強さの秘密?
そんなのヒミツ。
2020/12/26~12/31にボートレース浜名湖で第9回プレミアムG1クイーンズクライマックスが開催されます。
情報をどんどんアップしていきますので、皆様予想などの参考にして下さい。
クイーンズクライマックスシリーズ最終日
元女王、仁王立ち!
11Rシリーズ優勝戦
①海野ゆかり(広島)10
②山川美由紀(香川)13
③竹井奈美(福岡) 14
④長嶋万記(静岡) 14
⑤渡邉優美(福岡) 14
⑥塩崎桐加(三重) 18
これぞまさに一騎打ち! 大本命のイン海野に襲い掛かったのは、2コースの山川19号機ではなく3コースの竹井だった。昨日の準優の2コースジカまくりも凄まじかったが、今日のアタックも半端ない。昨日よりさらに早い初動から、山川が差しに構える間も与えずに握りっぱなしで引き波にハメ、勢いまんまの強ツケマイで海野に襲い掛かる。
また今日も決まった!!
誰もがそう思っただろう。実際にそのツケマイは海野を捕え、ほぼ1艇身近く突き抜けて見えた。もうひと押しの出足があれば、海野は引き波にズルリとハマったことだろう。
だがしかし、ここからの押し足、つまり選手間で「レース足」と呼ばれる部分は海野に分があった。ズンズン内から伸び返し、スリット裏では舳先が揃うほどの巻き返し。ここをシノギ切った時点で、ポジション的にもパワー的にも海野の優勝がほぼ決まったと言っていいだろう。
さて、2度の女子王座に輝いている強い大ベテランがこの大会を制すると、なかなかに贈るべき祝辞が難しい。もちろん、おめでとうは必須だが、GⅢでの頂点を絶賛しすぎてもよいものか、とか(それは山川が優勝しても同様だ)。実に月並みなセリフになってしまうが、海野や山川には「来年の今日の違うステージで戦っている姿を見たい」という言葉がもっとも相応しいだろう。
そうそう、今シリーズは海野、山川、谷川里江の歴代女王トリオが若手レーサーを粉砕する光景が相次いだ。一方、無気力とは言わないが、スタートにしろ道中にしろ半端な攻めをする選手が目立ったりもした(グランプリの直後による錯覚もあるが)。つまり、毎年感じることだが、このシリーズ戦はそれぞれの選手のモチベーションの塩梅が実に難しく、かつ複雑なのだな。やや気持ちの持ちようが曖昧な大会だからこそ、元女王のプライドと枯渇しないボートレースへの熱い思いが他を凌駕したのだろう。本当に、あなたたちは強かった!
ちなみに、今日の売上は51億円!!!!で施行者の目標である約38億円をありえないほど上回った。これはこれで素晴らしい事象だが、そこでどうしても思い至るのがGⅢシリーズ戦の立ち位置なのだな。毎年書いてる気もするけど、バカ売れした今年だからこそしつこくまた書こう。格付けはGⅢのまま良しとして、シリーズ戦の賞金(現状200万円)は年末の特別ボーナスという感じで400万円くらいにするべきだと思う。そうすれば、家事都合などで辞退する選手も、モチベーションの個人格差=レース予想の難解さもかなり解消されると思うのだが、どうだろうか。
33歳の超新星
12Rクライマックス優勝戦
①平高奈菜(香川)01
②守屋美穂(岡山)03
③平山智加(香川)04
⑥遠藤エミ(滋賀)01
④小野生奈(福岡)06
⑤大山千広(福岡)10
11レースの後、はらはら降りはじめた細雪はもう止んでいた。
「問題は進入だな、遠藤がどこまでやるか」
ファンファーレ直前にスタンドに赴くと、中年のパパが小学校高学年くらいの息子に“宿題”を投げかけている。息子の答えは、あまり興味のなさそうな「ふぅん」。なかなかに素敵な野外教育で思わず微笑んでしまったが、女子のレースでこんな宿題が生まれること自体が珍しい。
「エンドーーー、行かね~と許さねえぞーー!!」
「ブロックしろーー!!」
ファンファーレの後は若者たちの叫び声。1年最後の大舞台で、ボートレースならではの醍醐味である進入争いに一喜一憂できるのは嬉しい限り。若者の叫びに呼応するように、遠藤は動いた。ブンブン噴かして2マークを旋回すると、小野・大山の福岡コンビは潔く身を引いた。1236/45の変則隊形。
「よしっ、それでいい、それでいいっ!」
誰かが叫んだが、誰の応援なのかはわからない。その間にも内4艇はじりじりと前に流れ、ほぼ横一線の100mちょい起こし。すでに発進している福岡勢がその4艇にズンズン近づいてゆく。人数制限があって大歓声とは言えないが、このスリリングな展開にスタンドがワッと盛り上がる。
遠藤に1年最後の有り金を突っ込んでいる私は、もちろんカド受けの4コースだけを凝視した。レース後のスリット写真で分かったことだが、コンマ01のタッチスタート。とりあえず、怖い怖い福岡コンビをガッチリ受け止め、遠藤はセオリー通りの二番差しで勝負。
この差しが、どこまで届くか!?
