。それができていれば愚痴なんかいくらでもこぼしていい。こちらも二言三言返して会話は終わったが、峰のなかに真っ当な悩みがあることはむしろ好意的に捉えられたのだった。
10Rでは、丸野一樹が1マークでキャビって失速している。その原因をどうやら丸野は掴みかねているらしく、悔し気に顔を歪ませながらも、何度も首をひねっている姿があった。労った磯部誠には、彼の地元水面ということもあったか、もろもろと尋ねたりもしている。また、「大丈夫か?」と気遣った峰竜太にも同様に。峰は「(キャビる)前兆がなかったのなら、ペラかもね」。その言葉を聞いて、丸野はペラ室へと向かったのだった。そこまでの2戦は2着3着とまずまずだっただけに、痛い6着。明日は巻き返しの一日としたいところ。
ペラ室といえば、毒島誠が今日もギリペラ。10Rのエンジン吊りが終わって、12R出走メンバーはみな係留所に向かって展示準備をするわけだが、毒島はひとりペラ室へ。これが毒島スタイルである。昨日も書いたとおり、ペラ室は取材規制線の近くで、カメラマンが鈴なり。ペラ室へと向かう際、その前を通ることになるわけで、スーパースターが通過すればみな一斉にレンズを向けて、シャッター音を響かせる。きっと、けっこう気になるよね。でも毒島はしかと前を向いて通過。その列の最後にいた僕には「たくさん撮っていただいて、ありがとうございます」と笑った。本音かどうかはともかく、このサービス精神も毒島スタイル。こちらこそシャッターチャンスをありがとうございます。
そうそう、ペラ関連で言うと、前半の記事では村田修次名人教室を記したが、終盤には柳沢一教室が開講されていた。生徒は守屋美穂。閑散としたピットの隅にあるベンチに守屋がポツンと座っていて、それはやや不思議な光景にも映ったのだが、柳沢が作業を終えるのを待機しているものだった。あらわれた柳沢に駆け寄ると、ペラ室に入って柳沢がペラを見ながらアドバイス。11Rの守屋の逃げ切りは、そのアドバイスが活きたものかも。
考えてみれば、このチャレンジカップは女子にとって、いいチャンスかも。普段はあまり顔を合わせないSGクラスのペラ巧者がそこにいて、しかも戦っているフィールドが異なっている。オールスターなど、SGで同じ舞台を争っているならともかく、ここでは遠慮なくアドバイスを求められるのではないだろうか。それこそ、支部も期も超越して。
これは前半の話だが、田口節子が湯川浩司にアドバイスを求める場面があった。これは銀河系同士、同期生。それも、SGでも何度も顔を合わせてきた二人だ。だから、そのやり取りは実に自然なものだったのだが、しかし女子戦が多い田口にとっては、久しぶりだったり、もしかしたら願っていた、やり取りではなかったか。体重差のある男子と女子ではモーターの出方が変わってくるとか、ペラの形も変わってくるとよく言われるが、しかしトップレーサーの理論や形状を学ぶのが血肉にならないわけがない。まあ、今節に限らず、SGやGⅠに出場する女子はいつだって同じようにすればいいのではあるが、ともかく、女子選手によるSG制覇を絶対に見たい僕としては、実に好もしい光景に映るというわけである。明日もこんなシーンが見られるのかなあ、とちょっと楽しみ。
さてさて、昨日今日と、池田浩二が遅い時間帯にボートを慈しむように磨いているシーンがあった。今垣光太郎はお馴染みなのだが、池田もそういうタイプだったっけ? 正直、あまり見た記憶がないのだ。1便で帰宿することもなく、最後まで調整に明け暮れ、そしてボートにも愛情を注ぐ。賞金ランク19位の身としてはもどかしい成績が続くが、こうした場面に気持ちが入っていることを実感する、と言ったら考えすぎ? 明日は1号艇。逆転の目を残すためにも、取りこぼせない一番だ
初日のニュース・ハイライト
賞金ランク19位とボーダー直下で地元のチャレンジカップに乗り込んだ池田浩二。初日は5着3着。やや苦しい船出である。ということで、レース後は本体整備! 整備室にこもって、大きな作業に手をつけた。地元の大エースの苦境ということで、整備士さんたちも心配そうに池田を見つめる。池田自身も、地元の関係者たちも、何としてもグランプリのシートをという思いが強いわけだ。
