トライアル第3戦=勝負駆けラストバトルのメンバー&枠番が確定しました。逃げ逃げ連勝を決めて暫定トップの守屋美穂は1号艇3連発とはならず、5号艇からトップを狙います。1号艇をGETしたのは小野生奈と、逃げきってもファイナル入りが微妙な寺田千恵。トップ争いは守屋がすんなり突き抜けるのか、好枠の平高、小野、香川などにもチャンスがありそうです。2日間の得点と、想定ボーダー21点での勝負駆け条件も添付しておきます。
熱戦が繰り広げられているボートレース浜名湖の「プレミアムG1第9回クイーンズクライマックス」は29日、シリーズ戦の予選が終了。トライアルは2回戦が行われた。この日は追い風3mで幕を開けたが、7・8Rでは無風になり、9Rからは今の季節には珍しい向かい風が吹いた。
トライアル2回戦の11Rは、ほぼ横一線のスリットから2コースの小野生奈がツケマイを敢行。これをインの大山千広が受け止めて逃げ態勢を築いた。残り4艇による差し合戦は、二番差しの平高奈菜が2着を確保。3着は道中でジリジリと追い上げた遠藤エミが3周2マークで小野を小回りで交わした。
逃げ切った大山は「いっぱい、いっぱいでしたね」と辛勝を強調。「伸びはある程度持つけど、出足が弱いし、ピット離れは最悪」と笑みはなかった。大山はトライアル3回戦の枠番抽選では6号艇(11R)となり、試練を乗り越えられるか。
2着の平高奈菜【写真下】は「伸びを持たせようとするとグリップとかが…」と言葉を濁したが、2戦して連続2着と得点率は2位につけている。30日は強めの追い風予報だけに「乗りやすさを重視していくと思う」と調整の方向性を口にした。トライアル3回戦は2号艇(12R)だ。
トライアル2回戦の12Rは守屋美穂【写真下】がインからコンマ01のタッチスタート。余裕のある逃げを披露した。2コースの香川素子が一番差しで2着をキープ。大外から最内を差した田口節子が2マーク小回りで3着に浮上した。
<浜名湖 5日目11R トライアル>
1枠 寺田 千恵 (岡山) 5着5着10点
2枠 平山 智加 (香川) 2着4着15点
3枠 香川 素子 (滋賀) 3着2着16点
4枠 遠藤 エミ (滋賀) 3着3着14点
5枠 松本 晶恵 (群馬) 4着6着10点
6枠 大山 千広 (福岡) 4着1着16点
※()内は支部 右は今節着順と合計点
<浜名湖 5日目12R トライアル>
1枠 小野 生奈 (福岡) 1着4着16点
2枠 平高 奈菜 (香川) 2着2着18点
3枠 細川 裕子 (愛知) 6着6着 8点
4枠 田口 節子 (岡山) 5着3着12点
5枠 守屋 美穂 (岡山) 1着1着20点
6枠 岩崎 芳美 (徳島) 6着5着 9点
最後の枠番抽選(トライアル3回戦)は寺田千恵(11R)と小野生奈(12R)が1号艇をゲット。5番目に抽選器を回した寺田は、白い玉がこぼれ落ちた瞬間、「ヨッシャー!」と飛び跳ねた。小野も「イェーイ!」と両手を挙げて喜びを表現した。
トライアルの得点表は1着10点、2着9点、3着7点、4着6点、5着5点、6着4点。優出するためのボーダーラインを3走しての合計点でいうと、2018年が5・4・2着と3・3・4着が20点で並び、着位差で5・4・2着の方。2019年は1・4・5着の21点だった。例年の傾向だと22点がほぼ当確圏、21点だと上位の着順を取っているかどうかが当落の分かれ目となる。
12R組の守屋美穂と平高奈菜は無事故完走なら当確圏。11R組の寺田千恵と松本晶恵は1着取っても全体の結果待ちに…。11Rの平山智加らほかの4選手は自力の勝負駆け態勢。 なお優勝戦の枠番は抽選ではなく、トライアルの得点率順に組まれる。
ボートレース浜名湖のGⅢ「クイーンズクライマックスシリーズ」は29日、4日間の予選が終了。5日目(30日)の8~10Rで行われる準優勝戦に出場するベスト18が決定した。
予選最終日の4日目は1~10レースまで1号艇が10連敗するなど荒れ模様。得点率でも上位陣に変動があり、2走して3、1着の海野ゆかり(広島=47)が逆転でトップに浮上。地元の山下友貴(静岡=34)が2位をキープ、1位だった山川美由紀(香川=54)が3位となり、このトップ3が準優勝戦の1号艇を確保した。
機技充実する上位3人は準優勝戦でも有力だが、注目したいのは安定感ある走りを見せている水野望美(愛知=32)だ。
予選ラストの5Rはインからコンマ15のトップスタートを決め、逃げ態勢に持ち込むが「自分のミスです」と1マークのターンで流れたところを竹井奈美(福岡=31)に差され、バック2番手。道中では追い上げるシーンもあったが、そのまま2着でゴールした。未勝利ながら3、3、3、2、4、2着と安定感は抜群で、得点率11位で予選を突破した。