ここでやっと目を内へと向けたらば、もはやインの平高はいなかった。いや、守屋や平山のはるか5艇身ほど先を疾駆していた。なんたる圧勝劇。ビッグタイトルこそ無冠だが、ツボにハマったときの平高の強さは半端ない。去年は男女混合戦を2節連続で優勝(女子選手では極めてレアだ)、今年の前半も丸亀レディースvsルーキーズをインから圧勝など早々に3Vを飾り、「円熟期に突入したなぁ」と感じていた。
好事魔多し。絶好調モードの平高が災難に襲われたのは6月26日。レース中の事故で腕を骨折し、レースを休んでの治療とリハビリに追われた。10月末の大村ダービーで前乗りした平高とたまたま遭遇した際、「完治した?」と尋ねた私に「はい……でも、まだちょっと腱のあたりがもやもやしてて……」とちょっぴり顔を曇らせていた。そんな平高はダービー直後の若松・男女混合戦を122121①という凄まじい成績でまたまた優勝。底知れぬ潜在能力を感じさせる復活Vに、私はまた舌を巻くしかなかった。
そして今節だ。トライアルは1号艇がないままコンマ14→09→01のスタート攻勢でトップ通過。最後にポールポジションを得た今日も、遠藤と同じコンマ01でスリットを突き抜けていた。そしてそして、くるり回って5艇身差の圧逃V。ここ数年の女子レース界は平山~遠藤、小野、松本、守屋~大山と新興勢力がどんどん出現してはビッグをかっさらってきたが、遅ればせながら33歳の平高もその仲間入りを果たしたわけだ。男女混合戦のハードルを軽々と蹴散らす美女レーサーが、来年のクラシックはじめSG戦線でどこまで互角以上に戦い抜けるか。実に楽しみな存在であり、その意味でも今日の優勝は大きな意味があるだろう。おめでとう、奈菜ちゃん!
さてさて、ここからは下世話な私的回顧。2着争いは5カドからぶん回した生奈と我が◎遠藤の一騎打ち。いや、一騎打ちと呼ぶには3艇身ほど生奈が先行していたのだが、遠藤が追うわ追うわ追うわ! 自慢の回り足でくるくる旋回しながらじわり差を詰め、ついに3周1マークの小回りターンで“一騎打ち”と呼ぶべき僅差に持ち込んだ。
「エミッッッ!!」
思わず叫んだかどうか。予想欄で記したとおり、今年の私は「年間回収率100%」を最大目標に、収支計算が明確なネット投票だけで勝負してきた。で、このレース直前の年間収支はマイナス10万円ほど。私は予想目【6=124-124】がほぼすべて100%を超える配分にセットし、1-6-4の63倍には20枚を投下。一方、1-4-6は1枚たりとも買っていない。
「エミ~~~ッッッ!!」
最終ターンマーク、私は間違いなく叫んだと思う。そして、回った瞬間に今年の夢が散ったことを悟った。今節、遠藤の1・2着舟券を買い続けて3333着。最後の最後も首差ほどで3着に敗れ、私の長い長いネット投票の戦いも実りのないまま終わった。悔しい限りだが、すべて己の選手責任。さまざまなダメ舟券を反省しつつ、来年から、つまり明日からはできる限り本場で舟券を買うとしよう。うん、1年ぶりの紙の質感が楽しみでならない(笑)。
クイーンズクライマックスシリーズ五日目
●11R
ピットにあがった瞬間、笑顔がこぼれた。平山智加だ。2コースからの差しで快勝! 出迎えた山川美由紀に祝福されると、嬉しくてたまらないといった表情で勝利を喜び合った。1着ももちろん会心だが、ファイナル行きを決定づける勝利だったのだから、喜びも倍増だろう。山川もシリーズで優出を決めており、明日の健闘を誓い合うふれあいにもなっていたことだろう。
4着ではあった。だが、大山千広は安堵していた。そう、これでファイナル行きが当確となったのだ。なにしろ、道中は6番手という場面もあったのだ。3周ホームでも、4番手争いの大外という不利な状況。3周1マークを気合の全速ターンで攻め、これで一気に4番手に浮上した。もっと上の着順が欲しかったに決まってはいるが、最低限の目標に到達する、会心の外マイだったわけだ。
その外マイに沈められる格好で6番手まで後退してしまったのが香川素子。結果論だが、もし5着でしのいでいれば……。6着で20点。ファイナル行きがほぼ消滅する、痛恨のシンガリ負けなのであった。原田佑実が泣きマネで香川を慰める。それが香川の心をほぐしたのか、それまでも苦笑いであった香川の表情が、やや弾けた。そして、思いきりをしかめた。まさに泣き笑いといった表情で、原田らと悔しさを癒し合っているのだった。
遠藤エミは3着。トライアルはすべて外枠から、時に猛然たる追い上げを見せながら、オール3着にまとめた。ボーダーの21点となったが、この時点では当確は出ていない。それを理解していたのだろう、遠藤はとにかく微妙な表情で苦笑いを浮かべるのみだった。
●12R
結果的に、遠藤はギリギリでファイナル行きとなった。田口節子が3着に敗れた時点で確定、だった。田口は2着なら21点、上位着順の差で遠藤を超えていた。それをおそらく把握していた田口は、ただただカタい表情で引き上げた。残念ではあるが、このレースでも必死の追い上げを見せたし、昨日の第2戦では6号艇で前付けに出て執念を見せた。胸の内に燃えるものをしっかり表現してみせたのだ。その健闘には拍手を送りたい。
ピットにあがった瞬間、笑顔がこぼれた。平高奈菜だ。2コースからの差しで快勝! 出迎えた平山智加に祝福されると、嬉しくてたまらないといった表情で勝利を喜び合った。1着ももちろん会心だが、ファイナル1号艇を決定づける勝利だったのだから、喜びも倍増だろう。平山も先に優出を決めており、明日の健闘を誓い合うふれあいにもなっていたことだろう。
……って、どこかですでに読んだ文章ですか? はい、コピペして選手名だけ変えました。つまり、11Rと同じようなシーンが、同じ香川支部の間で繰り広げられたのだ。平山は平高に両手の人差し指を立てて祝福(1号艇ってこと?)。平高も笑顔爆発でこれに応えた。なにしろ優勝戦1号艇なのだ。ついに念願だった女子のタイトルが現実味を伴った瞬間なのだ。どう繕おうとしたって、笑顔があふれることを止めることはできなかったに違いない。ボート洗浄のために(5日目なので、レース後は全員総出で洗剤を使ってボートを洗うのです)カポックと勝負服を脱いで装着場の片隅にそっと置いた平高は、一瞬だけ立ち尽くすように動きを止めた。それは、ティアラに最も近い位置に立てたことに対する感慨を味わっているようにも見えた。
ボート洗浄の最中から、小野生奈は平高に何かを話したがっているような様子を見せていた。洗浄が終わると、小野が平高に声をかける。スタートの話だ。小野はコンマ02、平高はコンマ01! 12Rのスタートの時間帯、追い風がさらに強くなっている。小野も平高も、スタートラインに舳先を向けたときから、その風に煽られ流されて、起こし位置が想定よりもかなり深くなってしまったようだ。それを振り返り合い、そして勇み足を免れたことを喜び合って笑う小野と平高。ともかく、小野もファイナル行き! そうそう、6号艇・遠藤は前付けも考えているとコメントしており、小野は「もし伸びがついたら、それを活かせる位置から」と前付けを入れてのカドも考慮に入れていると表明している。進入から注目!