整備を終えるとプロペラ調整も行なっていて、とにかく全力でパワーアップをはかる。8R出走だったので、それほど時間が残されていたわけではなく、その途上では全力疾走でピット内を駆けまわる姿もあったのであった。初日から早くも勝負がかりである。
一方、18位は守田俊介。今日はセット交換を行なって1走目に臨んではいるのだが、ピットでの様子はというと、この人らしいというか何というか。切羽詰まったふうにはどうしても見えないし、序盤の時間帯もいつも通りのゆったりとした動き。後半10Rでは展開のツキもあって3着に浮上しているが、飄々としていて安堵とかラッキーとか、そんな雰囲気は少しも垣間見えないのであった。ようするに、いつも通りに戦っているということだ。
16位の西山貴浩は、その10Rでやはり展開に恵まれたかたちで2着浮上。初日は3着2着と上々の発進で、圏内逃げ込み態勢を着々と作りつつある。西山のキャラクターからすれば、ラッキーな2着にさぞかし浮かれているだろうと想像するかもしれないが、今日の西山はそんな様子を微塵も見せず。エンジン吊りを終えて守田に声をかけられるまでは、笑顔すら見せていなかった。それが勝負師西山の本質であるし、また2番手を走りながらもつれて後退した平本真之への配慮もあったことだろう。
その平本は、もともと悔しさを隠さないタイプながら、このレース後はむしろ落胆が強くあらわれていた。上平真二の突っ込みを受ける形での4着後退には、判断的な部分での反省も強かったものと思われる。そんな平本の様子を見て、慰めたのは寺田祥。平本は寺田に「1の2(1周2マーク)も難しくて……」と激しい番手争いになった場面も振り返っていた。疲れるレースだっただろうなあ。
この10Rの時点では、ピットはすでに閑散とし始めていた。帰宿の1便が9R終了後だったのだ。蒲郡ってそうだっけ? 居残って作業や調整をしていた選手も少なからずいて、竹井奈美は試運転を最後まで行なっていた。初日は2号艇4着で、早急な上積みが必要そう。それもあっての、調整&試運転であろう。そういえば、竹井は今節、男女あわせて登番が下から4番目の“新兵”なんですね。どちらにしても早い便で帰宿はできなかったと思われる。たっぷり走る時間は残されていたわけだ。
10R終了後に、モーター架台をボートリフト脇に準備していたのは、竹井と磯部誠、塩崎桐加、丸野一樹、さらには篠崎仁志。仁志はともかく、まさに“新兵”の面々だった。新兵と言いつつ、20代は塩崎と丸野のみ。竹井は104期、塩崎と磯部が105期で、丸野は109期。うーん、彼らがまだSGで新兵というのは少々複雑。ちょっと前には羽野だ仲谷だ大山だといったあたりの役割でしたからね(大山はF休みだけど)。100期台後半、また110期以降がもっともっとSGのピットを賑わしてほしいと希望する次第であります。頑張れヤングレーサー!
おっと話が逸れた。塩崎桐加は9Rで2着。バックではまくり差した寺田千恵と並走で、塩崎が内と有利なポジションだったが、1周2マークで捌かれてしまった。このあたりの駆け引きは寺田に一日の長があったというところか。塩崎が着替えを終えてピットに戻ると、ちょうど10R出走の新田雄史が展示を終えて工具入れを整備室へと運ぶところと重なった。
「ヒサ(と言ったように聞こえました)、惜しい!」
新田が塩崎に声をかける。塩崎は残念そうに、新田にうなずきかけていた。その後、新田が二言三言と話しかけ、塩崎はさらにうなずく。去年も一昨年もその前もずっと書いてるような気がするけど、若手の女子にとってSGクラスの先輩とこういうかたちで絡めるのはぜったいにデカいよね。普段以上に大きな学びになっているはずなのだ。新田の薫陶を受けて、塩崎はさらに強くなることだろう。(黒須田)
9R終了後の1便帰宿組の様子も少し
先頭は市橋卓士と柳沢一の86期コンビ。これに原田幸哉、馬場貴也が続いています。
女子選手も続々と。
おっ、前本泰和&吉川昭男の70期コンビ。
シンガリは岩崎芳美&長嶋万記。後ろの男性が管理の係の方で、列の最後尾からきっちり選手たちを監督しているわけです。
蒲郡の宿舎は隣接しているので徒歩移動です。お疲れ様でした!