「足は全体的に悪くないんですけど、今節は何か乗れていない。差す足がいいとか、直線で出て行くとか、どこといって特徴もないので、どこかをこさせたいですね」と、レース後はペラ調整と試運転を繰り返し、舟足の上積みを求めた。
11月の戸田ヴィーナスSでは優勝戦1号艇ながら1周2Mの落水で失格。「すごい悔しかったし、かなり引きずりました。でも、いい経験になりましたし、今節はその経験を生かしたいです。準優は外枠なので展開を突ける足にしたい」と、カド一撃でまずは優出を目指す。
浜名湖での第9回クイーンズクライマックス&シリーズ戦(12月26日〜31日開催)は大会4日目。ベスト12メンバーによるプレミアムG1クイーンズクライマックスはトライアル2日目が行われ、11Rは大山千広(福岡)がイン逃げ、12Rも守屋美穂(岡山)がイン逃げを決めて快勝。守屋は無傷の2連勝で得点率首位を快走している。
そして26日から行われている「G3クイーンズクライマックスシリーズ戦」は4日目を終えて予選ラウンドが終了。準優勝戦に進む18人の顔ぶれが決まった。
<浜名湖 5日目 8R シリーズ準優勝戦>
1号艇 山川 美由紀(香川) 今年1コース1着率71%
2号艇 谷川 里江(愛知) 今年2コース1着率14%
3号艇 塩崎 桐加(三重) 今年3コース1着率18%
4号艇 三浦 永理(静岡) 今年4コース1着率20%
5号艇 金田 幸子(岡山) 今年5コース1着率5%
6号艇 樋口 由加里(岡山) 今年6コース1着率0%
※()内は支部
<浜名湖 5日目 9R シリーズ準優勝戦>
1号艇 山下 友貴(静岡) 今年1コース1着率57%
2号艇 竹井 奈美(福岡) 今年2コース1着率36%
3号艇 渡邉 優美(福岡) 今年3コース1着率5%
4号艇 水野 望美(愛知) 今年4コース1着率7%
5号艇 堀之内紀代子(岡山) 今年5コース1着率10%
6号艇 富樫 麗加(東京) 今年6コース1着率2%
<浜名湖 5日目 10R シリーズ準優勝戦>
1号艇 海野 ゆかり(広島) 今年1コース1着率67%
2号艇 池田 浩美(静岡) 今年2コース1着率29%
3号艇 長嶋 万記(静岡) 今年3コース1着率13%
4号艇 平田 さやか(東京) 今年4コース1着率13%
5号艇 大瀧 明日香(愛知) 今年5コース1着率2%
6号艇 高田 ひかる(三重) 今年6コース1着率6%
地元の静岡支部からは4人が予選を突破。山下友貴が予選2位、池田浩美が予選6位、長嶋万記【写真上】が予選7位、三浦永理【写真下】が予選10位に入る活躍を見せて準優に駒を進めてきた。シリーズ戦は過去8回行われているがまだ地元勢が優勝したケースはゼロ。大会初の地元Vに向けてまずは優出切符を手にしたい。
なかでも注目したいのは長嶋と三浦だ。2人は91期の同期生。2002年11月のデビューから切磋琢磨しながら活躍し、約18年間にわたって苦楽をともにしてきた。そんな2人の成績を見ると、長嶋が通算117優出32V、三浦が通算117優出33Vだ。互いに刺激しあい高めあってきた2人の姿が数字にもはっきり表れている。
【長嶋万記と三浦永理の年次別成績】
年次 長嶋万記 三浦永理
2002年 0優出 0優出
2003年 0優出 0優出
2004年 0優出 1優出
2005年 1優出 2優出
2006年 1優出 3優出
2007年 0優出 5優出1V
2008年 2優出 6優出
2009年 3優出1V 5優出3V
2010年 7優出 12優出4V
2011年 3優出1V 12優出5V
2012年 10優出4V 13優出4V
2013年 13優出4V 12優出6V
2014年 8優出1V 12優出1V
2015年 4優出1V 14優出6V
2016年 18優出5V 9優出2V
2017年 18優出8V 8優出1V
2018年 16優出5V 0優出
2019年 6優出1V 0優出
2020年 7優出1V 3優出
5日目の30日は長嶋が準優10Rの3号艇、三浦が準優8Rの4号艇で登場。ともに勝ち上がって優勝戦で顔を合わせたいところだ。これまで10回以上も優勝戦で対戦したことがある長嶋と三浦だが、2人が優勝戦を一緒に走ったのは2017年6月の若松ヴィーナスシリーズが最後。三浦が2018〜2019年に長期欠場していたこともあり、優勝戦対決はここ3年半ほど実現していない。地元浜名湖でのクイーンズクライマックスシリーズ戦という大舞台で、久々に静岡91期コンビが優勝戦そろい踏みとなるのか注目したい。
●11R