もう一人のファイナル行きは、守屋美穂。2着だったらファイナル1号艇だったが、4着に敗れたことで2号艇となってしまっている。ボート洗浄の間、呆然としたような顔つきだった守屋。田口と話しながら控室へと引き上げる間も、眉間にシワが寄りまくっていた。それは4着に敗れた悔しさか、ファイナル1号艇を逃した悔しさか、その両方か。あるいは機力の感触についても? 守屋は去年のファイナルも2号艇だった。そして、スリットで覗く隊形となり、絶好の攻め展開が待っているように見えた。しかし、差しを選択したのが裏目に出て6着大敗。レース後、涙を流す守屋がいた。それをふまえて、明日は同じ色のカポックでどう戦うのか。何を見せるのか。秘めたるものが最も熱いのは、もしかしたら守屋かもしれない。
●シリーズ
8Rを勝ち上がったのは山川美由紀と塩崎桐加。山川は堂々たる逃げ切りで、レース後も貫禄の振る舞いであった。
塩崎は、谷川里江を逆転しての2着。レース後は神妙な顔で谷川に頭を下げていたが、9Rの展示から戻ってきた渡邉優美に祝福されると、最高の桐加スマイル! 二人はがっちり握手を交わしている。それは、次のレースを戦う渡邉にパワーを分け与える儀式のようにも見えていた。
9Rを勝ち上がったのは、竹井奈美と渡邉優美。塩崎の思いが届いた! 105期ダブル優出だ。山下友貴との2番手競りを制したこともあって、爽やかな表情だった渡邉。また、仲良しの同県・竹井とのワンツーに、ふたりで笑顔を交わし合う場面もあった。
竹井は会心の2コースツケマイ。竹井らしい勝利であった。特別絡みを見かけたわけではないが、トライアル出走の盟友・小野も刺激を受けたはずだ。もちろん、まくった山下に対する気遣いも忘れず、頭を下げている。
10Rを勝ち上がったのは、海野ゆかりと長嶋万記。海野は6コースから猛然とまくってきた高田ひかる(不良航法をとられてしまいました……)、さらにジカまくりに出た池田浩美を押さえて、さらに差した長嶋をも封じての逃げ切りだから価値が高い。中国勢や同期の岩崎芳美、先に優出を決めている山川らも嬉しそうな笑顔で海野を出迎えている。谷川里江に祝福されたとき、海野はちょっと照れ笑いを見せていた。先輩からの声は、明日へもつながる力になったか。
長嶋は、地元勢唯一の優出! どちらかといえば安堵の思いが強いか。着替えを終えると、ピットのあちこちにいる仲間――同県の池田や山下だったり、ともに優出を決めた渡邉だったりのもとを訪れて、笑顔で優出の喜びを分かち合った。長嶋としては、最低限のノルマを果たしたものでもあろう。明日は浜名湖の威信をかけて戦う!
クイーンズクライマックスシリーズ四日目
鬼旋回
11R
①大山千広(福岡)09
②小野生奈(福岡)09
③細川裕子(愛知)09
④平高奈菜(香川)09
⑤遠藤エミ(滋賀)08
⑥寺田千恵(岡山)11
スリット隊形は美しいまでの横一線。2カ月半ぶりのイン戦となる千広も、しっかり踏み込んで絶対的な優位を築く。1マークの手前で揺さぶりをかけたのが2コースの同県・生奈だ。ここ一番の切り札として採用しているジカまくり。先のGPトライアルでもこのジカまくり攻撃が頻発したが、選択する側にとっては「外から付け回って届けば御の字、届かなくても2マークでもう一丁の勝負」的な、つまりは「差して揉まれるより惨敗しにくい、重い点数を取りにくい」という心理が反映される戦法なのかも知れない。
今日の生奈のそれはひたすらアタマ狙いのツケマイにも見えたが、インの千広は「想定済み」とばかりに飛びついてブロック。直前で吹きはじめたホーム向かい風もあって、舟がしっかりと返ってバックの出口を1着10点を決め込んだ。スタートといい咄嗟の判断力といい、長期休養明けとは思えないイン戦でもあった(本人はこの1マークの旋回を反省していたようだが)。
少し弾かれるように外に流れた生奈の内から、最内を差した4カドの平高と5コースから全速まくり差しの遠藤が凄まじい勢いで襲い掛かった。昨日は遠藤の回り足を絶賛したが、平高の引き波を超えて出て行くレース足も素晴らしい!