初日の2Rでいきなり1033倍の特大万舟が炸裂した。仕掛け人は4号艇の湯川浩司。「最近の4カド湯川はメチャクチャ怖い」は知る人ぞ知る定説だが、いざ実戦はピット離れでドカ遅れ。ぐるり大回りで枠番は死守したものの、パンチ力が半減するスローの4コースを強いられた。
が、それでもスリット近辺からの勢いが半端ない。内でドカ遅れした馬場貴也を超え、スリット同体だった2コース西山貴浩も軽々と叩き潰してイン柳沢一まで攻め倒しに行った。カドでもスローでも、最近の4コースの湯川はメチャクチャ怖いのだな。挙句、地元の意地で応戦した柳沢と大競りになり、外から徳増秀樹と上野真之介が絵に描いたようなマーク差しでズボズボと差し抜けてしまった。今も昔も変わらぬ典型的な大穴パターンだ。
昨日の段階で高橋アナの談話ともども「今節の蒲郡に4カドからあっさりまくり切れるパワーなし」と断じたが、この推論は間違っていない。今日の4カド選手はことごとく攻めきれず未勝利に終わった(2着2回、3着1回のみ。握ってインまで脅かしたのは11Rの平高奈菜くらいか)。
ただ、今日の湯川は違った。これはもう相棒の57号機がどーのこーのではなく、湯川浩司という原動力がスリットのバランス構造を破壊した。今節の蒲郡に超抜モーターがなくとも、ストレートに特化する人間力が新たな兵器を生み出したのだな。下出卓也、酒井俊弘、佐藤悠、梅木敬太などの「チーム福井」を筆頭に、佐藤大佑や藤山翔大などの個性派たちが「できる限りストレートを強化してできる限りまくる」というスタイルを構築している。今節で言うなら湯川が代表格で、他ではややパワーの押し引きがあるものの3・4号艇を得たときの徳増秀樹あたり。もちろん、今日の私も4カド想定の湯川を警戒して4-56などという舟券を買っていたのだが、素直に過ぎました、はい><
強い選手ばかりの記念戦線でイン選手がぶっ飛ぶ大穴パターンは【①ゴリゴリの前付け、②10m前後の強風、③2カド・3カドなどの奇襲、④スリットからケタチで伸びる怪物パワー、⑤伸びに特化するまくり屋】が暗躍したときだ。年間でもっともタイトな勝負駆けシリーズと呼ばれるチャレカでは①=吉川昭男、前本泰和、松井繁etc、③=寺田祥、山口剛etcはもちろんのこと、今節は⑤=湯川、徳増の存在も常に念頭に置いていただきたい。
さて、昨日のパワー鑑定×今日の実戦を付け合わせてみて、さほど見立ては間違っていなかったと思うのだがどうか。
★昨日のパワー番付と初日成績
S級
桐生順平13号機=4号艇2・1号艇1着
村田修次74号機=4号艇3着
A級
寺田祥47号機=ドリーム5号艇2着
杉山正樹62号機=6号艇4着
上平真二52号機=5号艇3着・2号艇6着
磯部誠16号機=6号艇5着・2号艇6着
10Rの道中でハッスルしすぎた上平の6着、好脚を完全に持て余した磯部のゴンロク以外はアンダーパーだし、成績のみならず道中での足色にも随所にキラリ光るものがあった。特に村田と上平の足は、うまく言えないのだが不気味にして強大なポテンシャルを秘めているように見えた。外枠では人気の盲点になる可能性もあり、明日以降もそのポテンシャルがどこまで覚醒するかをしっかりじっくり見据えていきたい。
一方、ワースト級のパワーでもっとも不安視していた守田俊介24号機は、私の願いが通じたか、いの一番にセット交換を敢行。それでも6着&恵まれ3着みたいな着順ではあったが、飛び抜けたワーストから脱出して中堅あたりまでパワーアップしたと思う。明日からも軽視禁物とお伝えしておこう。
さてさて、恒例の賞金ランクをば。
★賞金ランキング
1峰 竜太
2吉川元浩
3篠崎仁志
4毒島 誠
5寺田 祥 9231万
6深谷知博 9224万
――――――――
7菊地孝平◆
8瓜生正義◆
9白井英治◆
10徳増秀樹
11新田雄史 7329万
12平本真之 7328万
13茅原悠紀◆
14松井 繁
15井口佳典◆
16西山貴浩 6490万
17前本泰和 6461万
18守田俊介
――――――――
19池田浩二
20上野真之介6018万
21原田幸哉 5995万
22磯部 誠 5988万
23湯川浩司
24桐生順平
25馬場貴也
27丸野一樹
28上平真二
29岡崎恭裕
31山口 剛
32稲田浩二
33柳沢 一
34篠崎元志
35前田将太
36久田敏之
39杉山正樹
40吉川昭男
43村田修次
45石渡鉄兵
46市橋卓士
※名前隣の◆は今節不参加
今日のところは、あえて「GP参戦やシード、トライアル枠番に関わる重要な戦線で、なおかつ予選4日間で順位が入れ替わる可能性がある激戦地帯」の金額だけをクローズアップしておいた。
★トライアル2nd入りの勝負駆け=寺田vs深谷は5位を獲りきった方が断然有利(現在は約7万円差!)