大山千広が逃げ切り。ピット離れで後手を踏みかけ、あわや小野生奈に叩かれるところだった。スタート展示からズッていたので、もし本番でやられても回り込んでインを獲り返すつもりだった、100mでも仕方ない、と腹を括ってはいたようだが、なんとかインを主張して先マイ逃走。安堵が大きい一戦ではなかったか。ただ、そのピット離れも含めて、課題は多いようで、レース後には師と仰ぐ川野芽唯と真剣な顔つきで話し込んでいる。それは勝利後の様子には見えないものだったから、その課題をふまえて、すでに明日の勝負駆けに意識を持って行っているのかもしれない。
最も表情が明るかったのは遠藤エミだったように思う。4着かと思われたものを、猛然と追い上げて小野生奈を逆転しての3着浮上。足色も素晴らしく見えたし、何より怒涛の追い込みが奏功したのだから、気分が高ぶって当然だ。明日の勝負駆けで少しでも楽になった、という意味でもだ。
だから対照的に小野生奈の表情が微妙となる。結果論だが、3着なら得点は17。ボーダーを21点とするなら、明日は無事故完走でファイナル当確ということになっていた。それが5着条件となっただけ、という考え方もできるわけだが、しかしあの着順の下げ方はかなり悔しいものには違いない。
後方では、細川裕子と寺田千恵が5、6番手を争うようなかたちになったが、初戦も大敗だった二人は、実質上ここでファイナル行きがほぼ絶たれることになってしまった。細川はもう笑うしかないといった感じで、むしろにこやかではあったが、本音はまったく別のところにあるはずだ。寺田は他の5名よりもだいぶ遅れて控室へと歩み出しているが、それが孤独感というか寂寞というか、なんだか実に物悲しい光景に見えてしまった。枠番抽選で白を引き、歓喜をあらわにはしたが……。明日は意地を見せる1号艇となる。
●12R
レース後、田口節子が実に朗らかであった。3着でファイナル行きの希望を残す結果となったことに、だろうか。それとも、全員に抵抗されて6コーススローに留まったものの、前付けでしっかりと勝負の意思を見せられたことに、だろうか。まあ前者、あるいは前付けに関して笑い合っていただけかもしれないが、気持ちが伝わるコース獲りを見せたことに対する充実感はあるのではないかと推測する。
逃げ切った守屋美穂に対しては、出迎えた寺田千恵がかなり興奮していて、問いかけに守屋が言葉を返すと、「そうよね! そうよね!」と我が意を得たりと声を弾ませていた。守屋のスタートタイミングは驚異のコンマ01! それに関しての会話だったのだろうか。寺田の様子に守屋も目を細くして、けらけらと笑っていた。
それにしても香川素子が駆る12号機のパワーは完全に戻っているのではないか!? あるいは別物になってる!? 前節の転覆で完全に足落ちしていると伝えられた12号機、しかし昨日のセット交換の効果があるようにしか見えない走りであった。3着2着と上々の2走に、香川の表情は明るい。明日は追い風が強くなるという予報のようだが、そうした環境の変化にもこの百戦錬磨はきっちり対応すると思われる。
こちらのレースでは、やはり大敗の松本晶恵、岩崎芳美がほぼファイナル行き絶望となってしまっている。岩崎は10R発売中にも電気回りの調整をしていて、足が仕上がらないままの第2戦となってしまったか。松本は今日もギリペラ、それも本当にギリギリのギリに展示ピットにボートを入れるという、粘りの調整を行なっていたが、報われず。明日もやはり、とことん調整を続けて最終戦に臨むことになるだろうか。
●シリーズ
山川か、山下か、それとも竹井か、などと見ていた予選トップ争いは、なんと海野ゆかりが逆転! 9Rで竹井奈美が大敗したことで決定した。そのエンジン吊り、状況を知ってか知らずか、海野は岸恵子と神妙な表情で話し合い。あれを見ると、どう考えてもトップに立ったと認識しているようには見えなかった。
10Rが終わって、谷川里江が2号艇のプレートと1号艇のプレートを手に海野に接近。海野にそっと1号艇のプレートを手渡した(谷川は準優2号艇)。それは予選トップの先輩からの敬意に見え、海野は一瞬だけ照れ笑いして、それを受け取った。10R発売中にトップ通過を知らされてはいたんだろうなあ。海野はそのプレートをにこやかに自分のボートにセットしている。
一方のボーダー争いは、角ひとみが10Rで4着に敗れたことで、8Rをカドまくり一撃で次点にまで上昇していた高田ひかるが18位に滑り込むこととなった。高田もそれを知ってか知らずか、10R後はてきぱきとエンジン吊りなどに勤しんでいた。その後、スポーツ紙の記者さんが声をかけたとき、一瞬だけ目が丸くなったので、それで準優行きを知ったのではないかと思われる。6号艇とはいえ、今日みせた伸びは魅力だなあ。おそらく6コース発進、大外から何を魅せてくれるか楽しみだ。