バック直線はその2艇がグイグイ抜け出し、2マークは内の利がある平高がこれまた無駄のない旋回で2番手確保。逆に遠藤は内へ内へと殺到した後続艇に行き場を失い、最後方までズリ下がった。ここで6着のままならファイナル入りに黄信号が点る遠藤だったが、ここからの追撃足がエグイこと。今日は外から外へのフルターンと最内の小回りターンを臨機応変に使い分けて先行艇をズンズン追い抜き、最終ターンマークでは安泰の3番手と見ていた生奈までをも小回り旋回で抜き去った。昨日に続いて、ピッカピカに輝く鬼足だった。昨日は松本晶恵を、今日は生奈をラスト1周で追い抜いての2ポイント加算は、遠藤にとって大きなアドバンテージになるはずだ。明日の4号艇でも、この光輝く回り足をフル稼働してもらいたい。
薄氷の圧勝
12R
①守屋美穂(岡山)01
②香川素子(滋賀)06
③平山智加(香川)13
④松本晶恵(群馬)14
⑤岩崎芳美(徳島)14
⑥田口節子(岡山)14
2連続の6号艇6コースは我慢ならん! と田口が朝特訓から気合の前付け~スロー発進を連発。本番でもゴリゴリ動いてコースを奪いに行ったが、内隣の岩崎はじめ全員がブロックして横一線の最終隊形に。結局は枠なりに収まったが、6人全員が100m起こしのヨーイドン競走は、それなりにスリリングな景色ではあった。出足勝負、あるいは度胸勝負のスリットライン。
この重要なキーポイントでひとりだけ突出したのは、またしてもインの守屋だった。行きも行ったり、コンマ01。昨日の07から、さらに臨界点まで踏み込んでいた。本当に、入っていてよかった。そして、入ってしまえば、圧倒的に有利な花道が開ける。昨日と同じような貯金を保ったまま、昨日と同じようなインモンキーで、昨日と同じように影をも踏ませぬ圧逃劇。守屋だけの航跡を追うなら、まさに昨日のデジャヴを見ているようだった。
まあ、端的に言うと「スタート勝ち」であり、正直、逃げ逃げ連勝の守屋66号機のパワーはよく分からない。グランプリの峰竜太のように。現在の私は暫定的にA【出A・伸A】と無難な評価を授け、5号艇の明日に競り合っての足色を測る腹積もりである。
そしてそして、今日もゴキゲンな実戦足を見せたのが香川12号機だった。昨日のセット交換がどりだけ当たったのか、サイドの掛かりといい出口からの押し足といいそこからの行き足といい、とにかく安定感が半端ない。回るたびにズンズンと後続を引き離し、むしろ守屋にじわりにじり寄るような気配さえ漂わせていた。単に戻ったとか言うレベルではない、トップ級の実戦足と認めざるを得ない。セット交換、恐るべし!
バック3番手も3コースの平山が取りきり123の大本命決着かと思いきや、その平山が2マークで切り返した岩崎と接触してズルリ後退。不運な降着にも見えたが、トライアルではこのゾーンが修羅場と化しやすい。そのあたりを踏まえれば、やや詰めの甘いターンとも言えるだろう。長期休養から復帰してかなりの実戦を積んだ平山だが、大一番の勝負どころでのレース勘がまだ戻りきっていないのかも知れない。
最後に、私が戦前から期待していた岩崎18号機は、今日もトライアルの展示ワースト時計~その数字どおりの冴えない実戦足で5着大敗。2戦目にしてほぼファイナルに赤信号が点ってしまった。もはや私のパワー評価もB+【出B+・直B+】で期待すべき破片すら感じないのだが、「あるいは明日には?」という微かな期待だけは脳みその片隅にしまっておきたい。芳美姐さん、頑張って!
クイーンズクライマックスシリーズ三日目
ブロック差し
11R
①平山智加(香川)16
②小野生奈(福岡)20
③寺田千恵(岡山)21
④松本晶恵(群馬)14
⑤岩崎芳美(徳島)14
⑥遠藤エミ(滋賀)12
自力でレースを作りに行ったのは、4カドの松本だった。スリットから半艇身ほど覗くや、1ミリも迷うことなく舳先を左に傾けた。カド受けの寺田の艇がズコンッと浮き上がるほどの強引かつ猛烈な絞めまくり! この大会に懸ける意気込みを、初戦からなりふり構わず吐き出す猛攻だ。
そんな並々ならぬ殺気を肌で感じたであろう平山は、正攻法の先マイを捨てて早めにターンマークに寄りつつ、ほぼ全速でぶん回した。「たとえ差されるとしても、絶対にまくらせない!」という戦法で、短期決戦の点取り合戦であるトライアル(GP含む)ならではの“次善策”と言えるだろう。
寺田を飛び越え、ぽっかり空いた内水域に松本がまくり差しのハンドルを入れた瞬間、さらに内から埋伏の兵が飛びついた。スタートで凹んでいた小野が、これまた「引き波にハメられたらアウト」の気合で身体を張ってブロック。松本の勢いを殺しつつ、作用反作用の反動で前に進む。死に体のスリットからの、起死回生のブロック差しがものの見事に決まった。
全速の流れマイから態勢を立て直した平山が2番手を取りきり、レースを作った松本が3番手。混戦の1マークの末に2-1-4が出来上がったかに見えたが、そこからの遠藤の猛追が凄まじい。ほぼすべてのターンマークを最内から小回り旋回で追走し、何本もの太い引き波を超えながら松本ににじり寄る。
そう、このレースでもっとも機力的に高く評価すべきは、遠藤の回り足を含めた出足系統だろう。小回りを繰り返しながら一度もキャビることなく、水をしっかり噛んで前進し、3周1マークでついに松本(思いきり前の引き波をなぞってしまったのも痛い)を追い抜いた。ハナから自力でレースを作った松本ではあったが、パワー面では全体的にやや劣勢と言わざるを得ない4着だった。
そして……私がストレート足に期待した岩崎18号機は、見せ場すら作れずに6着大敗。昨日の前検に続いて展示ワースト時計(12Rの細川と同タイムだが)でもあり、明日の5号艇は今日よりも人気を落とすことだろう。この一戦をもって見限るかどうかは、今は言及しないでおこう(←見限る気ゼロ?)。
完璧なリハ
12R
①守屋美穂(岡山)07
②平高奈菜(香川)14