★現時点でトライアル1stの好枠争い=新田vs平本はなんとなんと約1200円差!
★最終日までに16位を獲りきればGP参戦で有利になる西山vs前本は約29万円差! この両者の対決がもっとも重要かつ過酷になりそうだ。
★ボーダー下位ながら少しでも有利なポジションを得たい上野・原田・磯部の対決は3人並べて約30万円差。
明日からの予選道中は、このあたりの局地戦の動向をハラハラしながら楽しんでいただきたい。当欄では日を追うごとに具体的な当確ラインなどをお伝えするとしよう。
GⅡレディース組のランクを記す前に、特筆しておきたいのはコレだ。
――今日は5・4着と期待外れだったけど、やっぱ遠藤エミ58号機のパワーはこんなもんじゃないぞ!!
レースをご覧になった方なら分かると思うが、今日のエミの敗因は展開がなかったり差し場をちょいと間違ったり、58号の鬼足を存分に生かせない1日だった。でもって、明日は「エミはこの枠がメチャクチャ怖い!」と言われている3号艇の一発勝負! 今日の着順も含めて、明日のエミが3コースからどんだけ激しく攻めるか、多くを書く必要もないだろう。配当的な妙味は薄くとも、5号艇の平高奈菜を絡めてしっかり舟券を的中させたいと思う。
★女子賞金ランキング
1平山智加 3977万
2守屋美穂 3936万
3小野生奈 3560万
4平高奈菜 3474万
5大山千広◆3206万
6細川裕子 2931万
7松本晶恵 2897万
8岩崎芳美 2755万
9香川素子 2751万
10田口節子 2698万
11遠藤エミ 2695万
12大瀧明日香2588万
――――――――
13川野芽唯 2539万
14寺田千恵 2525万
15深川麻奈美2401万
17長嶋万記 2378万
18海野ゆかり2311万
19竹井奈美 2261万
21塩崎桐加 2178万
23平田さやか…本日帰郷
24樋口由加里2098万
※名前隣の◆は今節不参加
とりあえず少人数の女子はすべて賞金を書き込んだが、ロングランの予選道中でもっと注目すべきは【10位・田口vs11位・遠藤】の10位争いだろう。現時点での賞金差はわずかに約33000円! たった1日で逆転がありえるこの僅差で、最終日までに10位を取りきった方が断然有利になるというガチの一騎打ち。体感的にはふたり揃って当確になりそうな気もするのだが、両者の賞金の推移について随所に報告するつもりではある。女王同士のガチバトルを勝ち抜くのは、どっちだ??
前検日ニュース・コメントまとめ
第23回『SGチャレンジカップ』第7回『G2レディースチャレンジカップ』直前の賞金ランキング
いざ勝負駆け!
第23回『SGチャレンジカップ』
この中から、第23回『SGチャレンジカップ』終了時点で上位18人が年末のボートレースグランプリに出場します。
第7回『G2レディースチャレンジカップ』
第7回『G2レディースチャレンジカップ』終了時点で上位12名が年末のクイーンズクライマックスに出場します。
ボートレース蒲郡の注目モーター・前検情報
賞金ランク18位&女子12位に生き残るのは誰か。年間でもっとも過酷なサバイバル勝負駆けの開幕だ。で、蒲郡モーターは5月2日から半年以上も稼働しており、素性はそれなりにしっかりしている。今節も、信頼度抜群の三島敬一郎のパワー鑑定をお伝えしよう。
三島推奨モーター20基+穴1基
★SGチャレカ候補
62号機(46%)SS 出足・行き足・直線系とバランス取れていて抜群=関脇
47号機(50%)SS スリット手前から加速する直線・伸び系超抜機!=横綱
26号機(54%)S 温水P装着後も、全速条件での抜群の行き足は健在=大関
16号機(41%)A+ スリット付近の行き足に余裕ある伸び寄りの直線型=小結
74号機(48%)A+ 伸び型もパイプ装着で出足型に?行き足は上位級=横綱
49号機(49%)A+ 三拍子揃って上位級の足色!展示タイムから要注目=大関
63号機(41%)A 磯部がキッチリ仕上げた、出足系のバランス仕立て=関脇
13号機(44%)A 出足型だった機を渡邉雄が伸び型にシフトチェンジ=小結
66号機(42%)A 出足・行き足に余裕があり上位。上積みも出来そう!=小結
59号機(37%)A 本体素性良く、SG級の整備調整なら楽しみです!=関脇
68号機(44%)A ペラ交換で癖が抜け更に上向きの足色もゾーン狭い=小結
27号機(43%)A パイプ装着後も、出足強めのバランス型で上位級=小結
15号機(34%)A 前々節転覆でペラとギアケース交換。実戦型で良い
52号機(34%)B+ バランスが取れている出足・回り足型で中堅上位!
65号機(35%)B+ ペラで回転調整出来れば直線系統は中堅以上ある
67号機(38%)B+ 出足・回り足がシッカリしているペラ調整次第で
★GⅡ女子チャレカ候補
58号機(30%)穴 ペラ調整の反応良く、行き足系の中間速も標準以上
75号機(24%)B+ 温水パイプ装着で足色一変。出足・行き足良化傾向=前頭
76号機(27%)B+ 回り足の掛かりが良く見え、レース足は中堅以上
37号機(23%)B+ 調整幅狭いが合えばレース足中心に中堅はありそう
53号機(30%)B+ リング交換で出足・回り足が中堅クラスまで上昇
※相撲番付は蒲郡オフィシャル『モーター評価表・秋・SG直前版』参照
今回はW開催なのでドドーーーンと21基をピックアップ。さらに短評の隣に蒲郡さんのパワー番付も添付したのだが、三島のトップ12はすべて横綱~小結に属しており、この12基を引き当てた選手たちがシリーズを引っ張ることになりそうだ。ちなみに、今節の私が舟券心中するパートナー16号機は【三島A+、ガマ小結】。確かにそんなレベルだと思うのだが、乗り手によってはスリット足が節イチ級になる可能性を秘めている。少なくとも41%よりポテンシャルは高そうなので、今節での大活躍に期待したい
★SGチャレカ候補
62号機(46%)SS=杉山正樹
47号機(50%)SS=寺田 祥
26号機(54%)S=山口 剛
16号機(41%)A+=磯部 誠
74号機(48%)A+=村田修次
49号機(49%)A+=前本泰和
63号機(41%)A=峰 竜太
13号機(44%)A=桐生順平
66号機(42%)A=篠崎元志
59号機(37%)A=石渡鉄兵
68号機(44%)A=久田敏之
27号機(43%)A=深谷知博
15号機(34%)A=上野真之介
52号機(34%)B+=上平真二
65号機(35%)B+=西山貴浩
67号機(38%)B+=前田将太
★GⅡ女子チャレカ候補
58号機(30%)穴=遠藤エミ
75号機(24%)B+=お休み
76号機(27%)B+=樋口由加里
37号機(23%)B+=お休み
53号機(30%)B+=平高奈菜
No.13 初おろしⅤモーター 桐生順平
4走目から6連勝Ⅴで初おろしから箔をつけたのが伸び型仕立てでも有名な池永太選手です。他から直線は池永に敵わないとゲージにされていました。本体が良くないと伸びない!!直線だけではなく出足もそこそこでバランスもとれていました。
ルーキーシリーズでは豊田健士郎選手が優出④。最後には好みの体感にはなったようですが、道中はグリップする感じなど以外は行き足も良いし良い感じと上のクラスのアピールをしていました。
ペラをキッチリと合わせればシリーズの中では目立つクラスに持っていけるポテンシャルを感じます。
乗り手の調整で反応が出て、試運転よりもレースで威力が出ているような印象を取材では受けます。
SG前の11月名鉄バス杯では渡邉雄朗選手がチルト0の伸び型に仕上げて節一番の伸びで盛り上げました。冬場の本体が回る条件なら伸び型のほうが面白いかもしれない。
No.62 ほぼ新ペラのままで抜群の動きまで 杉山正樹
初おろしのシリーズの前検からターンが早くも光っていたモーターこそが62号機です。本来新モーターは部品が馴染んでいなくて回転が上がりづらくて出足が付きづらい。なのに最初から出足が良かったのです。1節目の高橋正男選手も、2節目の寺本昇平選手も伸び負けはそこまでしない状態で出足関係は良かった「叩けばもっと出そう・・・」と言いながらも出足の良さをいかしてあえてステーで戦い終えました。その次の地元黒柳選手が「多少の重さも他比較では出足も良いし行き足は抜群。ほぼ新ペラのままでこの動きは間違いなく本体です」と優勝②の悔しい結果でシリーズを終えましたが、使った選手の誰もが本体素性の良さを語るのだから本物とにらんでいる!!!
その後も上位アピール多数で、乗り心地と正味の足の境界線をどこに引くのかという贅沢な悩みでコメントを出す選手もいます。
No.27 伸びる形ではないのに出ていくところに魅力あり!! 深谷知博
初おろしこそ水準以上程度の印象でしたが、2節目地元の鈴木幸夫選手から反応が出ました。最初から自分向きのペラでピット離れや行き足のアピールがありました。ただ気になったのがたまに掛かりが外れたことでした。その後の田中豪選手がそこからアレンジをやや加えた。「行き足良くて伸びる形じゃないのに出ていく」と乗りづらさを少し直したいと課題に挙げながらも得点トップで予選をクリアーしました。
出足系のペラでも行き足の鋭さから伸びに繋がる好モーターの良い現象が出ています。期待したモーターです!!!