③大山千広(福岡)16
④細川裕子(愛知)21
⑤香川素子(滋賀)14
⑥田口節子(岡山)13
1マークが乱戦となった11Rとは裏腹に、こちらは大本命の守屋が独壇場のイン逃げを決めた。↑御覧のスリットラインで守屋だけが半艇身ほども突出しては、他艇の出る幕はない。平高の差しも大山のまくり差しもまるで届かず、バック中間で一人旅を決め込んだ。今日の最大の勝因はスタートであり、守屋66号機の機力云々はほぼまったく分からない独走でもあったが。
先に書いてしまうと、明日の守屋も同時刻の1号艇をGETした。こうなると、今日は貴重な1勝のみならず、明日への理想的なリハーサルを済ませたとも言えるだろう。つい先日の峰竜太のように、逃げ逃げ20点で他を圧するアドバンテージを築くのか。極端な風が吹かない限り、その可能性はかなり高いと思う。
2番手はすんなり差した平高が順当に獲りきったが、パワー面で特筆すべきはもちろん5コースから3着に粘り込んだ香川素子だ。前節の激しい転覆でクランクシャフト交換、その後は明らかに足落ちした12号を引いてしまった香川は、緒戦の前に勝負に出た。【ピストン2・リング4・シリンダケース】、いわゆるセット交換だ。
このギャンブルは、ほぼ間近いなく「大当たり」だった。スリット近辺の行き足も軽快だったし、そこからのまくり差しは前がドン突きになって減速を余儀なくなくされたものの、ターン出口から出て行く出て行く! 2艇身以上も先行した平高にグングン迫り、平高より先に2マークを旋回。この窮屈な小回りが流れるかと思いきや、サイドがグググッッ(高橋アナ流)と掛かって前に突き進んでいった。冷静に差した平高には届かなかったとはいえ、もはや現状の12号機は「足落ち」とか「壊れ物」とか言う下馬評とは別物のモーターと肝に銘ずるべきだろう。あるいは、浜名湖さんが去年の“あのモーター”のセットを、この大会にために保存していたのかも?(笑)
4番手から大山があの手この手で香川を揺さぶり、必死でにじり寄ったがまるで届かない。この追撃を封じる足取りにも、かなりの余裕を感じさせた12号機だった。大山は悔しい4着とはいえ、レース後に引き当てたのは白玉。2カ月半に及ぶF休みの直後、しかもまだ消化しきっていないF休みを残しての1号艇は、手放しで喜べるほどの境遇ではないだろう。レース勘とスタート勘、度胸と開き直り。今風に言うなら、まさに全集中の呼吸で乗りきるべき“難敵”だと思う。
シリーズTOPICS
やはり、来たっ!
一方のシリーズ戦は早くも予選3日目が終了。全34レースを走り終えての暫定トップは、なんだかんだ山川美由紀19号機!! 今日は5Rで実にらしい豪快な3コースまくり(全速の強ツケマイ)で10点を積み上げ、さらに後半9Rはインから影をも踏ませぬ盤石の逃げで連勝を飾った。気づいてみれば、“定位置”と呼ぶべきトップに君臨だ。
正直、相棒19号機の気配は大方が期待したほどのモンスターパワーとは思えない。2日目に本人も「ハードルを上げ過ぎたかも」と苦笑していたが、スリットから突出して楽まくり一撃というパンチ力はなく、現状は全部の足がちょっとずつ強めのバランス型と鑑定している。それでもあれよあれよのトップ浮上は19号機の底力であり、女傑・山川がしっかり乗りこなしている証でもあるだろう。明日の山川19号は、最後の難関と呼ぶべき7R6号艇の一発勝負。もちろん1着=トップ確定だけに、枠なり6コースと決めつけるのは早計な選手ではある。
山川に続く暫定2位は、地元の山下友貴! 前検の私は相棒36号機のストレート足に惚れ込んだが、いざ実戦では引き波を超えるレース足も軽快そのもの。今日も前半4Rはスリットから力強く飛び出し、内3艇を猛烈に圧迫してからシャープな差しハンドルでバック先頭に突き抜けた。
後半8Rは5コースから展開に恵まれなかったものの、水野望美との2周に及ぶ熾烈な3着争いを制してオール3連対をキープした。初日はやや控えめのA【出A・直A】としたが、今は文句なしのA+【出A+・直A+】でシリーズトップ級のバランス型パワーと見立てていいだろう。明日の山下は8R1号艇の一発勝負! 直前の7Rで暫定トップの⑥山川が不覚を喫するようなら、イン逃げ=予選トップの可能性は十分だ
クイーンズクライマックス前検情報
クイーンズクライマックスシリーズ二日目
シリーズ戦の2日目は、ほぼ無風に近いコンディションもあって1号艇=インコースが8勝。ただ、豪快なまくり決着も3発飛び出した。もっとも過激だったのは、2日間24レースでただひとりダッシュ戦から突き抜けた高田ひかる!! 前検から警戒はしていたが、やはり大仕事をやらかしたのは、三重のスリットスナイパーだった。
前半8Rのひかるは大好物の4カドからスタートで後手を踏んで屈辱の二番差し~2マークの引き波にハマってスコンと転覆失格。節イチの伸び足の代償に出足系統を削っているから、混戦になると脆い。
その2時間半後の12R。電気一式とギヤケース交換でも自慢の伸び足が落ちなかったひかるは行った。5コースからただひとり、ゼロ台突出のぶち込みスタート! 8Rの踏み遅れがよほど悔しかったに違いない。で、スリットから覗けば黙って直進するひかるではない。伸びない出口舞有子を瞬時に叩き、絞める絞める絞める! 玉突き状態で③三浦永理の艇が浮き上がるほどだったが、緩めることなく絞めきったひかるがインの宇野弥生まで引き波にハメ混んでいた。電光石火の5コースまくりで3連単⑤④③は462倍の節イチ配当だ。(ちなみにココが勝負レースと見ていた私が買った舟券は、三浦永理への⑤=③-全がウン枚と⑤-②⑥-③がウン枚……下手すぎる><)
狙った巨大な獲物を取り逃がしたのは残念すぎるが、伸び~~る高田ひかるは明日からもまだまだ走り続ける。今日のような特大配当は望めなくとも、必ずや「ひかる本人、またはひかるの外」というターゲットにロックオンして好配当を召し取るぞ~!