No.63 セット交換でワンランク上へ!! 峰竜太
3節目整備巧者の赤岩善生選手が、中盤から調整を合せだして、いつもの行き足も良さを引き出してアピール。ただその後が中堅上位を行ったり来たり・・・転覆もあったりでピリっとしないムードに下降。優出した三嶌誠司選手も乗り心地に徹した調整で正味の足は目立たなかった。その次の女子戦で、堀之内選手が思い切ったセット交換で回転が上がったと反応。その節優勝した田口節子選手と同じようなペラにチャレンジしていたので終盤は伸びました。
磯部選手の活躍で注目度は高まったが、%よりも確実に良いモーターだと言うことは記憶しておきたい。今年の蒲郡は調整しだいで動くモーターが多数ある。
No.26 5節目のギヤケース交換で更に上昇!!! 山口剛
最初の2節はペラ形状が頻繁に変えられて確実な動きが把握出来なかった。3節目に使用した深谷知博選手が「過去の蒲郡の中では一番良い」とターンでボートが返ってくる感じで中上上と機暦簿に記しました。その後の汐崎正則選手も準優好枠で乗る活躍で優出➃。その後もうひとつ良くなったかもと感じさせたのが杉山正樹選手のギヤケースの交換です。「出足は結構良いし出てると思います」と予選準優までは出足型で戦いました。優勝戦は5枠で昨年から時に用いる伸び仕様にチャレンジでチルト1。伸びるだけではない出足も備える気配まで見せて見事な捲り差しで優勝までもっていきました。出足型、伸び型にも反応する万能モーターは乗り手の好みに左右されないことが予想されて注目です。
ボートレース蒲郡のSG「第23回チャレンジカップ」及びGⅡ「第7回レディースチャレンジカップ」が24日に激闘の幕を開ける。その前検日にあたる23日にはエンジン抽選やスタート特訓などが行われ、各自、本番前の入念な調整を行った。
蒲郡ではエース機不在の状況が続いているとあって、注目のエンジン抽選でも、選手間から大歓声が上がるようなシーンはなかった。それでも、いの一番で抽選機を回した峰竜太(佐賀=35)は前回優勝戦に進出した63号機を引き当て「ヨッシャー!」と、笑みを見せていた。
また、本紙のエンジン番付表で両横綱に名を連ねている74号機は村田修次(東京=47)、62号機は杉山正樹(愛知=41)が獲得した。
地元の杉山は現行エンジンになって、すでに3節走ってV2と当地のエンジン相場を知り尽くしているだけに、『62』の数字を見た瞬間には〝してやったり〟の表情を浮かべていた。
現在の賞金ランクは村田が44位で、杉山は39位。〝一発勝負〟にかける両者がどこまで活躍するか、大いに注目
ボートレース蒲郡
特徴まとめ
・トップクラスの人気と売り上げ
・オールナイター開催
・全国上位の静水面
・クセの無い水面でモーターパワーが反映されやすい
・1マークのバック側は全国一広い
・2マークも広く、全速で握れる水面
・イン1着率はやや上位~平均程度
・2コースは弱めだが、狙い目は「追い風3m以上」
・3コース1着率は平均程度で、まくり差し率が高い
・4コースは強く、カドが利く水面
・5コースの舟券絡みはトップクラス
全国屈指の静水面
スタンドや電光掲示板、防風壁などに風が遮られるため、強風が吹くことが比較的少ない静水面のレース場です。
2014年にオープンした1マーク側の新スタンドや、2015年の2マーク側立体駐車場により、更に風の影響が減ったと言われています。
水質は汽水で流れや潮位の変化もなく、クセの無い水面なので機力差が反映されやすいです。
基本的には穏やかな水面ですが、強風が吹くとスタンドに当たって風が舞う影響でスタートが難しくなるとも。
スタートで攻める展開を買う時は風速に注意したいですね。
ピックアップレーサー
あまり言いたくはないけど、楽しみにしている事前のトーク番組には西山貴浩が必要、つまらな過ぎる・・・ボートレース好きでもつまらないから、一般の人を惹きつけられるわけがない。後MCも重要。
SGチャレンジカップとは!?