ちなみに、前検から唯一のS指名に推している三浦48号機は、今日の前半戦から自慢の出足・回り足がやや空回りしていた。回転が合わなかったというレベルならまた軽快さを取り戻すと思うのだが、今日のところは上位級=Aランクに降格せざるをえない。うーーーん、この足落ちがいろんな意味で残念無念!!
ひかるの他では、5Rの角ひとみが力感溢れる行き足で3コース一撃まくり! 「初日1Rから16レース連続で1・2号艇だけの1着天下」という穴党にはちと酷な流れを堰き止め、すんなり外々の③④⑤で213倍の穴を演出した。ちなみに、直前まで昨日のパワー評価どおりの③=④を買おうと決めていた私は、モーター抽選の記事に追われて〆切時間に気づかなかった、とさ(涙)。
もうひとり、9Rの堀之内紀代子も伝家の宝刀とも呼ぶべき得意の2コースジカまくりでバック突き抜けた。黒須田の本誌予想が展開推理までモノの見事に当たったわけだが、「高田ひかるのセンターまくり(今日は5コース)」といい「堀之内のジカまくり」といい、こうした個性のあるレーサー&決まり手がしっかり水面に反映されるのは楽しい限り。さらに私の中では「塩崎桐加の4カドまくり(展示タイムが良ければほぼ行きます!)」「五反田忍の4カドまくり(最近はちょっと停滞気味だが、展示タイムが悪くてもスタート勝負があるので要注意)」も舟券の鉄板セオリーとして定着している。奇しくも明日は6Rの塩崎、8Rの五反田がともに4号艇。個性派レーサーたちの十八番まくりの流れが、明日も続くことを切に祈る。
クイーンズクライマックスシリーズ初日
1号艇=インコースが7勝、2号艇=2コースが5勝。イン7勝はともかく、2コースが大暴れしたシリーズ戦の初日だった。最大の要因は、終日吹き荒れた強めの追い風だろう。この季節の浜名湖は北風=ホーム追い風になりやすく、インの先マイか流れて2コース差しが届きやすい。今日も5Rの山下友貴、6Rの樋口由加里、9Rの富樫麗加、10Rの山川美由紀がズブズブと2コースから差し抜けた。
ある記者さんから聞いた話では「浜名湖は北西の風が吹くと、スリットラインは追い風なのに、1マークでは逆に向かい風になることが多いんです。で、それを知ってる選手はあえてまくりに行って穴を開けるんです」とのことで、今節はこの不思議な風の悪戯を脳内の引き出しに入れておきたい。その記者さんは「まあ、これを知ってる女子選手が、どれくらいいるかは疑問ですけどね」と付け加えてはいたが(笑)。
で、初日に唯一の「2コースまくり」が炸裂、レースも配当も大荒れとなったのが4Rだ。まず、波乱の布石は3号艇・高田ひかるのピット離れ。スコーンと出遅れた高田は大回りでスロー3コースを取り返しに行ったが、④堀之内紀代子が抵抗して1243/56の変則隊形となった。
堀之内としては自力で攻める腹積もりだったはずだが、4コースの高田がスリットから伸びる伸びる! たちまち堀之内を叩き潰し、さらに内2艇をも呑み込む勢いで絞めまくった。この怒涛の猛攻撃を仕掛けてくれるから、高田のセンター戦は信頼できる。
ただ、玉突き状態で窮屈になった2コースの中澤宏奈が、この高田アタックに猛反発! まくられる寸前にガッツリ握って艇を合わせ、勢い握りっぱなしで先制のジカまくりを放った。宏奈の奇襲攻撃を浴びたイン櫻本あゆみは焦りが生じたか、小回り旋回がターンマークに接触してザバンと落水。そこに6コースから差した落合直子がドカンと乗り上げ、さらには回避しようとした堀之内紀代子がエンスト、で1マーク周辺は3艇3人が滞る悲惨な事故現場となった(後に堀之内がエンジン再始動、櫻本は妨害失格、レース後に櫻本と落合が負傷帰郷)。
早々に立ち去ったふたりは残念無念だが、やはりレースとして特筆すべきは高田ひかるのストレート足だろう。さらにひかるは後半10Rの直前にピストンリングを1本交換。「冬場のリング1本換えは、ここ一番のエンジン活入れ」としたものだが、強いホーム追い風を嘲笑うような6秒65という超絶な展示タイムを叩き出した(結果は事故などもあって伸びが不発の4着)。
明日のひかるは8R4号艇&12R5号艇の2回走。今日まんまのストレート足が持続するなら(←リング交換による足タレはやや警戒)、明日も有無を言わさぬスリット一撃攻撃が見られるだろう。
高田ひかるの伸び足も含め、初日12レースを終えてのパワー鑑定をタイプ別に記しておこう。
行き足~伸びが強力
★高田ひかる【出C・直SS】=先に書いた通り、ことストレート足に関しては文句なしの節イチ級だ。出足・回り足が犠牲になるのは仕方がないところか。
★山川美由紀【出B・直S?】=前半はターンで滑るわあまり伸びないわで不安な面が多かったが、後半10Rは1マークの出口~スリット裏で三浦に追いつく迫力。「ペラを裏面だけ叩き換えた」とのことで、さらにペラを煮詰めれば下馬評どおりパンチ力溢れる19号機に変貌するかも? 明日の4R4号艇のスリット足に全員集合!