SGチャレンジカップはその年の最後のSG競走であるSGグランプリ、SGグランプリシリーズへの
最終トライアル競走として位置づけられているレースです。
10月末までの獲得賞金上位者が出場し、このレースで好成績をあげればSGグランプリへの出場権が獲得できる可能性があります。
GⅡレディースチャレンジカップはその年最後のプレミアムGⅠであるクイーンズクライマックスへの最終トライアルレースです。
出走者の出場資格、選出方法、優勝賞金は以下の通り。
出場条件・優勝賞金
節間レース進行形態
SGチャレンジカップとG2レディースチャレンジカップではレースの勝ち上がり方法が違いますのでご注意ください。
女子のG2レディースチャレンジカップは通常レースである準優勝戦がありません。得点率の良い上位6名が優勝戦に駒を進める形になっています。
男子は準優勝戦があります、通常通りの得点率上位18名で準優勝戦3R行い、上位2名ずつの6名が優勝戦に駒を進める形になります。
年末のSGグランプリ・SGグランプリシリーズ・プレミアムGⅠクイーンズクライマックスへ向けた最後の勝負掛けの大会になるので、激戦が見れる大会となります。
直前コラム
いよいよ24日にSG「第23回チャレンジカップ」、GⅡ「第7回レディースチャレンジカップ」が開幕する。グランプリ、クイーンズクライマックスに向けた最終決戦の舞台はボートレース蒲郡。カウントダウン連載「航路を拓け!」最終回は、その蒲郡をホームとする磯部誠だ。
◇磯部誠(30)愛知105期
賞金5962万7000円・22位(22日現在)
プライベートでも根っからの“勝負師”。他競技の投票券を積極的に買う。だから、ファンの気持ちは誰よりも分かっている。若手時代から「今日レース場に来てくれたお客さんのために一生懸命走る」というのがモットー。
フライングで優勝の望みがなくなった後に2着5本を並べた2018年の浜名湖プレミアムGⅠヤングダービーが象徴だ。2走前のとこなめGⅠ67周年でも3日目の事故で予選落ちがほぼ確定しながら、集中力を切らすことなく、残る5走を全て舟券貢献。どんな状況下でもファンの支持に応えている。「土台のない選手だし、グランプリよりも、目の前の1走をしっかり走ることだけ」と大舞台を視野に捉えた現状でも信条は揺るがない。
ただ、こうも続ける。
「選手として一番大事なのは賞金。勝率じゃない。そういう意味でグランプリに出たいというのはありますね」
来年1月から適用される2021年前期勝率では7・97をマークして師匠の池田浩二を超えた。しかし賞金という点ではまだ師匠超えを果たせていない。チャンスがある以上、当然、1億円は狙っている。
現在賞金ランク22位。勝負駆けの舞台となる蒲郡は7連続優出中で直近は2節連続V。「いいエンジンを引かせてもらっているというのもあるけど、この間、走った時につかんだ部分もある」とグランプリ出場権奪取に向けて準備万端だ。
【SGチャレンジC&GⅡレディースチャレンジC カウントダウンコラム「航路を拓け!」第1回】
ボートレース蒲郡のSG「第23回チャレンジカップ」、GⅡ「第7回レディースチャレンジカップ」が24日に開幕する。平和島グランプリ(GP)、浜名湖クイーンズクライマックス(QC)に向けた最終決戦。直前カウントダウンコラムは「航路を拓け!」と題して様々な思いを胸に勝負駆けに挑戦するレーサーを紹介する。第1回は唯一、QC皆勤を続ける寺田千恵が心境を明かした。
寺田千恵(51)岡山・65期 ◇賞金2506万8340円・14位(19日現在)
2012年に創設されたQC。過去8大会すべてに出場している唯一のレーサーが、今年はラストチャンスで勝負駆けとなる。その大勝負直前に口にした言葉は意外なものだった。
「QCにもう出られなくてもいいのかな、って思うこともある。シリーズ戦に回って(田口)節子や(守屋)美穂を応援するのもいいかなって…。これだけQCに出続けているのはすごいと思うし、出られるとそれはうれしい。けど正直、今回はもういいかなって…」
今年はここまで8優出1V。近況について「年の初めは良くなかったけど、だんだんいい感じにはなってきている。最近は少しレースする足がいい。エンジンが悪くても、うわぁ~何もできないとかはならないし、レースはしっかりできている。ただ、あと少しのところで何かズレているんでしょうね、あと一歩のところで優出とか優勝までいけていない」と自己分析。10月以降は4節連続で準優に駒を進めているように、ジワリと調子は上がってきている。
さて、冒頭の“衝撃発言”の真意はこうだ。
「あきらめているとかではなく、それくらいのほうが気持ちは楽だから…。もちろん、出るからにはチャレンジするけど、いつもみたいに気負わず、気楽な気持ちでいきます」