★塩崎桐加【出C・直A+】=前半2Rは「行き足◎伸び○」という足色に見えたが、6号艇の後半はおそらくストレート強化でアウトからまくりに行った。高田ひかると同様、伸びさえ来ればとことん自力でアタマを取りに行くタイプ。特に4カドはスタートからシャカリキ行って絞め込むレースが多く、4号艇で狙いたい。明日は1R5号艇(展示タイム注目)と8R1号艇。
出足・回り足が強力
★三浦永理【出S・行S】=やはり出足~行き足は軽快の一語! 10Rも起こしからスイスイ加速、あまりに突出し過ぎてうっかり伸びなりまくりに行ってしまったが「伸び」の部分は売り切れた感がある。スロー起こしではアタマから、外のダッシュ戦では2、3着で狙うのが本筋か。明日は7R5号艇と12R3号艇だ。
★土屋実沙希【回S・直B】=9Rのイン戦は2コース富樫麗加に差されたが、ホーム追い風の影響大。その後の追走足はかなりしっかりしていて、ターンごとに水を噛んでいる力強さがあった。外枠での2、3着ヒモで穴を狙いたい。明日は1R6号艇(⑤は塩崎)と10R3号艇。オープニング勝負!?
★樋口ゆかり【回A+・直B】=展示タイムは重いが「レースでは数字ほど悪くない」とのことでストレートは水準レベル。でもって出足、回り足は軽快そのもの。くるくる回って敵を振りきる実戦的なパワーを誇る。今日は風の手伝いもあって2コースから差し抜けたが、基本的に2・3着のヒモで狙いたい粘り足ではある。明日は狙って面白い5R4号艇と11R6号艇。
★水野望美【出A・直B】=スリットのパンチ力は感じないが、今日は接戦になるたびしぶといレース足で難敵に先着。引き波でへこたれない馬力があって、今後も枠番を問わずに舟券に絡んできそうな出足系統だと思う。一見地味な足色だけに、人気の盲点になったら迷わずヒモに加えたい。
均整のとれたバランス型
★山下友貴【出A・直A】=昨日は「出足よりストレート」と見ていたが、今日は2コースから差しきった足色も含め、全部の足が強めのバランス型に見えた。とりあえず控えめのオールAに置きつつ、実際にはオールA+くらいの破壊力も頭の片隅に想定しておきたい。明日は2R6号艇と9R3号艇で一発注意!
★渡邉優美【出A・直A】=今日の2コース2着・5コース3着の足色は「これぞバランス型!」という抜群の安定感を感じさせた。欠点が見当たらず、大崩れが考えにくい好脚。一方、スリット付近のパンチ力はなさそうで、しっかり着をまとめて準優好枠から優勝を狙いたいパワーだ。明日は4R3号艇と9R4号艇でノルマは14点あたりか。
★角ひとみ【出A・直B+】=9Rの5着(最下位)は案外だったが、3Rのイン逃げは鮮やかだったし、道中の足色にも余裕を感じさせた。後半の敗因を踏まえつつ、しっかりエンジンと向き合えば外コースから穴を演出する可能性のあるパワーだと思う。明日は5R3号艇と9R5号艇。もちろん後者が面白い。
★中川りな【出B+・直A】=3Rで山川19号と互角以上に渡り合ったレース足に魅力を感じた。山川が調整途上だったとしても、出口からの押し足~その後の加速感は軽視禁物だろう。実績的に人気の盲点になりやすいだけに積極的に舟券に絡めていきたい。明日は4R2号艇と10R6号艇!