自然体でラスト勝負に挑む。
【SGチャレンジC&GⅡレディースチャレンジC カウントダウンコラム「航路を拓け!」第2回】
グランプリ(GP)、クイーンズクライマックス(QC)への最終切符争奪戦となるSG「第23回チャレンジカップ」、GⅡ「第7回レディースチャレンジカップ」が24日からボートレース蒲郡で開催される。賞金王、賞金女王への道を自らの手で切り開くのは誰か――。直前連載「航路を拓け!」第2回は今年大ブレーク、GP初出場を狙う上野真之介に迫った。
上野真之介(32)佐賀・102期
◇賞金5981万7000円・20位(20日現在)
今年は22優出7Vとキャリアハイの数字を残している。その内容も濃く、6月の宮島グラチャンでは自身初となるSG優出を決めた。「いつか師匠(峰竜太)とSGに出られれば…」と語っていたが、それを果たしただけでなく、一緒に優勝戦という最高の舞台で、ともに戦った。
そしてGP出場圏のベスト18入りも間近というポジションで、最終決戦を迎える。充実の1年といっていいはずだが、本人は「これまで積み重ねてきたことが結果に出たのかなと思います。でも、まだタイトルを取ってないんですよ。そんな自分がグランプリに出ていいのかなって…」と複雑な表情を浮かべる。
しかし、その一方でここまで積み上げてきたことは間違っていないという自負もある。だからこそ「この10年はずっと焦って、苦しかった。だから、今は10年前の自分に“大丈夫だからな”って言ってあげたい」と言い切る。
チャレンジCは初出場。「まだベスト18に入ったことがないので、どんな感じかわからないんですけどね。ここまできたら、やっぱり賞金を加算したい」と、GP初出場に向けて、静かに闘志を燃やしている。
ボートレース蒲郡のSG「第23回チャレンジカップ」、GⅡ「第7回レディースチャレンジカップ」の開幕が24日に迫っている。平和島グランプリ(GP=賞金上位18選手)、浜名湖クイーンズクライマックス(QC=女子賞金上位12選手)の出場権をめぐる最終決戦。カウントダウンコラムでは「航路を拓け!」と題して様々な思いを胸に勝負駆けに挑戦するレーサーを紹介している。第3回はQC優勝経験もある川野芽唯が意気込みを語った。
川野芽唯(34)福岡100期
◇賞金2531万1940円・13位(21日現在)
2015年に地元・福岡で開催された第4回QCで優勝し、優勝レーサーに授与される栄光のティアラを戴冠した。
「今年はQCに出られる位置にいられると思ってなかったけど気がつけば13位にいる。賞金ランキングも12位のボーダー近辺で差がないし、チャンスは十分にあると思う。QCに出たいですね」とラスト勝負に向けて闘志を燃やしている。
モチベーションを上げている理由の一つは後輩で名実ともに女子トップレーサーとなった大山千広の存在がある。「弟子ではないけど、ペラ調整とか、いろいろ教えている千広と一緒にQCに出たい」とビッグレースでの共演を心待ちにしているのだ。
近況についても「今年はリズムが上がってきている。ターンでの踏み込みや舟の向きを意識して、それが結果につながってきていると思う」と手応えをつかんでいる。
舞台となる蒲郡については「調整が合わず、いいイメージはない」というものの悲観の色はない。その根拠となっているのが津で5月に初V、10月も優出と好走したことだ。「自分は進化していると信じている。津も苦手だったけど、今年は津でもいいんですよ。それで苦手意識がなくなったし、蒲郡でもそうなるといいかな」と前向きだ。
「気負わず1走1走、目の前のレースに集中して頑張ります」。持ち前の明るさ、ポジティブ思考で勝負駆けに臨む。
歴代優勝者
SGチャレンジカップ
G2レディースチャレンジカップ
第23回SGチャレンジカップ出場選手・ドリーム戦
Wドリーム戦
SGチャレンジカップ出場選手
(注1)選出順位は、獲得賞金額順とします。獲得賞金額が同額の場合は、賞金上位の者からとします。
(注2)選出除外者
(1)スタート事故による辞退期間中のため
(注3)予備選手について、スタート事故によるあっせん辞退期間等が当該競走の前検日を含む開催期間と重複する場合は、予備選手の資格を喪失します。
G2レディースチャレンジカップ出場選手
(注1)選出順位は、獲得賞金額順とします。獲得賞金額が同額の場合は、賞金上位の者からとします。
(注2)選出除外者
(1)スタート事故による辞退期間中のため
(2)家事都合による辞退期間中のため
(注3)予備選手について、スタート事故によるあっせん辞退期間等が当該競走の前検日を含む開催期間と重複する場合は、予備選手の資格を喪失します。
追記・まとめ