★金田幸子【出B+・直B+】スリットも道中もまったく派手さは感じないが、くるくる回って押し上げる実戦足の強さを感じた。本人は「とにかく乗りやすい」とのことで、そのあたりのフィット感がレースに反映されているのだろう。レディチャン覇者の底力とともに、不気味な存在とお伝えしておく。明日は6R4号艇と10R1号艇。
残念ながらワースト級
★岸恵子【出C・直C】うーーん、昨日の前検ワースト時計がどうかと思っていたが、やはり実戦でも厳しい足色だった。懸念したストレートのみならず、旋回するごとにズルズル滑る感じで2番手争いから5着まで後退……かなりの重症と言わざるをえない。
で、昨日はA級に指名した宇野弥生は、6R5着&12R6着と這い回ってしまった。ともにスリット付近の行き足だけは五分以上に見えたが、そこから1マークまでの伸びが売り切れ。さらに回り足~出口の押し足もスカスカで、出足系統には見るべき何もなかった。見立て違いを詫びるとともに、A級リストから削除しておきたい。
ボートレース浜名湖の注目モーター・前検情報
正午過ぎに女子賞金TOP12選手のモーター抽選が行われ、クライマックス組のモーターが決まりました! 抽選順に列挙します。
守屋美穂=66号機
平山智加=22号機
小野生奈=51号機
平高奈菜=30号機
大山千広=6号機
寺田千恵=60号機
松本晶恵=7号機
細川裕子=31号機
香川素子=12号機
岩崎芳美=18号機
遠藤エミ=13号機
田口節子=17号機
★山川美由紀=19号機
スリット一撃が期待される19号機ですが、起こしからの立ち上がりはちょいと重そうでした。足合わせでは水野望美の内からターン回り~出口がやや劣勢で、そこからモコモコと出て行く感じ。スタート練習の1本目は2コースから起こしで付いていかずに大凹み、2本目は早めに起こしたもののスリットまで重く、その後の加速感はいい感じ。3本目は4カドからダッシュに乗ってスリット前後からグイグイ出て行った。つまりは典型的な伸び型で、現状はダッシュ向き。不覚があるとすればインコースを含めたスロー起こしでのS凹みだと思います。できればどんどん助走を取って自力で攻め潰したい足色でしたね。今日のところはAランク。
で、今日はスタート練習で抜けて良く見えた人機がおりました。自分の見立てを信じて唯一のSランクを授けます!
S級(抜群候補)
★★三浦永理=48号機
ひとことで表現するなら「軽快」に尽きます。1本目は2コースの同時起こしからスーーッと飛び出しスリットでさらにシュッと出て行く。2本目はアウト6コースから軽やかに加速してスリット付近でマックスの伸び足に。3本目の3コースが圧巻で、スリット付近で瞬時に半分ほど突き抜ける行き足に惚れ込みました。私流の評価では『出S・行S』となります(あくまでシリーズ内の相対比較ではありますが)。第1回大会のクイクラ女王からすれば鬼に金棒、コッチの大会では優勝して当たり前のマッチングとお伝えしておきます!
A級(上位候補)
★山下友貴=36号機
こちらも軽快でした。三浦48号に比べると後半が魅力。池田浩美との足合わせではスリット裏からグイグイ突き放し、スタート練習でも6コースからの飛び出しが半端なかった。女子の中でさらに軽量(44キロ)という利点を加味しても、ゴキゲンな伸び足でしたよ。半面、スローの1・3コースでは目立たなかったから、伸び特化型の可能性もありそうです。競り合っての引き波には弱いかも??
★樋口由加里=43号機
山下36号と同班で、山下によくよく似た感じの加速感。ただ、コッチはやや手前が強く、落合直子との足合わせでは出口付近から瞬時に突き放して行く押し足がありました。さらに出口舞有子にも圧勝し、「ひぐち、出口で出口を圧倒!」などと書き込んでおりました(笑) 山下よりさらに軽い43キロの恩恵もありますが、この出口パワーは要注意。
★土屋実沙希=59号機
三島リストでもAランクの59号機、やはりダダ者ではなさそうですよ。これはもう足合わせのターン回り!! 今井美亜の外から呼吸を合わせて回ったらば、出口までに2艇身は千切っていた。今日イチのインパクトで、メモには「ターン回り~出口ケタチ、みさき圧勝!! 今井が弱い??」と記しています。まあ、後者の可能性もあるんですけど、あの迫力満点の回り足を信頼します。スタート練習は目立たなかったので、現状は手前寄りかも。
★宇野弥生=32号機
ドリーム組で僅差ながらいちばん優勢に見えました。足合わせでは長嶋万記の外から行き足~伸びでグイグイ煽る勢い。この時点で「伸び○」と書き込み、スタート練習では3本目の6コースから出て行く足に「ダッシュで1/3、やはりチョイ伸びる」。圧倒的な迫力ではないけど、明日のドリームで4カドから主導権を握る可能性が高い足だとお伝えしておきます。
★高田ひかる=37号機
試運転では見かけず、スタート特訓でも2本目までノーマーク。むしろ同班の倉持莉々の行き足(50キロながらじわじわ出て行く)に軽く目が向いたのですが、3本目の3コース、早起こしながら猛烈な加速感で突き抜けて行く直線足に「えっ!!」と叫んでしまった。実に早起こしの突出Fなので正味の比較はできないんですけど、不気味なオーラにちなんで末席に追加します。この直感が当たっているなら、当代きっての「まくり姫」と呼ばれるひかるちゃんがどれだけ暴れるか、推して知るべしでしょう。
他では水野望美のスローからのスリット足、角ひとみと倉持の行き足、渡邉優美の伸び足も良さげに見えました。三島リストの穴=土屋千明52号機は「悪くはないけど」的な中堅上位レベルの見え方でしたね。前検タイムです。
前検時計TOP10
①佐々木裕美 6.68
②山下友貴 6.69
③川野芽唯 6.70
渡邉優美
高田ひかる
⑥堀之内紀代子6.71
塩崎桐加
⑧三浦永理 6.72
竹井奈美
谷川里江
トップは佐々木裕美ですか。スタート練習のダッシュでまあまあいい感じとは思いましたが、ここまでの時計が出るほどとも思えなかった。以下、やっぱいちばん不気味なのは3位のひかるですかね。うん、あの特訓でこの時計なら一発あると思います! ちなみに山川19号は6秒75の平均タイム。うーーん、もうちょっと出るはずなんだけど……。
前検ワースト5
①岸 恵子 6.86
②海野ゆかり 6.82
③五反田忍 6.80
④落合直子 6.79
中澤宏奈
五反田はもっと伸びてるように見えましたが、他の面々はまったく目立たず。特に、樋口に圧倒された落合のこの時計はかなり心配です。現状のワースト候補かも?